上野でミュージアムさんぽ。限定コラボグッズや体験型の展示空間に大注目の展覧会3選

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上野でミュージアムさんぽ。限定コラボグッズや体験型の展示空間に大注目の展覧会3選

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黄金色に色付き始めた上野エリアでは、この秋大注目の展覧会がめじろ押し。楽しく学べて充実した時間が過ごせる体験型の展示空間や、リラックマやスヌーピーの限定ミュージアムグッズも必見。今回はデザイナーのINDULGEさんおすすめの人気展覧会を3つご紹介します。

黄金色の公園とミュージアムを楽しもう!

多くの美術館・博物館が集まる上野エリアでは、木々の色づくこの季節、魅力的な展覧会が数多く開催されています。今回ご紹介するのは、モネ100%のぜいたくな空間を堪能できる展覧会や、レトロポップな色と斬新なデザインがオシャレな「アンティーク着物」の展覧会、品種改良や調理技法から「和食」を科学するグルメ好き必見の展覧会の3つ。どれも趣向を凝らした見応えある企画展です。それぞれのミュージアムを巡りながら、充実した休日を過ごしませんか?

「モネ 連作の情景」東京展(画像:産経新聞社リリース)



●上野の森美術館「モネ 連作の情景」/開催中~2024年1月28日

 印象派を代表する画家クロード・モネ(1840-1926)。モネの生涯を「連作」という視点からたどる「モネ 連作の情景」が、2024年1月28日(日)まで上野の森美術館にて開催されています。

 国内外40館以上から60点を超えるモネの代表作が集結し、展示作品のすべてがモネ作品というぜいたくな展覧会です。モネの代名詞として日本でも広く親しまれている〈積みわら〉〈睡蓮〉などをモティーフにした連作などが展示されます。

《睡蓮》1897-98年頃 油彩、カンヴァス 66.0×104.1cm ロサンゼルス・カウンティ美術館 Los Angeles County Museum of Art, Mrs. Fred Hathaway Bixby Bequest, M.62.8.13, Photo (C) Museum Associates/LACMA

 会場では印象派誕生以前に描かれた人物画などの作品からはじまり、「連作」という革新的な表現手法に至る過程を追う構成。場所やテーマを固定し、異なる角度や時間・季節の違いを一瞬の表情や風の動き、光の移ろいによってカンヴァスに写し取った「連作」から、モネの画家としての芸術的精神を感じ取ることができます。

《ウォータールー橋、ロンドン、日没》1904年 油彩、カンヴァス 65.5×92.7cm ワシントン・ナショナル・ギャラリー (C) National Gallery of Art, Washington. Collection of Mr. and Mrs. Paul Mellon, 1983.1.28

 例えば、滞在したホテルからテムズ川下流の方向を見て描かれた連作〈ウォータールー橋〉。モネはわざわざ霧の深い冬を選んでロンドンを訪れ、ロンドン名物の霧を透過する複雑な光の様相を捉えようとしたそうです。普段は別々の国、別々の美術館に所蔵されている3枚の作品。同じ空間で鑑賞できるなんて、なんだか鳥肌が立つぐらいぜいたくですね!

《ウォータールー橋、曇り》1900年 油彩、カンヴァス65.0×100.0cm ヒュー・レイン・ギャラリー Collection & image (C) Hugh Lane Gallery, Dublin

 展覧会後のお楽しみ、オリジナルグッズも充実しています。コミック『PEANUTS』の中にモネについて描かれたエピソードが登場した縁で、「PEANUTS meets Monet」コラボが実現したのだとか。「UNITED ARROWS」とのコラボでは、モネの作品を使用したオリジナルのフーディやTシャツ、小物雑貨も登場しています。京都「松栄堂」からは、モネのイメージにあった花の香りのインセンスセットも! おうちに持ち帰り、モネの余韻に浸るのも素敵ですね。(※商品の数には限りがあります。)

写真左:睡蓮の葉に乗ったり野外制作をするスヌーピーがかわいい『PEANUTS meets Monet』/写真中央:「UNITED ARROWS」コラボアイテム(画像:産経新聞社リリース)

