詩人・金子みすゞに学ぶ、現代の主婦像 「みんなちがって、みんないい」
2019年5月9日
ライフ女性の社会進出が進む社会において「主婦」とはどのような存在なのでしょうか。しゅふJOB総研所長で、ヒトラボ編集長の川上敬太郎さんが解説します。
日本の家庭の3分の2は共働き世帯
姑が棚の上に指を這わせるとホコリがかすかにつき、「掃除が行き届いてない!」と嫁を叱責する――。こういった場面は昭和のドラマのワンシーンだけでなく、当時の一般的な家庭にあった緊張感を表しています。

わずかなホコリさえ許されない時代、主婦の役割は家事と育児を完璧にこなすことでした。夫が夜中に突然、会社の同僚を家に大勢連れてきても、笑顔で料理を作り、愛想良くお酒の支度をするのが「できる主婦」の姿。主婦といえば、専業主婦を指した時代の画一的な価値観といえるでしょう。
一方、画一的であるため、主婦としての振る舞いはある程度共通パターンがあり、分かりやすい社会だったと思います。
しかし、今や日本の家庭のおよそ3分の2は共働き世帯です。主婦という言葉から連想されるイメージも、専業主婦だけでなく、仕事と家庭の両立を希望する主婦を含んだ形へと広がりました。それにもかかわらず、主婦は「家事と育児を完璧にこなさなければならない」という価値観の残像が払しょくされた訳ではなく、今も目の前にチラついています。
すでに日本は、このような価値観があった時代とは異なる国へと変貌を遂げています。
男女の大学進学率は、そんな変化の象徴のひとつです。内閣府の男女共同参画白書によると、1965(昭和40)年に4.7%だった女性の四年制大学進学率は、平成29年に49.1%と10倍以上に増えています。
1986(昭和61)年には男女雇用機会均等法が施行され、総合職としてキャリアを積む女性が増えました。結婚・出産しても働き続ける女性は珍しくなくなり、寿退社という言葉は今や完全に死語となっています。

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