渋谷駅前にも「バスタ」誕生? 12月のフクラス開業で、いったい何が変わるのか

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渋谷駅前にも「バスタ」誕生? 12月のフクラス開業で、いったい何が変わるのか

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若杉優貴

都市商業研究所

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渋谷駅前で現在、渋谷駅や商業施設と直結した形でバスターミナルの集約が計画されています。いったいどのような光景が現れるのでしょうか。その詳細について、「都市」と「商業」を専門に研究する都市商業研究所が解説します。

大型バスターミナルが設置予定の「渋谷フクラス」

 2016年3月に開業した新たな新宿駅のバスターミナル「バスタ新宿」(渋谷区千駄ヶ谷)。同バスターミナルはJR新宿駅や商業施設と直結しており、実際に使ってその便利さを実感した人も多いでしょう。

 実は渋谷でも新宿駅と同様、渋谷駅や商業施設と直結した形でバスターミナルの集約が計画されているのをご存知でしょうか。

東急プラザ跡に誕生する「渋谷のバスタ」(画像:都市商業研究所)



 新たなバスターミナルが設置されるのは、渋谷駅向かいの道玄坂一丁目に建設中の高層ビル「渋谷フクラス」の中です。この場所は2015年まで「東急プラザ渋谷」が立地していました。

 かつての「東急プラザ渋谷」は1965(昭和40)年に開業。長年にわたって東急プラザの旗艦店として親しまれてきましたが、建物の老朽化により2015年3月に閉館、「道玄坂一丁目駅前地区再開発事業」として新たなビルの建設が進められていました。

 2019年12月に開業する渋谷フクラスは、東急不動産が開発を進める地上18階、地下4階建、高さ約103mの複合ビルで、その開発ビジョンは「Warm Japanを、道玄坂一丁目から。」、建築コンセプトは「小さな物語の集積」。新たなバスターミナルはこのビルの1階部分に設けられます。

 新設されるバスターミナルがバスタ新宿と異なる点は、バスタに乗り入れるバスの殆どが高速バスなのに対し、こちらは一般の路線バスが中心だということ。

 ここには渋谷駅西口・南口周辺に点在する多くの路線バス乗り場が集約されるほか、渋谷を発着する高速バス、そして空港リムジンバスも乗り入れる予定となっています。

渋谷のバスターミナルには3つの特徴

 さて、この新たなバスターミナルには「3つの特徴」があります。

 まずひとつめは「ターミナル内に案内機能などを備えた観光支援施設が設けられる」ことです。施設の運営は東急グループとJTB。「場所×コンテンツ×コミュニケーションを組み合わせたこれまでにない観光支援施設」を目指しており、渋谷では数少ない「手荷物預かり所」なども備えられるということで、「バスの乗り場が分からない」ときのみならず、さまざまな場面で力を発揮してくれることになりそうです。

 なお、案内所の内装はルイ・ヴィトンの店舗などを手掛ける青木淳氏が手掛けるということで、そのデザインも注目が集まります。

「渋谷フクラス」完成イメージ。下層階にはバスの姿も見える(画像:東急不動産)



 そしてもうひとつが「商業施設と直結される」こと。

 渋谷フクラスの低層階には「東急プラザ渋谷」が再出店するため、バス待ちの際に時間つぶしをしたり、空港リムジンバスに乗る前にお土産を買うこともできるようになります。

「東急プラザ渋谷」が出店するのは、渋谷フクラスの地上2階から8階までと17階、18階です。テーマは「MELLOW LIFE」で、商環境デザイナーにはグラマラス(GLAMOROUS)の森田恭通(やすみち)氏を起用し、フロアごとに「石」「金」「木」「光」など異なる自然の要素を使って、「成熟した大人の感性を刺激する空間」がデザインされます。

 テナントの多くはまだ発表されていないものの、目玉施設として、高層階にはシンガポールの「マリーナベイサンズ」屋上に出店することで知られるレストラン、「セラヴィ」が日本初出店する予定で、こちらも注目されます。

 なお、渋谷フクラスの9階から16階・17階一部のオフィス部分には「GMOインターネット」が、地階には「三井住友銀行」が入居する予定となっており、建物には既に「GMO」のロゴが掲げられています。

「バスと電車の乗り換えが楽になる」

 そして、もっとも注目したい点が「バスと電車の乗り換えが楽になる」こと。

 渋谷フクラスの向かい側には47階建ての新たな渋谷駅ビル「渋谷スクランブルスクエア」が2019年11月の1期開業を目指して建設中ですが、この駅ビルと渋谷フクラスはデッキで直結されるため、すべての完成後は雨に濡れることなく、電車とバスを乗り換えることが可能になります。

 いよいよ開業まで半年となった渋谷フクラスと渋谷スクランブルスクエア。

 各地で再開発の槌音(つちおと)が絶えない渋谷ですが、「渋谷ストリーム」でかつての東急渋谷駅を再現したデザインが用いられたように、「渋谷フクラス」の館内の一部にも旧「東急プラザ」の内装材が再活用されます。かつての渋谷の面影を探しつつ、「生まれ変わる渋谷の街」を散策してみてはいかがでしょうか。

 もちろん、両施設の開業後には「電車とバスの乗り換え」を体験し、「利便性の向上」を実感することもお忘れなく。

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