1時間で味わう「東京七変化」 池袋から早稲田までを歩きつくす

ビルの濫立する都心で変化に富んだ散歩ルートを探すのは簡単ではありません。しかし池袋から早稲田にかけてのルートが実は穴場だといいます。まち探訪家の鳴海侑さんが歩きます。


池袋駅の南東側が面白い

 山手線の内側というのは地下鉄が張り巡らされており、なかなか地上の風景というのは想像ができないものです。しかし少し歩いてみると、さまざまなまちの雰囲気を見ることができます。今回はそんな場所でもお気に入りのコースのひとつ、池袋を起点に早稲田へ向かって歩くルートを紹介します。

五叉路になっている南池袋一丁目交差点(画像:(C)Google)



 池袋駅はJR、東京メトロ、西武、東武が乗り入れる大ターミナルで、特に駅東側は多くの人が行き交います。近年豊島区を中心に多くの再開発を行っており、東口からサンシャイン60方面にかけては賑わいを見せています。

 そんな池袋でも私が気に入っているのはどちらかというと駅の南東側です。西武百貨店の南側には「三省堂書店 池袋本店」(豊島区南池袋)があり、そのさらに南東には「ジュンク堂書店 池袋本店」(同)があります。時折ここを訪れては本との出会いを楽しんでいます。

 ジュンク堂の面する南池袋一丁目交差点は五叉路となっており、中でも南東に向かう細い道、「東通り」は池袋でも個性的なお店のある通り。筆者は池袋でも特にお気に入りの通りで、おいしいうどん屋やお酒とおつまみのおいしい居酒屋があり、池袋で友人と飲みに行くときにはよく来る場所です。

「東通り」を抜けると都電荒川線があり、その向こうは夏目漱石の墓所のある雑司ヶ谷霊園です。さらに雑司ヶ谷霊園を抜け、首都高速5号池袋線をくぐり、大きな通りを渡ると今度は護国寺の墓所に入ります。

 護国寺の創建は江戸時代のことで、江戸幕府5代目将軍の徳川綱吉の母、桂昌院により幕府所属の土地をもらい受けて開かれました。宗派は真言宗豊山派で、護国寺のすぐ隣にある日本大学豊山中学・高校の「豊山」はこの宗派に由来しており、1950年代に護国寺から日本大学に移行されました。

下町的な空気が漂うエリアも近い

 護国寺への石段を登ると敷地内には江戸時代の建築である本堂をはじめ、滋賀県の三井寺から移築した月光殿などさまざまな歴史的建造物があります。そしてお寺の雰囲気の良さもさることながら、ここは猫がよく出てくるスポットとしても知られます。以前私も無性に猫を見に行きたくなった時にこの護国寺を訪れたことがあります。

 護国寺から南側には講談社(文京区音羽)があり、目の前の音羽通りを谷底にして両側が丘陵地になっています。東側の丘を上がるとお茶の水女子大学(文京区大塚)や筑波大学東京キャンパス、跡見学園女子大学などがある文教エリア、西側の丘を上がると高級住宅街のある目白台です。

音羽通りの様子。左手は講談社(画像:(C)Google)



 この目白台へ抜けるルートは護国寺経由のほかにも鬼子母神から回っていく行き方もあります。ジュンク堂のある南池袋一丁目交差点から今度は明治通りを新宿方面に歩いていきます。

 すると下り坂となり途中、左側に古本屋の「往来座」(豊島区南池袋)があります。美術系の本や映画の本が多く、雑貨もあるお店でかなり面白い古本屋です。以前ふらりと歩いている時に見つけたお店なのですが、あまりに立派な品揃えにしばし時間を忘れて本をみていたこともありました。ぜひ立ち寄ってみてください。

 そして往来座からさらに南に歩き、ふたつめの信号から左斜め前方に分かれていく道へ向かいます。この道は鬼子母神西参道となっており、商店街風の街並みを抜けると左手に鬼子母神堂があります。護国寺のような大きなお寺ではないですが、地域の広場のようなほっとできる場所です。

 鬼子母神堂から西参道をそのまま南東に進むと都電荒川線の鬼子母神駅と東京メトロ副都心線の雑司ヶ谷駅があり、踏切を渡ると住宅地の中にある商店街になります。池袋から少し歩いただけでもこのように下町的な空気が味わえるのです。

寄り道しても2~3時間の散歩コース

 そして高田一丁目交差点で左に曲がると目白台へ至ります。

 目白台の住宅街は鬼子母神周辺の住宅街よりも区画が広くなっており、下町というよりいわゆる「山の手」的な雰囲気に変わります。

早大生でにぎわう早稲田南門通りの様子(画像:(C)Google)



 そして目白通りを東へ歩けば日本庭園の「椿山荘」(文京区関口)と高級ホテル「ホテル椿山荘東京」があります。このあたりは目白台の中でもさらに変わった場所で、椿山荘の西側には旧細川侯爵邸が敷地内にある男子大学生寮の「和敬塾」や細川家の歴史資料や文化財を保存する永青文庫(文京区目白台)があります。山手線の内側とは思えないほど静かで緑の多い一帯です。

 一帯の南には神田川が流れています。永青文庫から胸突坂を下り、神田川を渡ると今度は中小のビルが立ち並ぶエリアに出ます。このあたりは早稲田の北側にあたり、新目白通りまで歩けばリーガロイヤルホテル(新宿区戸塚町)、その南には大隈庭園、そして大隈庭園の南西には早稲田大学があります。

 早稲田大学大隈記念講堂前から馬場下町交差点まで延びる「早稲田南門通り」は学生街。飲食店を中心に早稲田大学に通う学生御用達のお店が並びます。学生街の雰囲気を味わいつつ、馬場下町の交差点を左に曲がると東京メトロの早稲田駅です。

 これだけ書き並べると池袋から早稲田までずいぶんと遠い様に感じますが、実は4kmほど。普通に歩くと約1時間、寄り道しながらでも2~3時間で歩けます。そんな近距離にもかかわらず、これだけ変化のある池袋から早稲田にかけてのルート。変化に富んだオススメの散歩ルートです。ぜひ、秋の晴れた日にぜひ行ってみてください。


【地図】今回散歩したエリア。寄り道をしながらでも2~3時間楽しめる

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