公立学校に通ったら「お金が掛からない」は大間違い 文科省データで見えてきた東京の現実とは
2020年1月26日
ライフ授業料無料のイメージから、私立中学と比べて公立中学進学はあまりお金がかからなそうなイメージがありますが、どうやらそんなに甘くないようです。教育ジャーナリストの中山まち子さんが解説します。
キーワードは「学校外活動費」
東京都内は一般的に、中学受験が盛んと思われています。しかし、東京都教育委員会の「公立学校卒業者の進路状況調査書」を見ると、2018年度の公立小学校から私立中学への進学率はわずか17.9%で、小学生の80%以上は公立中学に進学しています。
公立といえば、授業料は無料で「私立に比べれば安い」というイメージは定着していますが、果たして本当でしょうか。

文部科学省の「平成30年度 子供の学習調査」によると、首都圏のような大都市を含む指定都市(政令で指定する人口50万以上の市)や特別区(東京23区)の公立中学の学校教育費は年間平均13万4212円に対し、私立中学の学校教育費は107万1438円と約8倍になっています。
学校自体に関する費用を見れば、公立中学の方が圧倒的に安いことは疑いの余地がありません。しかし子どもを公立中学に通わせている家庭の方が「学校外活動費」がかかっているのです。「学校外活動費」とは、
「補助学習費」 + 「その他の学校外活動費」
を意味しています。
「補助学習費」の意味
「補助学習費」とは、予習・復習・補習などの学校教育に関係する学習を行うために支出した費用で、「その他の学校外活動費」とは、知識や技能を身に付け、豊かな感性を培い、心とからだの健全な発達を目的としたけいこごとや学習活動、スポーツ、文化活動などに要した経費を指します。
前出の「平成30年度 子供の学習調査」で、「指定都市・特別区」に分類されている大都市圏にある公立中学の「学校外活動費」の年間平均は36万6246円ですが、私立中学は33万1264円と少し低くなっているのです。
ちなみに全国の公立中学3年生の平均は40万8187円で、私立中学3年生は38万6042円と、こちらも公立中学を下回っています。

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