夫婦喧嘩する暇があったら、子どもの関心事を知るべし! そうすれば「やる気」のある子どもが育つ

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夫婦喧嘩する暇があったら、子どもの関心事を知るべし! そうすれば「やる気」のある子どもが育つ

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中山まち子

教育ジャーナリスト

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やる気のある子どもを奪う親の「3大NG言動」について、元塾講師で、子どもの教育問題に幅広く携わってきたライターの中山まち子さんが解説します。

子どものやる気を奪う3大NG言動とは

 子どもが勉強する気がなくて心配だ――。このようなことで悩む親御さんは少なくないでしょう。ということで今回は、子どもから「やる気」を奪う親の「3大NG言動」と、子どもの力を伸ばす親の「特徴」をご紹介します。

子どもの前での夫婦喧嘩をしてはいけない(画像:写真AC)



 まず、3大NG言動ですが

・子どもへの無関心
・子どもへの過干渉
・子どもの前での夫婦喧嘩

が原因となります。それでは、ひとつずつ説明していきましょう。

●子どもへの無関心
 親が子どもに無関心であると、子どもは「どうせ頑張っても見てくれない」と否定的にに捉えるため、向上心は芽生えません。「本人に任せる」という、放任主義で育てられた子どもも同じです。

 親が子どもの学校生活について聞かなかったり、宿題の確認をしなかったりすると、「やってもやらなくても同じ」とあきらめにも似た境地になり、楽な方へ楽な方へと流されていきます。そして、何に対してもやる気を出さなくなってしまうのです。

●子どもへの過干渉
 一見無関心とは対照的な、過干渉な親も子どものやる気を奪います。親がすべてのことにおいてお膳立てをして、敷いたレールを歩かせてしまうと、子どもの自立心が育つチャンスを失います。

 過干渉な親ほど子どもの成績を気にし、同級生とよく比較します。このような親は成績や習い事の成果など、カタチとして残ることばかりに意識を向け、自らの意のままに子どもを育てようとするのです。

 しかし、子どもはそのような親の気持ちを敏感に察知します。「周囲の目を気にして自分の努力を見てくれない」と感じ、そのやる気はそぎ落とされていくのです。

●子どもの前での夫婦喧嘩
 子どもの前で夫婦喧嘩をすると、安心できるはずの自宅で落ち着くことが出来ず、精神不安定な子どもになってしまいます。身近な人同士がいがみ合い、罵り合うのを見て育つと、喧嘩をさせないよう、子どもは自分を演じるようになります。自分の考えを犠牲にし、何とか丸く収めようとするので、自分のしたいことを上手く表せなくなるのです。

 子どもにとって、親は心のより所です。そのような親が夫婦喧嘩を始めると、「自分は何のためにいるのだろう」と自己否定に陥り、絶望的な気持ちを抱いてしまうのです。

子どもを尊重する親になろう

 逆に、子どものやる気を伸ばす親には3つの特徴があります。彼らは子どもの自立を何よりも優先し、自らはサポートする立場でいることを常に意識しています。

子どもに積極的に意見を聞いてみよう(画像:写真AC)



次に、3つの具体的な内容をご紹介します。

●結果を求め過ぎない
 子どものやる気を上手く引き出す親は、テストや習い事で結果を求め過ぎません。間違えたことを追及せず、その理由を確認し、「次は頑張ろう」「今、弱点が分かって良かった」と励ましの言葉をかけます。

 同級生の結果をわざわざ聞き出して、「○○ちゃんは、こんなに出来るのに」と比較することもしません。そのため、子どもが窮屈な思いをすることなく、勉強や習い事に集中できるようになります。長いスパンで考え、「最終的に良い結果を得る」というスタンスなのです。

●子どもの興味関心を熟知している
 子どもは興味があることに対して夢中になり、それを起点にさまざまなことを学ぼうとします。例えば昆虫が好きな子どもは、虫が集まる樹木の種類を簡単に覚え、どのような環境で生育するのが最善なのかを考えるようになります。また成長すると、「なぜ地球に昆虫が住みにくくなっているのか」と環境問題に関心を寄せるようになります。

 子どもの興味関心を熟知している親はその都度、最適な本(情報)を与え、実際に森に連れて行って、昆虫採集を一緒にしたり、子ども向けの自然教室に参加させたりします。やる気を出すのが上手な親は、子どもの無限の可能性を引き出そうとするのです。

●子どもに意見を聞く
 自然とやる気が出てくる子どもの親は、子どもを「ひとりの人間」として扱い、意見を聞くようにしています。「子どもだから黙っていなさい」「子どもは知らなくていいの」という言葉を使いません。

 家族旅行の行き先や、子どもが興味のあるニュースについて意見を聞くなど、大人と対等に扱おうとします。自分の意見を述べ、親から認められると、子どもは自信を持ちます。そのような将来を見据え、自分の意見を言える子に育てようとするのです。

※ ※ ※

 幼少期からの親の言動によって、子どものやる気は出たり、出なかったりします。。やる気の有無は、子どもが「自分の手で、将来を切り拓けるかどうか」という、重要なことに直結します。「子どもはまだ小さい」と考えず、今から子どものやる気を上手に引き出すように意識してください。そうすると、子どもの方から率先して物事に取り組むようになります。

 上記の対策を行っても、すぐに結果が出るかはどうかは分かりません。しかし、親が少しずつ言動を変え、子どものやる気を育てることが求められています。

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