グランピングはなぜ日本で進化し、発展したのか? その歴史と背景をたどる
2019年8月13日
お出かけ認知度を年々高めるグランピング。楽天インサイトが2019年7月22日(月)に発表した調査(全国の20~60代の男女1000人を対象)によると、45.5%がグランピングを「知っている」と回答しました。特に20~30代女性はそれぞれ67.1%、71.7%と過半数を大きく上回る結果に。このようなグランピングの興隆の背景について、文殊リサーチワークス・リサーチャー&プランナーの中村圭さんが解説します。
独自進化を遂げる日本の「グランピング施設」
2010年代中ごろからアウトドア系レジャーに注目が集まっています。そのきっかけとなったもののひとつがグランピングです。

グランピングとは「Glamorous(グラマラス)」と「Camping(キャンピング)」の造語です。大自然の中でもホテルに宿泊しているのと同等のラグジュアリーな空間とサービスを享受し、その地域の自然や文化に触れるアクティビティを体験できる優雅なキャンプスタイルを指します。
これは欧米を中心とした海外で普及しているリゾートスタイルですが、日本国内でその名が一般的に認知されはじめたのは、2015年10月にオープンした星野リゾートのグランピング施設「星のや富士」(山梨県富士河口湖町)からでしょう。
星のや富士では双眼鏡、マット&ピロー、ヘッドランプ、ブランケットといったグランピングアイテムが入ったリュックサックを背負って敷地内を散策し、丘陵地の林の中に建つキャビンで自然を満喫することができます。当時、このようなスタイルが話題となり、数多くのメディアに取り上げられました。
それから4年の間、グランピングの名の元にさまざまな施設が開発されました。ショッピングセンターに隣接するもの、オートキャンプ場のようにキャビン(簡易宿泊施設)が並べられたもの、バーベキュー施設のみのものなど、それらは海外のグランピングと言うよりは、日本の幅広い利用者を対象に「日本独自の進化」を遂げたものと言えます。もちろん、本格的なグランピング施設も開発され、アウトドアメーカーが主催する本格的なイベントが行われています。
しかし、全体を大雑把に要約すると、「大自然の中で」「ラグジュアリーな空間とサービス」「自然や文化に触れるアクティビティ」といったところは軽く、キャビンやグランピングテントが用意され、自分でテントを設営する手間はないものの、比較的カジュアルな内容になっています。一方で食は重視され、「豪華なおまかせバーベキュー」や「野趣溢れるアウトドア料理」などが目玉となる傾向があります。

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