子どもの就学時検診、何を準備したらいい? 小学校を訪れる前に知っておきたい4つのことを教えます

  • ライフ
子どもの就学時検診、何を準備したらいい? 小学校を訪れる前に知っておきたい4つのことを教えます

\ この記事を書いた人 /

中山まち子のプロフィール画像

中山まち子

教育ジャーナリスト

ライターページへ

来春、小学校へ上がる子どもたちは、春から通う小学校でそろそろ「就学時検診」を受ける時期です。検診に向けて準備することは? 初めて訪れる小学校でチェックしておきたいことは? 自身も小さな子を持つ教育ジャーナリストの中山まち子さんが解説します。

1. 子どもが苦手な「歯科検診」を受ける前に

 2020年度に小学に入学するお子さんは、2019年10月下旬や11月に行われる就学時検診を受けるかと思います。検診が行われるのは、基本的に通学予定の小学校。初めて学校へ出向くという親子も多く、「ちゃんと先生の言うことを聞ける?」「私たちの時代は『知能テスト』があったけど、今も実施されるなら事前に勉強しておいた方がいい?」などと不安に思っている保護者の人もいるかもしれません。

 しかし最近の就学時検診は、昔とは異なる点がいろいろあるようです。そこで今回は、最近の就学時検診の内容や母親である筆者の経験談を紹介。検診で気にかけてほしいことなどをお伝えしたいと思います。

歯科検診を受ける子どものイメージ(画像:写真AC)



 さて最近の就学時検診も、子どもの健康状態に関してチェックする項目は、昔とほぼ変わっていません。内科や耳鼻科で受ける検査は、通院の経験がある子どもが少なくないため、子どもが嫌がるということは、ほとんどないのではないかと思います。

 一方、聴力や視力検査は初めての子も多いようです。不安を払しょくしたいのなら、事前に家庭で説明して聞かせたり練習をしたりしておくと、当日スムーズに受けることができるかともいます。

 多くの子ども達が抵抗感を抱くのは、歯科検診です。

 口を開けて金属の器具を入れられるので、何か痛いことをされるのでは? と不安を覚え、なかには暴れてしまう子も。歯科検診については家庭でとくに「小学校で歯を調べてもらうけど、痛いことはしないよ」と何度も言い聞かせて子どもを安心させておくのがよいかと思います。

2. かつての「知能テスト」は無くなった?

 筆者たち保護者世代と大きく変わったと感じたのは、かつての「知能テスト」のようなものは現在ないようだ、ということです。

 筆者自身、就学時検診を受けに学区の小学校へ行ったときには、子ども全員が机に座り鉛筆を持って、図形や数字の問題を解いたという記憶が残っています。

 しかし現在は「名前と学校に来た交通手段」「幼稚園(保育園)生活で好きなこと」というように、自治体で行われる乳幼児健診のような内容を答えさせる小学校がほとんどです。住んでいる自治体によって内容は異なるとは思いますが、知能テストは最低限の受け答えができるかどうかという内容に留まり、昔ほど子どもの知能の検査に重きを置いていないという印象を受けました。

3. チェックすべきは、廊下の掲示物

 さて、就学時検診で受信する診療科はどの小学校でも共通ですが、保護者と子どもの行動ルールは各校で異なるようです。

 近隣の学区では、昔のように保護者と子どもが行内では別々に行動する「親子分離型」もありますが、筆者の子ども達が通う小学校では、親子が一緒に校内を移動しながら健診を受けるスタイルです。

 以前は「子どもは健診、親は説明会に参加」と別行動だったのですが、ある年を境に親子同伴行動となりました。変更の理由を探ってみたところ、ある年の就学時検診で、親と離れたことで不安になって暴れてしまったり、付き添い役の高学年の児童を叩いてしまったりする子が多くいたのだそう。子どもたちの不安を和らげるために翌年から親子一緒での健診に変更になったとのことでした。

一緒に歩く母と子のイメージ(画像:写真AC)



 親子一緒に校内を回るこのスタイル、やってみるとなかなかメリットが多いと筆者は感じました。

 まず、子どもが通う学校の校内がどのような雰囲気なのかを一緒に確認することができます。

 とくに入学するのが第一子の場合、保護者にとっても実際に学校の中へと足を踏み入れるのは初めてのこと。「先輩ママからいろいろ聞いてはいるけど、自分の目で確かめたい」と思っていた筆者にとって健診は好機となりました。

 教室や廊下を回っていると、在校児童たちの図工作品や書道が貼られているのがめに留まり、今どのような教科でどのような内容を学んでいるのか、入学前に知ることができます。

 また、子どもの成長スピードや語彙力の発達などを気にかけている保護者にとって、親子で一緒に行動することで、同級生となる同じ年の子どもたちとわが子との違いをあらためて確認する機会にもなります。

 小学校では、発語や理解力が遅い子にはサポートの先生がつくなどの対応をしますから、自分の子どもに対して不安に感じている保護者には、ほかの子どもの様子と見比べながら、学校側へ支援を申し出たり相談したりする機会にもできるのではないかと思います。

4. 気になることは、先生に質問しよう

 子どもと一緒に就学時検診を回った後は、体育館へ行き、そこで待機していた先生と簡単な話をすることができました。年明けに行われる保護者説明会の日程を知らせるお便りなどを渡されて、「何か気になったり相談したいことがあれば何でもどうぞ」と声をかけてもらいました。

 子どもと一緒に校内を歩いたことで、「子どもが小学校生活で困りそうなこと、つまずいてしまうかもしれないこと」が想像しやすかったのも大きなメリットです。周囲のママたちのなかには「トイレは洋式か和式か」「給食の量はどのくらいか」などと先生に質問している人もがいました。たとえ子どもの成長に特別悩んでいなかったとしても、学校生活を送るうえでのちょっとした不安について子ども目線で考えられる、というのは大きな収穫になるのではないでしょうか。

小学校の校内に張り出された児童の作品のイメージ(画像:写真AC)



 就学時検診の方法は各小学校で異なりますが、どの学校でも先生への質疑応答や相談の機会が設けられています。「こんなこと質問するなんて気が引ける……」なんて思わずに、子どもが入学後に困りそうなことや、学校生活を送るうえで不安に感じることなど、些細なことでもぜひ先生に相談してみてください。就学時検診はそのためのまさに絶好の機会になるはずです。

関連記事