ミクロネシアから流れ着いた「小さな旅人」がかつて生息 日本最東端の孤島「南鳥島」をご存じですか【連載】東京無人島めぐり(5)
2020年7月5日
知る!TOKYO東京都内に330もある島――その中でも無人島の歴史についてお届けする本連載。5回目となる今回の島は「南鳥島」。案内人は、ライター・エディターの大石始さんです。
日本最東端の島
日本最南端の場所は、以前この連載でも取り上げた沖ノ鳥島。最西端は沖縄の与那国島、最北端は北海道の択捉島です。では、最東端の場所は?
正解は、東京都小笠原村に属する南鳥島です。

この島はハワイと同じ太平洋プレートの上に乗る日本で唯一の場所。1864(元治元)年に米国船モーニングスター号が来訪した際「マーカス島」と命名されたため、アメリカでは現在もその名で呼ばれることがあるようです。
1993年までアメリカ沿岸警備隊が管理
現在、船舶・航空機ともに民間の定期便はなく、政府職員が25人ほど生活をしています。
その内訳は、南鳥島気象観測所で働く気象庁の職員が10人、飛行場の維持管理や国境地域における警備活動を行う自衛隊員が10人、港湾施設の整備・維持管理を行う関東地方整備局の職員が3人ほど。
彼らは寄宿舎で生活しながら任務にあたっており、政府職員の移動には自衛隊や海上保安庁の航空機が使われています。

以前この島には、船舶や航空機で利用されてきた電波航法システム「LORAN」の施設があり、1993(平成5)年まではアメリカ沿岸警備隊が管理を担当していました。
当時は自衛隊員との野球の試合が滑走路で行われていたほか、親善パーティーも定期的に開催されるなど、日米の親善が図られていたといいます。その後、アメリカ沿岸警備隊は撤収。LORAN施設の管理は海上保安庁が引き継ぎましたが、のちに施設自体が廃止されました。

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