NHK連続テレビ小説「エール」に見る 古関裕而と日本コロムビアの歩み
2020年4月21日
ライフ3月30日から始まったNHK連続テレビ小説「エール」を通じて、法政大学大学院教授の増淵敏之さんが戦前のレコード産業の歴史を解説します。
作曲家・古関裕而と妻を描いた作品
NHK連続テレビ小説の通算102作目に当たる「エール」が、2020年3月30日(月)から始まりました。同シリーズの1作目は1961(昭和36)年なので半世紀以上続いていることになり、日本人の生活に定着した番組だと言えるでしょう。

「エール」は、昭和という激動の時代を生き抜き、人々に寄り添う数々の名曲を生み出してきた作曲家・古関裕而(ゆうじ)とその妻・金子を主人公のモデルにしており、それぞれ窪田正孝と二階堂ふみが演じています。
主人公は1909(明治42)年、福島の老舗呉服屋に生まれます。幼少の頃から音楽に親しみ、独学で作曲の才能を開花させていきます。
一度は夢を諦めようとしますが、海外の作曲コンクールに入賞し、道が開かれていきます。古関はクラシックからポピュラーへ転身するのですが、当時の音楽状況はいったいどのようなものだったのでしょうか。
音楽の産業化は蓄音機の発明から
音楽の産業化は、19世紀末のエジソンによる蓄音機の発明からと言われています。この蓄音機は円筒型と呼ばれ、録音再生が可能でした。
その後、米国の発明家であるエミール・ベルリナーが円盤型に改良し、普及。日本にも蓄音機は輸入されました。これが後のアナログレコードプレーヤーの原型に当たあります。

当時は高価な代物で、顧客はもっぱら富裕層。そのため、蓄音機を持っている富裕層の家や公共の施設で聴くしかありませんでした。その後、カフェで聴くという形態も生まれました。

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