大ブーム到来の今こそ知っておきたい「日本サウナ」50年の歩み
2020年3月25日
お出かけ近年人気急上昇のサウナ。その背景とサウナを取り巻くさまざまな施設について、文殊リサーチワークス・リサーチャー&プランナーの中村圭さんが解説します。
現在は第3次ブーム、日本での起源は1964年
サウナブームが到来しています。
熱いサウナと冷たい水風呂などのクールダウンを繰り返す「温冷交代浴」で血流が活発になり、さらに自律神経の活動も活発になって、深いリラックスを得る「ととのう」というキーワードが話題になりました。

2015年、2019年に連載されたサウナを題材にしたマンガ「サ道」(タナカカツキ著)の反響が高く、2019年にはTVドラマ化もされ、サウナに興味を持つ人が増加しています。
現在のサウナブームは第3次ブームと言われています。
わが国でのサウナの起源は56年前、1964(昭和39)年の東京オリンピックの際、フィンランド選手団が持ち込んだこととされています。その後の高度経済成長期に、ゴルフなどスポーツ施設の付帯施設やカプセルホテルの定番付帯施設として、一気に全国に拡大していきました。
いずれも男性向けの施設だったため、サウナには中高年の男性のイメージが根強くあります。また、この時期に拡大したサウナは高温低湿のドライサウナが中心で、「つらい」「我慢比べ」といったイメージもつきました。
温浴施設の拡大は1990年代から
第2次サウナブームは、1990年代からの温浴施設ブームと重複して起きました。温浴施設とは、
・健康ランド
・スーパー銭湯
・クアハウス
・日帰り温泉施設
・スパ
・サウナ
などを指します。
国内には温浴施設が数多く存在していますが、リフレッシュを目的とした集客業態としての温浴施設が一気に拡大したのは1990年代からの温浴施設開発ラッシュによるものです。
長引く景気低迷でさまざまな集客業態の業績が伸びない中、健康ランドの「相模健康センター」(神奈川県座間市)がファミリーなどに盛況だったことがデベロッパー(土地開発業者)に着目され、改めて温浴施設に興味が持たれるようになったのです。

温浴施設は当時の癒やしブームをけん引し、おりしも郊外エリアの大型複合商業開発が活発な時期であったことから、大型ショッピングセンターやパワーセンター(安売り店が集まった商業施設)などの複合集客施設として導入が進展しました。

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