神の使いのお猿さんが人気!皇城の鎮・日枝神社―東京神社案内【7】

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神の使いのお猿さんが人気!皇城の鎮・日枝神社―東京神社案内【7】

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石津祐介

ライター、写真家

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東京都には約2,000社の神社があると言われています。初詣や祈願成就で参拝したり、散歩がてらに立ち寄ったりと神社に行く機会は何かと多いのでは。そこで本シリーズでは、写真家の石津祐介さんが神社の見どころや土地とのつながり、オススメの授与品を紹介し、神職の方からお話を伺います。第7回は「日枝神社」です。

東京を代表する「東京五社」の一つである日枝神社(画像:石津祐介)



江戸城の鎮守として

 千代田区永田町に鎮座する日枝神社は、山の主「大山咋神(おおやまくいのかみ)」をお祀りする神社で、江戸の三大祭りとして有名な「山王祭」でも知られています。

 今回は、権禰宜の内田博之さんに神社を案内していただきました。

「日枝神社は、鎌倉時代の頃に江戸氏が山王宮を祀ったことに始まり、その後、江戸城を築いた太田道灌公が城内に自身の故郷である川越の山王社を勧請しました。そして徳川家康公が江戸に入った時に、江戸城の鎮守として崇敬されました」(内田さん)

三角形の屋根が乗った形が特徴の山王鳥居(画像:石津祐介)

江戸城から皇居の守り神として

「江戸城内に祀られていた日枝神社ですが、江戸城の拡張に伴い、麹町隼町に遷(うつ)りました(今の国立劇場の辺り)。その後、明暦の大火を経て江戸城の裏鬼門に当たる景勝の地、永田町星岡に遷り現在に至ります。明治になり江戸城が皇居になってからは皇居の守り神『皇城の鎮(こうじょうのしずめ)』として、東京都をはじめ、全国津々浦々から崇敬を集めています」(内田さん)

「皇城之鎮」と書かれた神社の社額(画像:石津祐介)

神様の使い「まさる」

 日枝神社では猿が主祭神の大山咋神の使いである事から、境内には狛犬ではなく代わりに猿が置かれています。

「猿は神の使いですので、狛犬ではなく『狛猿』を置いています。神様の使いの猿なので『神猿(まさる)』といいます」(内田さん)

子猿を抱えた母親の神猿像には、家内安全や子授け、安産のご利益が(画像:石津祐介)
父親の神猿像は、仕事運や商売繁盛のご利益があるといいます(画像:石津祐介)

人気の授与品や御朱印をいただこう

 神猿(まさる)は、「勝る、魔が去る」という語呂から勝運の神や魔除けとして、また音読みの「猿(えん)」は「縁(えん)」を運んでくるので、商売繁盛や縁結びのご利益があるという事から、猿にちなんだ授与品が人気です。

人気の「まさる守」は全5色(画像:石津祐介)

 御朱印は通常のものに加え、復刻版の御朱印や期間限定の御朱印がいただけます。また「まさる」をモチーフとしたご朱印帳も人気です。

通常の御朱印とまさる朱印帳(画像:石津祐介)

感謝の心を忘れずにお参りを

 場所柄、観光客やビジネスマンなど多くの参拝者が訪れる日枝神社。最近では稲荷参道の「千本鳥居」を目当てにやって来る外国人観光客も多いといいます。

「『苦しい時の神頼み』として、何か願い事を叶えるために神社へ来るのもいいのですが、まずはご挨拶として神様に『お参りさせていただきます』と感謝しつつ、願い事をしていただければと思います。参拝の際には、『神猿像』を撫でていってください」(内田さん)

外国人観光客にも大人気の千本鳥居(画像:石津祐介)
「神社にお越しの際には、まずは神様にご挨拶を」と内田さん(画像:石津祐介)

■日枝神社(ひえじんじゃ)
住所:東京都千代田区永田町2-10-5
TEL:03-3581-2471
開門時間:6:00〜17:00
授与所・朱印所:8:00〜16:00
祈祷受付・宝物殿:9:00〜16:00
アクセス:東京メトロ千代田線 赤坂駅より徒歩3分
東京メトロ丸ノ内線・千代田線 国会議事堂駅より徒歩5分
東京メトロ銀座線・南北線 溜池山王駅より徒歩3分
※日本三大祭のひとつ山王祭は毎年6月上旬に実施

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