たっぷりのマヨネーズでかっ食らうのがオススメ 新御徒町「幸楽」の生姜焼き定食【連載】東京レッツラGOGO! マグロ飯(7)

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たっぷりのマヨネーズでかっ食らうのがオススメ 新御徒町「幸楽」の生姜焼き定食【連載】東京レッツラGOGO! マグロ飯(7)

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下関マグロ

サンポマスター、食べ歩き評論家

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都内散歩と食べ歩きにくわしいフリーライターの下関マグロさんが、都内一押しの「マグロ飯」を紹介します。

店の外になぜか置かれている冷蔵庫や黒電話

 散歩の途中で素敵な「町中華」を見つけても、すぐに入店できない筆者です。なかなかもったいなくて、しばらくは店舗のファサード(建物の正面部分)を鑑賞していたいからです。

「幸楽」(台東区小島)もそんなお店です。最寄り駅は大江戸線・新御徒町駅。駅から歩いて5分の場所にお店があります。

 のれんが風になびいています。歩道にはテーブルがあり、そこで食事をしているお客さんもいます。お客さんがひっきりなしにきているようですね。

 不思議なのは店の外に冷蔵庫があって、店から出てきたご主人はそこから食材を出して料理しています。また、昔ながらのダイヤル式の黒電話やご飯ジャーも表に出してあります。あれらは店を閉めた後はどうなるんだろうか、あれこれ考えるのがまた楽しいのです。

幸楽の生姜焼き定食(800円)。肉によく味がしみていて、ご飯が進む(画像:下関マグロ)



 あるとき、店の前を通りかかったとき、ちょっと立ち止まって店を見ていたら、表の黒電話のベルが鳴りました。ああ、これって現役の電話なんですね。店主が出てきて受話器をあげ、電話に出ています。

 店の外に置かれているものがどうなっているかを知りたくて、お店が開く前の早朝に行ってみました。すると、ご飯ジャーや黒電話などは店内にしまわれていましたが、冷蔵庫はそのまま。近づいてみればドアには鎖がかけられ、南京錠がかかっていました。

ナシゴレンと豆腐丼も人気

 そうやってお店を観察した後、満を持してお店にうかがいました。お水とおしぼりが提供されます。フロアの女性が手際よく注文を取っています。最初にいただいたのは、半チャーハンとラーメンのセット。おいしかったのですが、ほかのお客さんは「半ナシ」と注文する人がけっこういました。それは、半ナシゴレンとラーメンのセットなのです。ちなみにナシゴレンとは、インドネシアやマレーシア版のチャーハンのこと。

 メディアなどでも幸楽のナシゴレンは有名です。なんでも、かつてご主人が働いていた町中華にインドネシア人がやってきて、自国のチャーハンを作ってくれと言われ、ご主人なりに試行錯誤して完成したのだそうです。次回の訪問でいただいてみると、なるほど、見た目は赤みがかったチャーハンで、味はピリ辛。そして、不思議なことにラーメンに合います。

幸楽の外観。冷蔵庫、ご飯ジャー、黒電話などが外に出されている(画像:下関マグロ)



 あるとき、常連客が「豆腐丼」というメニューを注文していました。おいしそうなので次回の訪問で筆者もいただいてみると、これが麻婆豆腐をご飯にかけた丼で、けっこうスパイシーでクセになる味。

 店主の小林賢吉さんにこのメニューが生まれた背景をうかがってみました。「このメニューが生まれたのは40年前くらいですね」と小林さん。ちなみにこちらのお店は創業してから50年ほどになるそうです。つまり創業から10年目に生まれたのですね。

「今は麻婆豆腐丼って珍しくないけど、当時はあんまりなくてね。池袋を女房とふたりで歩いていた時に、料理屋の店頭にあったサンプルに“豆腐のうま煮”っていうのがあったんですよ。あ、これご飯にかけて食べたら旨いだろうなって開発したの」

 そのお料理の味はどうでした? 「食べててないの、想像して作ってみたのよ」。そ、そうなんですか(笑)。そうやって豆腐丼が完成したわけですが、当時、ものすごく人気だったそうです。

漬物が取り放題

 幸楽に通っていろいろなメニューをいただきましたが、筆者が行きついたのは定食でした。とくに生姜焼き定食がおいしくて、ちょっとハマりました。

 なぜ定食かといえば、狭いカウンターテーブルには、お漬物などが取り放題になっていて、白いご飯がいいんですね。置かれている調味料の中にはマヨネーズもあります。生姜焼きにたっぷりのマヨネーズをかけていただくのがお勧めです。

 あるとき、生姜焼き定食を注文したら「あら~、売り切れ」とご主人。なんでも生姜焼きは肉にタレを漬け込んでおくので、仕込みしたものがなくなれば終了なのだそうです。それを聞くとますます生姜焼きが食べてみたくなりますね。

 このときは仕方なく、半カレーライスとラーメンのセットにしました。半ナシや半チャーハンとラーメンのセットは800円ですが、半カレーライスとラーメンのセットは700円なんですよ。筆者はここのカレーライスも大好きなんです。町中華のカレーって、ラーメンに使う鶏がらスープが入っていますからね。

お店を切り盛りしているご夫婦。小林賢吉さん、さち子さん(画像:下関マグロ)



 ちなみに、店内にはご主人の絵が飾られていて、この絵が新作のものに変わるのもまた楽しいんです。みなさんもぜひ寄ってみてください。

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