人とあまり会わずに楽しめる都内の早春散歩コース5選

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人とあまり会わずに楽しめる都内の早春散歩コース5選

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下関マグロ

サンポマスター、食べ歩き評論家

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新型ウイルス騒動で多くの人たちが外出を控えるなか、都内でも多くの人に合わずに散歩ができるコースがあるといいます。サンポマスターの下関マグロさんが解説します。

人が集まらない「知る人ぞ知るコース」

 詩人・中原中也(1937年没)に「早春散歩」という作品があります。詩の出だしは、

「空は晴れてても、建物には蔭があるよ」

です。

 冬が終わり春が来たとはいえ、風はまだ冷たいときもあります。そんな早春のお散歩用にもってこいのコース・ベスト5を選んでみました。現在はコロナウイルスが流行しているため、人が多く集まる場所ではなく、「知る人ぞ知るコース」を選んでいます。それでは早速ご紹介していきましょう。

川があった場所にかかるかつての橋

●蛇崩川緑道
 蛇崩川は「じゃくずれがわ」と読みます。かつて世田谷区から目黒区へ流れていた小さな川ですが現在は地下水路になっており、その上が緑道になっています。

 蛇崩川の源泉はもともと馬事公苑(ばじこうえん。世田谷区弦巻)あたりで、そこから中目黒駅付近で目黒川に注いでいました。

 緑道は世田谷区が約3km、目黒区が1kmと合わせて4kmのコースです。歩くのは上流からでも下流からでもオーケーです。もちろん、途中から歩き始めても構いません。

 中目黒駅あたりから歩き始めるなら、東急線の高架下がお勧めです。かつて川があった場所ですから橋も当然ありますし、場所によってはかつての橋がそのまま残されています。

かつての蛇崩川にかかる橋がまだ残っている。上目黒4丁目にある蛇崩下橋(画像:下関マグロ)



 蛇崩川緑道に残っている橋のひとつが、上目黒4丁目にある蛇崩下橋です。橋の欄干の一方は漢字、一方はひらがなで「じゃくずれしもばし」とあります。緑道を見失ったら橋を探しましょう。

都内の緑道は穴場?

 ところで蛇崩川という変わった名前ですが、その由来は諸説あります。かつて大水が出たときに崖が崩れ大蛇が出てきたから、蛇のようにくねくねと蛇行して流れているからといったようなことです。

1909(明治42)年測図の現在の上目黒4丁目付近の地図。蛇崩川の表記がある(画像:時系列地形図閲覧ソフト「今昔マップ3」〔(C)谷 謙二〕



 緑道は住所で言うと「世田谷区三軒茶屋」も通過しますが、商店などがある場所ではなく住宅街になっているため、人はほとんど歩いていません。

 また桜の木もあるので、開花シーズンは花を楽しむこともできます。花見客は多くないので、穴場の花見スポットとも言えます。

 東京にはこういった緑道がたくさんあります。阿佐ヶ谷から中野方面へ続く「桃園川緑道」は、高円寺などの商店街を横切りますが人は大抵いません。あなたの家の近くにある緑道を探して、出掛けてみるのもいいかもしれません。

行政整備のウオーキングロードにも注目

●いきいきウォーク新宿
 次は、新宿区が神田川沿いの道を整備している「いきいきウォーク新宿」です。

 神田川の橋ごとに番号がつけられています。1番は菖蒲橋(あやめばし)で、場所は新宿中央公園(新宿区西新宿)の近くです。菖蒲橋から14番の小滝橋までの区間では、川の反対側は中野区になります。

 その後、両側が新宿区内になり、23番の神高橋から対岸は豊島区となります。最後の33番が豊橋(ゆたかばし)。住所は新宿区西早稲田1丁目です。ここは都電荒川線の早稲田停留場が近いですね。JRの駅からは総武線の東中野駅、山手線の高田馬場駅からだとすぐにアクセスできます。

「いきいきウォーク新宿」の様子。歩きやすい道が続いている。この写真を撮影したのは桜が散った4月(画像:下関マグロ)

 春の日差しを浴びながら、川沿いの道を歩くのは楽しいものです。ただしこのルート、桜が咲く季節になると多くの人が歩きますので、人ごみを避けたい人はその時期は避けたほうがいいですね。

 このように区が整備しているウオーキングロードはほかにもあります。荒川区などでも整備され、区のサイトからマップをダウンロードできるようになっています。

 あなたの街の近所にも地方自治体が整備したウオーキングコースがあるかもしれないので、調べてみてください。

江戸城のお堀を楽しみながら散歩

●外濠公園
 千代田区にある、かつての江戸城の外堀がそのまま公園になっているコースです。

 JRの四ツ谷駅あたりから飯田橋駅まで線路と平行に走っています。お堀の土手を歩くのですが、途中にベンチや遊具があります。全長約2km。かつての江戸城のお堀の面影がそのまま残されています。

かつての江戸城外濠につくられた外濠公園(画像:下関マグロ)



 普段はそんなに人は歩いていませんが、お花見の時期になると人が増えるので、人ごみを避けたい人はこの時期をはずすといいでしょう。

山手線散歩は駒込駅から田端駅までがお勧め

●山手線ひと駅歩き
 人が少ないのは、駒込駅から田端駅でお勧め。逆にアメ横がそのまま駅間になっている上野駅から御徒町駅はお勧めできません。ここは人ごみであふれかえっています。

山手線の巣鴨駅から駒込駅までの様子。桜の時期は桜並木が見事(画像:下関マグロ)

 また、桜の季節なら、巣鴨駅から駒込駅も桜並木があって美しい景色が広がります。花見客は少ないので穴場かもしれません。

人ごみを避けて、早春の散歩へ

●自宅から1時間歩く
 公共交通機関などを使わず、自宅から歩いて戻ってくるという散歩が一番手軽でいいかもしれません。

 1時間歩けば、戻るのも1時間かかります。計2時間の外出です。お弁当を持ってでかけてもいいですね。いつも歩かない方向へ歩いてみると、新しい発見があったりするかもしれません。街路樹や住宅街などで見かける生け垣など、歩きながら春を感じることでもできるでしょう。

 というわけで、この時期は人ごみを避けて、早春の散歩に出掛けてみませんか。

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