日本のサグラダ・ファミリア? 世田谷区「祖師谷公園」がいつまでたっても完成しない理由
2020年7月18日
知る!TOKYOスペインのサグラダ・ファミリアのように、「いつまでたっても完成しない」公園が世田谷区にあります。その名は祖師谷公園。いったいなぜでしょうか。フリーライターの猫柳蓮さんが解説します。
誕生から45年たった現在も……
世田谷区にある祖師谷公園(世田谷区上祖師谷)は、仙川の両岸に9haあまりの敷地を持つ、住宅地に囲まれた公園です。

祖師谷公園は1975(昭和50)年、東京教育大学(現・筑波大学)の農場跡地を利用する形で誕生。しかし、45年たった現在でも完成していないのです。
工事が日常風景となっている場所といえば、国内では横浜駅や新宿駅、国外ではスペインのサグラダ・ファミリアが定番ですが、祖師谷公園はそれらよりも「ハイレベル」とちまたでささやかれています。
その理由は、これから「100年たっても完成しない」と言われているからです。
サグラダ・ファミリアですら、設計者の没後100周年にあたる2026年に完成予定と、一応の見通しは立っています。祖師谷公園が100年たっても完成しないのは、いったいなぜでしょうか。
緑地計画と防空法改正
もともと祖師谷公園は、1939(昭和14)年に策定された「東京緑地計画」によって計画されました。
東京緑地計画とは、環状の緑地帯で当時の東京市の外周を囲もうという大規模な都市計画でした。

しかし計画は、1941年に入って性格を変えます。
防空法改正により、計画中の緑地は「防空緑地」として買収と工事が進められることに。
防空緑地とは都市が空襲を受けたときに、延焼を防いだり避難場所を確保したりする目的で設置されるものです。

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