銀座が主戦場の「俺のイタリアン」が満を持して東京駅に出店した理由

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銀座が主戦場の「俺のイタリアン」が満を持して東京駅に出店した理由

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アーバンライフメトロ編集部

銀座や新橋を中心に展開してきたレストラン「俺のイタリアン」が2019年11月、東京駅に新店舗をオープンさせました。「長らく出店を望んできた」(同社担当者)場所への、満を持してのオープンです。

悲願の地、「日本の玄関口」での開店

 最近ちょっと変わった名前の飲食店をよく街で見かけるようになりました。その草分けとなったのは、2011年に誕生した「俺のイタリアン」だったのではないでしょうか。

 この一風変わった名前のレストランが新橋に誕生してから8年余。名前のインパクトだけでなく、ベテランシェフらが作る本格料理を低価格で振舞うというお得感が話題を呼んで、「俺のフレンチ」「俺の焼肉」など次々に業態を広げていきました。2019年12月現在、東京都心を中心に12種計45店が営業しています。

「俺の~」シリーズの運営会社は、その名もずばり「俺の株式会社」(中央区銀座)です。2019年11月29日(金)、東京駅の八重洲地下街に新たな店をオープンさせました。東京のど真んなか中のど真んなかへの出店。しかしながら同社がこの店を、「『東京』以外のお客様にも知ってもらうきっかけの店にしたい」と位置付ける理由とは、一体どういったものなのでしょうか。

東京駅の八重洲地下街にオープンした「俺のイタリアン&ベーカリー」(2019年12月2日、遠藤綾乃撮影)



 このたびオープンした「俺のイタリアン&ベーカリー東京駅八重洲地下街」は、同社の看板業態である「イタリアン」と、2016年からスタートしたオリジナル食パンの店頭販売を合わせた複合型の店舗です。

 JR東京駅から直結した場所なので、1日当たり平均乗車人数約46万7000人という同駅利用客がそのまま足を延ばせる好立地。その分、店舗の入れ替わりが早い激戦区でもあります。

 2011年9月に新橋に第1号店をオープンさせた同社は、以来「高級店の3分の1の価格で多くの人に食べてもらいたい」との理念を掲げ、東京都心の一等地である銀座・新橋エリアを中心に出店を重ねてきました。

 そこからやや北に離れた東京駅へは、今回が初めての出店です。周辺オフィスへ通勤するビジネスパーソンだけでなく、新幹線を利用する全国からの観光客、全国への帰省客、海外からのインバウンド客が多数行き交うこの場所は、同社にとって「創業の頃から出店を希望し続けてきた待望の場所」(同社社長室長・岩崎菜乙美さん)でした。

 肝いりで開店した同店は、看板となる限定メニューにもその意気込みが如実に表れます。

過剰なほどの贅を尽くしたロッシーニ、4980円

「俺の」レストランは、各店シェフの考案によってメニューが各店で異なるのも特長のひとつ。今回オープンした八重洲地下街店は、「東京の中心地にふさわしいメニューを」とド派手な顔ぶれが出そろいました。

 たとえば「グランドロッシーニ」(税抜4980円)は、「俺の」全店で提供している看板メニュー「ロッシーニ」の超特大版。牛フィレ肉とサーロイン、フォアグラ、鴨肉を6段重ねにした計700gは、他店の3倍ほどのボリューム感です。

 そんな特大ロッシーニの味わいに華を添えるのは、同社オリジナルのクラフトビール「俺のエール」。生ビールで飲めるのは同店だけだそうです。

 このほか、最近注目を集めるブッラータチーズを丸ごと1個使った「ブッラータチーズを乗せたトマトソーススパゲッティ」(税抜980円)は、チーズ単体でもこのぐらいの値段がするような、お値打ちの1皿。それに「フォアグラソテーとトリュフリゾット」(税抜1580円)や「Tボーンステーキ」(税抜2480円~)など、俺のイタリアンの定番たちもがっちり脇を固めます。

東京駅の八重洲地下街店の看板メニュー「グランドロッシーニ」(税抜4980円)(画像:俺の株式会社)



 さて、そんな肝いりのレストラン業務と同じぐらい八重洲地下街店で力を入れているのが、オリジナル食パンを販売する併設店舗「俺のベーカリー」です。

 この食パンが東京駅から地方へも「俺の」を発信する一端を担うと、同社は期待を寄せています。ずばり、「手みやげ需要」の発掘です。

「帰省の手みやげ」に食パンをどうぞ

 2018年、同店の支配人・松崎竜王さんが旅行で北海道を訪れたときのこと。人波であふれた札幌駅の構内、松崎さんの目に飛び込んできたのは「俺のベーカリー」の紙袋を提げた乗降客の姿でした。

 同社の食パンが買えるのは、今のところ東京・横浜・川崎・大阪の4都市計14店。その食パンを持っている人を遠く離れた札幌で見かけたことで、帰省や知人来訪、出張時などの「手みやげ需要」があるということをまざまざと感じ取ったのだといいます。

 折しも12月は、年末年始の帰省で東京駅から地方へ向かう人が急増する季節。さらには昨今の「食パンブーム」も追い風です。こだわりの牛乳・小麦で作ったオリジナルの無添加食パンを東京駅で販売することで、手みやげとして購入してもらい、地方に住む人たちにも「俺の」の味を知ってもらう機会にしたいという狙いがあるそうです。

 ちなみに同店オープン以降の食パンの売れ行きは、土日を中心に当初の目標としていた1日500本前後をキープしているとのことでした。

イタリアンレストランの隣に併設されている、オリジナル食パンの販売コーナー(2019年12月2日、遠藤綾乃撮影)



 話題性と低価格、ベテランシェフによる良質な料理で事業拡大を続けてきた「俺の」レストラン。激戦区・東京駅八重洲地下街への出店は、さらなる知名度浸透に向けた成否を占うカギとなりそうです。

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