実は伊豆諸島近海にもあった「サンゴ礁」 なぜ今まで忘れ去られていたのか?
2021年11月12日
知る!TOKYO伊豆諸島近海に大量のサンゴが眠っていることをご存じでしょうか。にもかかわらず、それらはなぜ陽の目を浴びなかったのでしょうか。離島ライターの大島とおるさんが解説します。
発見は80年以上前
日本でサンゴの眠る海といえば、多くの人は沖縄辺りを思い浮かべるでしょう。しかし実は東京都にもあります。それは伊豆・小笠原諸島の近海です。
東京都の一部である島しょ部に多くのサンゴが生息していることは、約10年前に外国船による密漁が問題になったことで多少注目されましたが、その量が膨大であることはあまり知られていません。
記録によれば、伊豆諸島のサンゴが初めて注目されたのは1938(昭和13)年ごろ。現在の鳥島近海にサンゴ礁が発見されたのです。

鳥島は江戸時代を通じて無人島でしたが、明治になるとアホウドリを捕獲するために多くの人が住み着きました。ところが1902(明治35)年に火山が噴火し、島民は全滅。しかしその後もアホウドリの捕獲は続けられ、多くの船が来航しました。
そんな鳥島でアホウドリに次ぐ宝(サンゴ礁)が発見されたということで、その年のうちにサンゴ漁に乗り出す人が相次ぎました。水揚げ総額は当時で40万円になったと言われています。
なかでも成田丸という船が採取したのが、高さ3尺(91cm)、幅4尺(121cm)のとてつもない巨大サンゴで、数万円はくだらなかったと記録されています。
ただ、このサンゴ景気は長く続きませんでした。太平洋戦争が起きたことで出漁は困難となり、自然と消滅してしまったのです。
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