●弥生美術館「アンティーク着物の魅力再発見!大正の夢秘密の銘仙ものがたり展」/開催中~12月24日

 弥生美術館では12月24日(日)まで「アンティーク着物の魅力再発見! 大正の夢 秘密の銘仙ものがたり」展を開催中です。大正時代から昭和時代初期にかけて流行した「銘仙(めいせん)」の着物はレトロポップな色と斬新な柄で、現代の着物女子やインフルエンサーにも大人気。会場では銘仙約60点を使い、当時のコーディネートが着物スタイリストの手により再現されています。

11月15日より展示替えあり(画像提供:弥生美術館)

 銘仙はカラフルな色合い、斬新なデザインが魅力。昭和初期、女性が社会に進出するなか、自由な空気をまとった銘仙は当時の女性たちのキメ服だったそうです。今の時代でも着たくなる、モダンで新鮮な色柄使いですね!

写真左:靴・バッグとあわせて自由に銘仙を楽しむ。大野らふ・桐生正子 共著『大正の夢 秘密の銘仙ものがたり』(河出書房新社)より モデル:Camellia 撮影:大橋 愛/写真右:格子にアゲハの着物 帯留には女学校から贈られた校章入り 撮影:上林 徳寛(画像提供:弥生美術館)

 「絣(かすり)」手法で表現された銘仙は、色鮮やかで大胆なモチーフなども、ほぐし技法で柔らかい印象に仕上げ、派手すぎずモードに着こなせるという特徴が。イギリス・オーストラリア・オランダなどの国立美術館では1920年代~30年代に花開いた日本のモダンデザインのひとつとして所蔵されており、海外の人々からの人気が高いのも納得です。

 会場では「ネオクラシック」「ガーリッシュ」「ジオメトリック」「キッチュ」の4つのカテゴリーに分けて展示されています。当時の帯や小物を使ったコーディネートにも注目しつつ、大正ロマンに浸ってみてはいかがでしょうか?

ロシア・アバンギャルド風のデザイン(1930~35 年)より。幾何学模様も〈カスリ〉効果で柔らかに(画像提供:弥生美術館)

●国立科学博物館 特別展「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」/開催中〜2024年2月25日

 ユネスコ無形文化遺産に登録された和食文化。身近なようで意外と知らない和食の世界を、科学や歴史などの多角的な視点から紹介する特別展「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」が、10月28日(土)から開催されます。国立科学博物館での特別展ということもあり、イメージを膨らませやすい実物大模型やレプリカ、標本などを用いた展示になるとのこと。たくさんの学びを得られそう!

2020年に新型コロナウイルスの影響で開催中止となった展覧会が満を持して登場!(画像提供:特別展「和食」広報事務局)

 まず注目したいのは、和食に使用される食材の多様性。食の基本となる水、キノコ、山菜、野菜、海藻、魚介類と、世界でも有数の多様性を誇る日本列島の食材についてお勉強。おどろきの渡来史や品質改良の歴史、和食を支える「発酵」の技術や「出汁」について、科学的な視点で解説されます。

写真左:マグロの実物大模型(2020年の展示風景) 国立科学博物館蔵/写真右:実はほとんどの野菜が外国原産なんだとか。おいしさを探究してきた先人の知恵の結晶なんですね。多彩な地ダイコンのレプリカ(2020年の展示風景) 国立科学博物館蔵(画像提供:特別展「和食」広報事務局)

 さらに、和食の発展の歴史についても着目。卑弥呼や徳川家康などの歴史上の偉人たちが何を食べていたのか食卓を再現した模型から紐解くほか、江戸っ子が愛したファストフード(寿司・天ぷら・そば)の屋台では、タイムスリップしたような写真が撮れます。

