おみくじはハトの形 都内最古の富士塚も! 千駄ヶ谷のパワースポット鳩森八幡神社
国立競技場の近くにひっそりと佇むパワースポット「鳩森八幡神社」。名前の中に「鳩」が住んでいる同神社のおみくじはキュートな鳩の形。絵馬、御朱印も鳩で彩られています。紐に結ぶとさらにかわいい「鳩みくじ」「おみくじの愛らしさ」と「都内最古の富士塚」。その2つを併せ持った神社があります。 場所は渋谷区千駄ヶ谷の「鳩森八幡神社」。名前の中に「鳩」がいるこの神社のおみくじは、思わず「かわいい!」と声が出てしまいそうな鳩の形をしています。 鳩みくじはご社殿脇の社務所にある。なお公園でよく見かける鳩はグレーだが、こちらの鳩は白い鳩(2018年7月、高橋亜矢子撮影) 紐に結ぶとまるで木の枝に止まる鳩のよう。 結ぶとさらにかわいさ極まる鳩みくじ。でも、結ばずに持ち帰りたくなるかわいさでもある(2018年7月、高橋亜矢子撮影) 開くと内側にも鳩が。おみくじ結果の右脇にちょこんと留まっています。 吹き出しの中には、鳩からの「お言葉」が(2018年7月、高橋亜矢子撮影) かわいいのはおみくじだけではありません。絵馬にも二羽の白い鳩が描かれているほか、鳩モチーフのお守りも。御朱印にも、鳩の印が押されます。 白い鳩二羽が描かれた絵馬(2018年7月、高橋亜矢子撮影)御朱印。左側にあるのは、富士塚内にある浅間神社の御朱印(2018年8月、高橋亜矢子撮影) そんな同神社の由来は、神社の上方の空に良いことが起こる予兆の雲「瑞雲(ずいうん)」が湧き、その雲のところから白い鳩が何羽も飛んでいったことだといわれます。創建は860(貞観2)年。今から1150年くらい前のことです。 歴史のある神社ですが、東京大空襲でその大部分が焼け野原となってしまったことも。戦火を逃れたのは、3本の銀杏の木と富士塚だけだったといいます。 第二次世界大戦の戦火のなかを生き伸びた大銀杏の御神木(2018年7月、高橋亜矢子撮影)都内最古の富士塚も! ご利益は美容関連 富士塚とは、いわば富士山の「ミニチュア版」です。同神社にある「千駄ヶ谷の富士塚」は、東京都内に現存するものとしては最古の富士塚で、つくられたのは1789(寛政元)年。江戸幕府は11代将軍、家斉(いえなり)の時代です。 東京都の有形民俗文化財にも指定されている「千駄ヶ谷の富士塚」。詳細が描かれた図が入り口付近にある(2018年7月、高橋亜矢子撮影) 古くから富士山への信仰が厚い日本では、江戸時代にも富士山信仰が流行りましたが、当時、富士山は女人禁制。県をまたいで行き来するような交通手段も乏しく、本物への登山が叶わない人も多かったといいます。そんななか、身近で気軽に登山するためにつくられ、親しまれていたのが富士塚です。 富士塚。山頂近くにのみ、本物の富士山の溶岩が置かれている(2018年7月、高橋亜矢子撮影) 千駄ヶ谷の富士塚の標高は約6メートルから7メートル。富士山の標高と比べて約3770メートルも背が低いですが、富士山に登ったのと同じご利益があるといわれています。 別の角度から見た富士塚。取材時は夏だったため、歩いているとセミの鳴き声が聞こえてきた(2018年7月、高橋亜矢子撮影) 交通の便がよくなった現代でも、身近で富士登山の擬似体験ができて、ご利益まであるのはありがたいところ。7、8分くらいでするっと登山できてしまいます。ただしヒールのある靴やサンダルは、すべりやすいので注意が必要です。 山頂付近からの景色。今渋谷区にいるという事実をちょっと忘れそうになる景色(2018年7月、高橋亜矢子撮影) なお富士塚には、浅間神社の神様・木花咲耶姫(コノハナノサクヤビメ)がご鎮座しており、美容や子育てなどにご利益があるといわれています。 多彩な「ご利益」、勝利祈願、商売繁盛から将棋の上達まで多彩な「ご利益」、勝利祈願、商売繁盛から将棋の上達まで ご利益が多岐にわたるとも言われる、鳩森八幡神社。その理由として、神様が5柱、ご鎮座していることがあげられます(※「柱」は神様の数え方の単位)。 境内の案内図(2018年7月、高橋亜矢子撮影) ご社殿には、応神天皇と神功皇后の親子がご鎮座。勝負に関することや安産にご利益があるといいます。そのほか、商売繁盛の甲賀稲荷社、万物創生の神明社、さらには先に記載した浅間神社が境内にあります。 応神天皇と神功皇后の親子がご鎮座するご社殿(2018年7月、高橋亜矢子撮影) このほかにも、将棋の技術向上を目指す人たちが多く訪れるという「将棋堂」が。巨大な将棋の駒が奉納されているお堂の周りには、たくさんの絵馬が掛けられています。 将棋堂の絵馬。たくさんの将棋にまつわる願いが記されていた(2018年7月、高橋亜矢子撮影)今後はグローバル化する可能性も 鳩森八幡神社は国立競技場からも近いため、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、訪日外国人観光客の増加も予想されるそうです。 同神社の担当者は「昔のことばを、英語に訳すのはとても難しいんですよね」と話しつつも、今後に向けて英語表記を増やしたり、自分たちもしゃべれるようにしていきたいと考えているそうです。 手水舎に貼られていた英語の説明(2018年7月、高橋亜矢子撮影) 2018年現在は、手水舎(てみずしゃ・参拝の前に手や口を清めるところ)に貼られている英語表記。今後さらに境内全体へと増えていくかもしれません。 ●鳩森八幡神社 ・住所:東京都渋谷区千駄ケ谷1-1-24 ・交通アクセス:各線「千駄ヶ谷駅」、副都心線「北参道駅」、都営大江戸線「国立競技場駅」から徒歩5分 ・社務所窓口:9:00~17:00
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