虎ノ門にプラネタリウム!?子どもも大人も科学館で遊ぼう
劇的な変貌を遂げつつある虎ノ門。「ビジネス街」のイメージのあるエリアですが、実は子どもが楽しめる施設も充実しています。夜8時まで開館しているプラネタリウムなど、仕事帰りに立ち寄りたくなるスポットを、エデュケーショナルライターの日野京子さんが解説します。都心エリアの中でもおしゃれな町としてのイメージが強い港区。港区の中でも再開発が進み注目を集めているのが「虎ノ門エリア」です。 江戸城の外堀の門の名称がそのまま地名に残った同エリアには、ホテル御三家の一つに数えられている「ホテルオークラ東京」のように昭和30年代後半開業の老舗もある一方で、六本木や赤坂そして新橋の中間地点に位置し、ビジネス街という顔を持ちます。 虎ノ門の夜景(画像:photoAC)今回は、これまで大人の街という印象があり再開発が進む虎ノ門エリアにある、大人も楽しめる子ども向けお出かけスポットをご紹介していきます。 進化する虎ノ門エリア江戸時代からの名が残る歴史ある街ではあるものの、21世紀に入ってからは官民一体での再開発事業が進んでいます。江東区有明を起点とし、晴海、汐留、新橋そして虎ノ門を経由し神田佐久間町を終点とする環状二号線が開通。それに合わせて、東京メトロの新駅開業や森ビルによるオフィスやマンション、商業施設を持つ高層ビルの着工がスタートしました。 2014年6月に開館した地上52階、高さ247メートルを誇る「虎ノ門ヒルズ・森タワー」を皮切りに、2020年には「虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー」そして東京メトロ日比谷線「虎ノ門ヒルズ駅」、2021年に「レジデンシャルタワー」がオープンしました。 来年夏には「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」が完成予定と、この10年で劇的な変貌を遂げようとしています。 虎ノ門(画像:photoAC)都心のビジネス街としてさらなる進化を遂げようとしている同エリアは一見すると子ども向けの施設が乏しいように思えますが、実は学びを兼ねるお出かけスポットもあります。 2020年に開館したばかりの「港区立みなと科学館」、23区内では実に32年ぶりに開業した区立科学館です。プラネタリウムを利用する場合は観覧料が必要ですが、真新しい施設の入場料はなんと無料。 港区立みなと科学館 プラネタリウム(画像:港区立みなと科学館 プレスリリース)一般投影も大人600円、小人(小学生から高校生)100円とリーズナブルです。土地柄、ビジネスパーソンへの来館も念頭にあり、開館は9時、閉館は8時と公共の科学館や博物館に比べると遅くまで開館しています。 9月11日(日)までは、鉄道発祥の地である新橋駅が近いことや日本の鉄道開業150周年の記念の年ということもあり、企画展「みんなの鉄道展―線路は続くよ 未来まで―」が開催されています。 鉄道好きな子どもはもちろんのこと、鉄道ファンの大人や会社帰りにプラネタリウムでデートすることもできる公共施設です。イベント参加の場合は事前予約が必要ですので、必ず公式サイトを確認してください。 港区立みなと科学館(画像:港区立みなと科学館 プレスリリース)2020年に港区教育センターとの合同庁舎に移転した気象庁の2階にあるのが「気象科学館」です。「港区立みなと科学館」と同じ建物に入っており、ハシゴすることも可能。 こちらの施設も入館無料で開館が9時、閉館が8時となっており子どもだけでなく仕事帰りの大人も立ち寄れる開館設定になってます。 気象情報は普段の生活に欠かせない情報ですが、単に天気だけでなく毎年のように起きる豪雨被害に遭った際にどういった行動をすべきか学べたり、津波シミュレーションなど防災意識や知識を増やせます。 小学生は防災について学校で学ぶ機会もありますが、大人になると防災や緊急時の対応を学ぶ機会が減ってきます。親子で足を運んで一緒に学んだり、日頃から防災を意識するきっかけにしたいですね。 虎ノ門に隣接する愛宕一丁目にある「NHK放送博物館」は世界初の放送に特化した博物館です。渋谷の「NHKスタジオパーク」が閉館になって以降、日本のテレビ史とも言えるNHKの歴史を学ぶ施設はここのみとなっています。 NHKスタジオパークのあったNHK放送センター(画像:photoAC)港区愛宕はNHKの前身である東京放送局が設置され、1939(昭和14)年まで同地でラジオ放送を行っていました。1956(昭和31)年に博物館が開館した歴史を持ちます。4階建ての博物館は各階ごとにテーマが設けられています。 1階にはラジオ放送から始まる放送の歴史をイラスト化した「歴史放送絵図」が設置されています。2階はNHKの看板でもある紅白歌合戦やドラマで使用した衣装展示、懐かしい子ども番組の紹介など見どころが満載です。 3階には日本の放送の歴史が紹介されています。戦前そして戦時下の放送、そしてテレビの普及の過程が分かりやすく展示されています。4階はメディアライブラリー機能を持ち、放送した約一万本にもなる番組を視聴することができます。 開館時間は10時から16時30分で入館は無料。貴重な資料から日本の放送の歴史を学ぶことができる博物館です。 大人の街だけど子どもも楽しめるスポットがある話題の多い虎ノ門エリアはビジネス街で大人の街と思いきや、意外とリーズナブルに子どもが楽しめて学べる施設があります。 「虎ノ門には子ども向けのスポットはほとんどない」と思っている方も多いかもしれませんが、新しい施設や、歴史の長い博物館もあり、お出かけの際にぜひ参考にしてみてください。 ■港区みなと科学館 住所:東京都港区虎ノ門3-6-9 1-2F TEL:03-6381-5041 アクセス:東京メトロ日比谷線 虎ノ門ヒルズ駅より徒歩4分 ■気象科学館 住所:東京都港区虎ノ門3-6-9 気象庁2F TEL:03-6758-3900 アクセス:東京メトロ日比谷線 虎ノ門ヒルズ駅より徒歩4分 ■NHK放送博物館 住所:東京都港区愛宕2-1-1 TEL: 03-5400-6900 アクセス:東京メトロ日比谷線 神谷町駅より徒歩8分、虎ノ門ヒルズ駅より徒歩10分
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