上野動物園の飼育係しか知らなかった、ウンコ目線からの「シャンシャン」展開催 30日まで
シャンシャンの成長を「糞」で振り返る理由とは? 2019年6月12日(水)、2歳の誕生日を迎えたジャイアントパンダの子「シャンシャン」。上野動物園(台東区上野公園)で自然交配によって生まれ、順調に成長しているはじめてのパンダです。 すくすくと成長中のシャンシャン(画像:東京動物園協会) 生まれてすぐの頃はわずか145グラムでしたが、6月5日(水)の測定時には、体重61.6キロを記録。タケや笹を始め、タケノコ、リンゴなどを食べながら、すくすくと成長しています。 また、所有権が中国にあり、満24か月齢時に中国に返すこととされていたシャンシャンですが、中国側と東京都とで返還時期を協議した結果、期限は2020年12月31日(木)まで延長されました。 ネット上には「色々な考え方があると思うけど素直に嬉しい」「たくさん会いに行く」などの喜びの声が寄せられ、相変わらずの大人気。2歳の誕生日当日は、観覧の待ち時間が最大3時間以上になったそうです。 そんなシャンシャンの順調な生育の報告として、上野動物園の「西園 いそっぷ橋下」では、「シャンシャンのおとしもの~成長の記録~」が開催されています。これは、シャンシャンの成長を「糞」を用いて振り返るもの。 生まれてから今までの糞の変化を観察することで、成長や健康の指標として糞がいかに重要かを知ることができるといいます。 テーマの選定について、上野動物園は「2歳を迎えるにあたり、これまで飼育係しか知ることのできなかった『糞から見るシャンシャンの日々』を多くの皆さまに知っていただき、健康な成長をお祝いしていただきたいと考え、このテーマとしました」と話します。 「飼育係が、動物の健康状態を確認するにあたって、糞はたいへん重要な資料です。子育て中のお母さんが、オムツに残った赤ちゃんの健康なウンチを見て安心するように、一般の方が連想するような『きたない物』とはまったく思っていません」(上野動物園 担当者) ちなみに、上野動物園のジャイアントパンダ情報サイト「UENO-PANDA.JP」内の「パンダ大百科」によると、タケ類を主食とするジャイアントパンダの糞は「匂いをかげば植物の香りがします」とのこと。タケ類は食べた量の約20%しか消化されないため、ほとんどがそのまま糞として放出されるのだといいます。 3つの動作を同時に行う器用(?)なシャンシャンが見られる動画も3つの動作を同時に行う器用(?)なシャンシャンが見られる動画も なお、上野動物園の公式サイトでは、「シャンシャンの成長記録」として、「誕生から2歳まで」「ふんばり編・ウンコ編」の2本の動画も公開されています。 タケをかじるシャンシャン(画像:東京動物園協会)「誕生から2歳まで」では、誕生に始まり、白黒模様がはっきりとし、両目が開き、数歩歩けるようになり、初めてりんごを食べるようすなどが丁寧に綴られています。 「ふんばり編・ウンコ編」においては、母親シンシンが排泄を促していたことに始まり、ふんばるとともにコロンと転がっていた初期から今に至るまでの成長が確認できます。寝転がり、笹を食べながら排泄をするようすは見事としかいいようがありません。 上野動物園では、動画に以下のコメントを添えています。 「生きているとごはんも食べるしウンコもします。思いどおりにいかないこともしばしばありますが、それでもウンコは毎日出ます。 これからも、シャンシャンとウンコはどんどん大きく成長していきます。シャンシャンがおとなに成長していく姿を、そしていつかパンダの保全に参加できるまでに成長することを、楽しみに見守ってください」 「シャンシャンのおとしもの~成長の記録~」は6月30日(日)まで開催されます。
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