東京五輪で復元予定だった明治時代の幻の迎賓館「延遼館」をご存知ですか
2020年7月23日
知る!TOKYO五輪開催にあわせて東京都が復元を予定していた歴史的建造物「延遼館」をご存じでしょうか。その魅力について、フリーランスライターの小川裕夫さんが解説します。
浜離宮恩賜庭園内にあった延遼館
世界を震え上がらせさせた新型コロナウイルスによって、2020年7月23日(木)に開幕する予定だった東京五輪は延期されました。
2013年の開催地決定から着々と準備が進められていただけに、開催の延期を残念に思う人は少なくありません。それだけに、2021年の開催に期待は膨らみます。
一方、五輪開催が決まった直後から東京都が復元を予定していた歴史的建造物があります。それが、明治半ばまで浜離宮恩賜庭園内にあった延遼館(えんりょうかん)と呼ばれる接遇施設です。

長らく鎖国をしていた江戸幕府は、長崎など一部の地域にしか海外との窓口を設けていませんでした。そのため、海外から賓客が公式的に訪日することはありませんでした。
そうした背景から、江戸幕府は賓客を接待するための施設を公式的に整備する必要がありませんでした。
1854(嘉永7)年に日米和親条約が締結されると、幕府は鎖国を解除。これを皮切りにロシア・オランダ・イギリス・フランスなどの大国が次々と開国を迫ります。諸外国に押し切られる形で、江戸幕府は開国を決断。こうして、海外から多くの人が訪日するようになりました。
江戸幕府が倒れた後、1868(明治元)年に明治新政府が新たに発足します。その翌年、イギリス皇帝・ヴィクトリア女王の第2王子エディンバラ公がアジアを歴訪しているとの情報が届きました。そして、アジア歴訪の途中で、日本にも立ち寄るというのです。
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