なぜ都内では書店閉店が相次ぐのか? 大手チェーン「文教堂」経営再建から見る、リアル店舗の現実とは

6月に業再生ADR手続を申請し、経営再建に入ることとなった大手書店チェーン「文教堂グループホールディングス」。その詳細と首都圏「リアル書店」の今後について、都市商業研究所の若杉優貴さんが解説します。


家賃上昇でピンチ!都内各地で相次ぐ「大手書店」の閉店

 いま、全国各地でこうした「大手書店」の経営問題が起きており、都内各地でも書店の閉店による影響が出始めています。

 10年ほど前までは都心・郊外を問わず、新規開業が相次いでいた大型書店。しかし、ここ数年は都内近郊で閉店が相次いでおり、2019年だけでも

・有隣堂書店 シャポー市川店(千葉県市川市)
・くまざわ書店 日野店(日野市日野本町)
・蔦屋書店 上野店(台東区上野)
・三省堂書店 品川駅南店(港区 港南)
・リブロ 日暮里店(荒川区西日暮里)
・山下書店 新宿西口店(新宿区西新宿)
・ブックファース ト二子玉川店(世田谷区玉川)

などが閉店。また、中古書店のブックオフも2018年に渋谷センター街にあった旗艦店を閉店したほか、今年に入り「ブックオフ新浦安店」「ブックオフ曳舟明治通り店」などが閉店しています。

渋谷ではブックオフまでもが閉店に。現在はGUが出店。同居するパルコ運営のライブハウス「渋谷クアトロ」は営業継続中(画像:都市商業研究所)

 そうしたなか、とくに閉鎖店舗が目立つのが経営再建中の文教堂書店です。都内では2018年以降、先述した文教堂CA渋谷店以外にも

・文教堂 東陽町店(江東区東陽、西友3階)
・文教堂CA 鷺ノ宮駅店(中野区鷺宮、駅内)
・文教堂 武蔵小金井店(小金井市本町、ノノワ2階)
・文教堂 小金井店(小金井市貫井南町、路面店)
・文教堂 経堂店(世田谷区宮坂、ピーコックストア地階)
・文教堂 糀谷店(大田区萩中、マルエツ2階)

などを相次いで閉店。また、漫画とホビーに特化したアニメガ業態の店舗も同様で、「アニメガ新宿アルタ店」「アニメガ新宿マルイアネックス店」「アニメガCA渋谷店」「アニメガビーナスフォート店」などを閉店。とくにアニメガは、池袋にある旗艦店2店を残して東京23区内からほぼ消えてしまっています。

 このような「書店不況」の原因はネット通販の台頭だけでなく、都内の地価・家賃の上昇です。とくに都内の駅チカ店舗は、都心・郊外エリアを問わず家賃水準の上昇が続いており、利益率が低い書店の経営が成り立ちづらくなっているのが現状です。

 例えば再開発ラッシュにより地価の高騰が目立つ渋谷駅周辺はこの2年間で、文教堂のみならずブックファースト、あおい書店、山下書店、そして先述したブックオフまでもが相次ぎ閉店しています。

入居する商業ビルにも影響が


【写真】今は亡きアニメガ「新宿マルイアネックス店」の様子

画像ギャラリー

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