文部科学省が「学力テスト」延期に踏み切ったふたつの事情
2020年3月18日
ライフ萩生田光一文部科学大臣が3月17日、全国学力テストの延期を明らかにしました。その延期の裏にはいったいどのような事情があるのでしょうか。教育ジャーナリストの中山まち子さんが解説します。
中止や規模縮小は過去2回あった
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、現在、一斉休校の措置が取られています。そんななか萩生田光一文部科学大臣が2020年3月17日(火)、小学6年生と中学3年生を対象に実施している全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の延期を明らかにしました。

延期の理由は、各学校の準備が一斉休校で進んでいないというもの。学校再開などに関する新たな報告は3月19日(金)に行われますが、今回の一報から、新年度の始まりが繰り下げられる可能性や、一斉休校の課題も見えてきます。
ウイルス感染による延期は初めて
現在の形となる全国学力テストが始まったのは、2007(平成19)年度からです。そしてテスト自体の中止と規模縮小は、これまでに2回ありました。

1回目は、東日本大震災があった2011年です。4月に予定されていた学力テストを7月末に延期することが同年3月18日、発表されました。しかし被災地の児童数の把握や転居が流動的だったり、教育現場が混乱していたりしたことから、5月下旬に2011年度の学力テストの実施を見送る通知を全国の自治体の教育委員会に送付しました。
2回目は、熊本地震があった2016年です。全国学力テスト実施の直前である4月14日と16日未明に連続して大きな地震が起きたこともあり、被災地である熊本、宮崎と大分の一部地域は中止となりました。
これまで中止や規模縮小となったのは、いずれの場合も大規模な地震によるものでした。今回のようにウイルス感染による延期は初めてのことです。
公立の小中高校への対応については政府から今後発表があると考えられます。
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