パン好きが殺到! 日本最大級のフェス「世田谷パン祭り」が抱える課題と新たな取り組みとは
2019年10月5日
知る!TOKYO食関連のイベントが各地で催される秋――。来場者数5万人を誇る日本最大のパンイベント「世田谷パン祭り」が2019年も開催されます。年々増える来場者数や、ゴミ問題などの課題に対し、どう向き合いイベントを成長させてきたのかをフードライターの笹木理恵さんが取材しました。
全国で増えるパンフェス 課題も浮き彫りに
季節はいよいよ、食欲の秋。各地でさまざまな食のイベントが開催されるシーズンでもあります。

なかでも年々、各地で規模を拡大しているのが、パンのイベント。2011(平成23)年に、日本人の米とパンの消費量と逆転して以来、下降をたどる米に比べ、パンは堅調に消費が伸びており、糖質制限ダイエットの逆風を受けながらもパンの人気は極端には落ち込んでいません。最近では、食パン専門店など新たなブームも誕生し、パンのイベントも全国各地で年間50以上も開催される勢いを見せています。
そんなパンフェスの火付け役ともなったのが、いまや日本最大級のパンイベントとなった「世田谷パン祭り」です。「世田谷はパンの街」をコンセプトに、世田谷をはじめ全国のベーカリーが出店するこのイベントは、2019年で9回目。2011年開催の初回は7000人だった来場者数は、2018年度は5万人を記録。出店数も2日間で240店舗という大規模イベントに成長しています。
来場者の長い行列と待ち時間が問題に
しかし来場者が増えるにつれ、課題や問題点も浮き彫りになっています。なかでも、運営サイドが毎年もっとも頭を悩ませるのが、来場者の長い行列と待ち時間です。もちろん、年を追うごとに来場者の分散を図るための対策が強化されており、2015年からは開催期間を2日間とすることで、混雑の緩和に成功。

さらに会場も、池尻小学校(世田谷区池尻)の校庭と体育館、IID世田谷ものづくり学校(同)だけでのスタートでしたが、翌2012年からは世田谷公園(同)も加わり、新たな導線を確保できました。世田谷パン祭りが年々盛り上がりを見せ、地域活性化に繋がるイベントとして認知を得られたことで、街の理解も広く得られるようになったのだそうです。
「世田谷パン祭り」広報担当の寒河江麻恵さんは2019年の対策について、
「2018年も来場者数は5万人となりましたが、ボランティアスタッフの適正な配置や導線の工夫などで、待ち時間は2018年よりも軽減されたように感じています。2019年は例年に続き、世田谷公園もメイン会場としてエリアを拡大しパンマーケットを開催するほか、屋外ワークショップや講座を開催する『世田谷パン大学』などの学びの場もさらに充実させ、複数のエリアを回遊していただけるような導線を考えています」。
と説明します。

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