 また、現在のグルメガイドに当たる江戸の料理屋番付や、昭和の食生活が描かれたマンガ『サザエさん』の原画も登場。当時の生活が生き生きと立ち上がってきそう。

 ほかにも日本近海に生息する魚介について学べるインタラクティブな映像資料や、「ラーメンやカレー、オムライスは和食か?」をリアルタイムで集計するアンケートも。知恵や工夫、海外との交流を通じて発展してきた和食の歴史と未来を紐解く内容に、お腹が空いてしまうかも。

写真左:織田信長が徳川家康をもてなした本膳料理の再現模型 奥村彪生監修 御食国若狭おばま食文化館蔵/写真右:江戸時代の屋台の再現(2020年の展示風景)(画像提供:特別展「和食」広報事務局)

 そしてもうひとつの目玉が限定グッズ! 「和食展応援キャラクター」には誕生20周年のリラックマが起用されています。展覧会限定のぬいぐるみやバッジなど、ついつい欲しくなってしまうものばかり。食材に扮したリラックマたちを詰めた「お弁当ぬいぐるみ」や、和食イラストの衣装がかわいいぬいぐるみなど、各種グッズは特別展会場内の特設ショップで購入できます。

昆布になったり納豆に絡まれたり…ゆるさに癒やされる本展限定リラックマぬいぐるみ (C)2023 San-X Co., Ltd. All Rights Reserved.(画像:サンエックス株式会社リリース)

ミュージアムでわくわく感いっぱいの1日を

 この秋以降、上野では知的好奇心や感性を刺激する展覧会が続々開催。「今日はモネの世界に100%どっぷりハマり、上野のビストロディナーで締めくくる」、別の日には「和食展で日本のカルチャーを体感後に寿司屋で1杯」など、テーマを決めて訪れるのも楽しそう。こころ躍る1日を上野で過ごしてみてはいかがでしょうか?

■モネ 連作の情景 東京展
開催期間:2023年10月20日(金)〜2024年1月28日(日)
開催場所:上野の森美術館(東京都台東区上野公園1-2)
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル9:00~20:00)
営業時間:【月〜木・日】9:00~17:00/【金土祝】9:00~19:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日:2023年12月31日、2024年1月1日
入場料:【月〜金】一般2,800円/大学・専門学校・高校生1,600円/小・中学生1,000円
【土日祝】一般3,000円/大学・専門学校・高校生1,800円/小・中学生1,200円
アクセス: JR「上野駅」公園口より徒歩3分
東京メトロ銀座線・日比谷線「上野駅」より徒歩5分
京成線「京成上野駅」より徒歩5分
※詳細については公式サイトをご確認ください

■アンティーク着物の魅力再発見!大正の夢秘密の銘仙ものがたり展
開催期間:2023年9月30 日(土)~12月24日(日)
開催場所:弥生美術館(東京都文京区弥生2-4-3 1-2F)
TEL:03-3812-0012
営業時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜・11月14 日(火)
入場料:大人1,000円/大高生900円/中小学生500円
※竹久夢二美術館と併せての料金
アクセス:東京メトロ千代田線「根津駅」1番出口より徒歩7分
東京メトロ南北線「東大前駅」1番出口より徒歩7分
JR「上野駅」公園口より徒歩20分
※詳細については公式サイトをご確認ください
https://www.yayoi-yumeji-museum.jp/

■特別展「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」
開催期間:2023年10月28日(土)〜2024年2月25日(日) 
開催場所:国立科学博物館(東京都台東区上野公園7-20)
TEL:050-5541-8600 (ハローダイヤル)
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30 まで)
休館日:月曜・年末年始(12月28日~1月1日)、1月9日(火)、2月13日(火)
※12月25日(月)、1月8日(月・祝)、2月12日(月・休)、2月19日(月)は開館
入場料:一般・大学生2,000円/小・中・高校生600円
アクセス:JR「上野駅」公園口より徒歩5分
東京メトロ銀座線・日比谷線「上野駅」7番出口より徒歩10分
京成線「京成上野駅」正面口より徒歩10分
※詳細については公式サイトをご確認ください
https://washoku2023.exhibit.jp

[2023年11月6日情報修正]

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