「お金持ちの子どもは頭がいい」は間違い! 元塾講師が教える、勉強好きな子どもが持つ「ふたつの共通点」
2019年6月19日
ライフ学力が伸びる子どもと伸びにくい子どもには、どのような違いがあるのでしょうか。また、子どもの思考力を育てるために親ができることとは。元塾講師で3児の母でもあるライターの中山まち子さんが、経験をもとに提言します。
経済力があっても学力向上にはつながらない
「我が子を賢い子に!」と望む親は多いものです。親なら誰でも気になる子どもの学力ですが、家族構成や親の年収が同程度でも、伸びる子と伸びない子がいました。経済力があっても、学力向上につながらないと確信しています。

東京都教育委員会が2018年7月に小学5年生と中学2年生を対象に行った「児童・生徒の学力向上を図るための調査」の結果をみると、小学校の国語では修飾と被修飾の関係、社会では、文章で指示されている建物の方角を正しく捉えられないなどの課題が浮き彫りになりました。
これは、自分の頭の中で考えて答えを導き出す力、抽象的な思考が定着していないことを意味しています。それでは、いかに子どもの学力を伸ばしていけばいいのでしょうか。カギとなるのは、安定した親子関係、そして子どもの好奇心と忍耐力です。
賢い子とその親の特徴とは?
筆者が塾で仕事をしているときに、同じくらい裕福な家庭の子ども達を担当することがありました。塾講師として働き始めて1年目ということもあり、「裕福な家庭の子=賢い子」と勝手な先入観を持って授業をしましたが、違いはすぐに分かりました。
担当した小学2年生のA君とB君は、父親の職種が全く同じでした。長期休暇はそれぞれ海外旅行に行くなど、いわゆる裕福な家庭で育っていました。親の経済力は同じですが、A君は分からない問題があるとすぐに、「先生分からない!答え何!」と騒ぎ出します。
かたやB君は、黙々と問題に取り組みました。どうしても分からない問題があると、「ヒントを教えてください!」と直接答えを聞かず、あくまで自分で答えを出そうという姿勢だったのです。
ふたりのスタンスの違いはその後も続き、なぜここまで差が出るのか不思議でなりませんでした。しかし、A君とB君のお母さんと面談をしてその理由が分かりました。
塾に通い始めの頃は、大半のお母さんは子どもの様子などを気にするものです。しかし、A君のお母さんは、点数など子どもの結果ばかりに注目していたのです。また、A君は塾のほかにいくつもの習い事をしている影響なのか、自分から進んで考える姿勢が見られず常に受け身でした。
一方、B君のお母さんは、多くのお母さんと同じように子どもの授業態度を気にしていましたが、それ以外にもつまずいている単元や、B君がそれに対してどう対応しているのか事細かに質問してきました。「B君は答えだけを求めず、答えを導く考えを重視している」と伝えたときの、お母さんの安堵の表情を今でも覚えています。
A君のお母さんは子どもの結果だけにフォーカスし、B君のお母さんは反対にプロセスを気にしていたのです。子どもの勉強への姿勢は、特に母親の接し方でこうも変わるのかと驚かされました。

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