個人商店に「トドメを刺した」のは誰か? 衰退する商店街、その歴史を振り返る
2019年7月15日
知る!TOKYOかつて大きなにぎわいを見せていた商店街。しかし今やその存在は風前の灯火です。いったい何が原因だったのでしょうか。商店街に関する著書があるライターの荒井禎雄(さだお)さんが解説します。
商店街の成立と隆盛
過去2回の記事では、商店街の、より正確に言うならば 「生活型」商店街の魅力と、条件に合った選び方などについて言及しました。今回は 「商店街論の基礎講座」 の〆として、商店街の役割や歴史について簡単に触れようと思います。

商店街というシステムがもっとも栄えていたのは、高度経済成長期であると言われています。その後1980年代に衰退が明確となり、商店街に取って代わる買い物場所が次々と誕生、今に至ります。
商店街の起源はさまざまで、門前町であったり、宿場町であったりもしますが、そうした古い街ばかりが商店街となった訳ではありません。
商店街の成り立ちとして意外と多いのが、軍事工場などで働く人々が工場に通うのに便の良い場所に集まり、商店がそうした人々の需要を期待して集まり、商店街となったというケースです。
しかしこうして誕生した街は、戦争が終わって工場が閉鎖されるなど、働き口が無くなれば、利便性が激減し、住民が離れて行ってしまいます。
また、戦後に鉄道駅の広場や神社仏閣の門前など、人の往来のある場所にヤミ市が立ち、それを経て商店街に発展したケースもあります。池袋や秋葉原などはヤミ市から発展した街ですし、アメ横などヤミ市時代の名残りを残し続けています。
このようにして各地に誕生した商店街は、実は意外と新しい存在であり、当時もっとも利便性の高い「買い物システム」だったのです。
ところが、商店街が隆盛を極めていた時期に、ある外敵が出現します。それがスーパーマーケットという「外来種の新システム」でした。

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