一般入試組との学力差は? 「慶応義塾大学」のAO入試合格はどのくらい難しいのか
2020年12月27日
ライフ私立大学難化の流れにあって、一般入試組との学力差の観点から非難の的になりがちなAO入試。しかしAO入試の元祖・慶応義塾大学は少々異なるようです。教育ジャーナリストの中山まち子さんが解説します。
AO入試を生みだした慶応義塾大学
従来の学力試験を課さず、小論文や面接によって「ふさわしい学生」を選ぶAO(アドミッションズ・オフィス)入試はすっかり定着し、2020年度から総合型入試選抜と名称が変更しています。
そんなAO入試を初めて導入したのは、慶応義塾大学総合政策学部・環境情報学部(神奈川県藤沢市)。1990(平成2)年のことでした。というわけで、平成の30年間で国公私立問わず広く浸透してきたことになります。

AO入試は筆記試験がないため、一般入試組との学力差を懸念する声はいまだに根強く存在します。しかし、元祖である慶応義塾大学(港区三田)のAO入試は学部によって独自性の高い内容を実施。難易度も高く、合格者数も統一されていないのです。
AO入試激戦のSFC2学部
慶応義塾大学総合政策学部・環境情報学部の2021年度の募集人員は150人ずつで、2020年度より各50人増員しました(4月入学と9月入学者の合計)。一方、一般入試は275人から225人へと減少しています。
一般入試での募集が225人ずつであることを踏まえると、AO入試経由の方が容易に入学できるように思われますが、そうとは言い切れません。
2020年度行われた入試結果を見ても、総合政策学部の志願者は募集人員100人に対し1194人(男子609人、女子585人)、最終合格者は127人(男子51人、女子76人)。合格率は10.6%でした。
一方、環境情報学部の志願者は100人の募集人員に対して972人(男子507人、女子465人)、最終合格者は152人(男子78人、女子74人)で合格率は15.6%となっています。

なお総合政策学部は、2013年に出版された「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大に現役合格した話」(坪田信貴著、KADOKAWA/アスキー・メディアワークス)の主人公の進学先として話題になるほどの人気学部となっています。
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