千葉や埼玉にあるのになぜか「東京」――地名と実態が合わない施設に関する一考察【連載】東京うしろ髪ひかれ地帯(3)
2020年5月31日
知る!TOKYO千葉にあるのに東京、埼玉にあるのに東京――。首都圏にはそのような施設が多く存在します。「看板に偽りあり」か、面白スポットか。都内探検家の業平橋渉さんが持論を展開します。
荒川区内だが「田端」を名乗る建物
地名と実態が合っていない――。東京ではそのような建物をよく見かけます。特に多いケースが、最寄り駅でブランドイメージが変わるマンションや雑居ビルです。
最寄り駅が尾久駅(高崎線)で、建物は荒川区内にあるにもかかわらず、「田端(北区)」の名前を付けているなど、ネタは尽きません。

やはりローカル度の高さで知られる尾久駅よりも、山手線の田端駅のほうがイメージがよいということでしょうか。住みたい人が多い地域の場合、こうした現象はより多くなります。人気の地名がどこまでも広がっている、というわけです。
千葉県にあふれる「東京」施設
事情を知らない人は、こういったことで「だまされた~」となるわけですが、特に批判される筋合いもないような気がします。
なぜなら、もっと大々的に……東京ではないのに東京を名乗っている施設が山のようにあるからです。その代表格といえば、千葉県浦安市にある東京ディズニーランド。しかし東京都と隣接している場所にありますから、ギリギリ許容できる範囲できます。
それ以外にも千葉県は、「東京」っぽい名前が付いた施設であふれています。

例えば、船橋市の「ららぽーと」の正式名称は「ららぽーとTOKYO-BAY」です。しかも東京ではなく、TOKYO-BAY。訳せば東京湾ですから、立地の点から見てもあながち間違いではないのかもしれません。
千葉県が東京の名前を使いたがる理由
また袖ケ浦市にある「東京ドイツ村」は、「どこが東京?」とツッコまれることが多い施設です。名前の由来は、なんと東京湾アクアラインが1997(平成9)年に開通し、東京から行きやすくなったからだと言います。

千葉県が東京の名前を使いたがる理由――。その背景は、自分たちを地味な千葉県ではなく、「東京の一部だと思いたい」という願望があるのではないかと言われてきました。
ただ、筆者(業平橋渉。都内探検家)はこれが事実なのかどうかもわかりませんし、たとえ地味さが欠点だとしても、それを補ってなお余りある魅力がある県であると感じています。
ただ詳細は避けますが、英語圏の人に「チバ」という名前を使うのは少々危なっかしいということを、筆者は最近知りました。確かに千葉県は成田空港(成田市)があり、外国人が多くやって来ます。そのため誤解を生むよりも、「東京」としたほうが安全なのかもしれません。

New Article
新着記事
Weekly Ranking
ランキング
- 知る!
TOKYO - お出かけ
- ライフ
- オリジナル
漫画