「年金2000万円問題」で高まる投資熱、超初心者は何をすればいい?
景気不安や「年金2000万円問題」の発覚で老後生活の不安が叫ばれる日本。そんななか、投資意識の高まりが注目を浴びています。しかし投資の超初心者はいったい何をすればよいのか分かりません。元大手証券会社勤務のライター・宮野茉莉子さんがおすすめの方法を紹介します。「止めておこう」「続かなかった」の壁を超えるために 老後に2000万円が必要といわれる現代。投資がこれから必要とわかっていても、不安でまだ手を出してない人もいるでしょう。 確かに投資は手続きが面倒そうですし、何よりもリスクを避けたいですよね。それでも実際に投資を始めてみたら、「意外と簡単」「もう少し早く始めてみればよかった」という声も。 投資は、やってみないとわからない「百聞は一見に如かず」なものです。そんななか、筆者が投資の超初心者に紹介したいのが「月1000円の積み立て」です。 1000円投資信託のイメージ(画像:写真AC) 投資に興味のない人は経済や国際情勢のニュースを見る機会が少なく、またニュースに出てくる関連用語や実際の売買方法もまったくわからないでしょう。この状態でいきなり投資を始めても、結局「止めておこう」となってしまいます。 「まず本や新聞を読んで勉強してから」と考える人も多いですが、大切なのは続けることです。人間は何事も継続する理由がなければ、1か月も経たないうちに止めてしまうもの。結局、こちらも「続かなかった」ということになるのです。 そこでおすすめしたいのが、まず月1000円の積み立てです。 投資「感覚」が身に付けよう投資「感覚」が身に付けよう 月1000円、年にすると1万2千円です。あなたはこの金額をどう感じるでしょうか。「決して高くない」「これなら投資しても良い」と思う人も多いはずです。 1000円投資信託のイメージ(画像:写真AC) 1年投資して、すべてなくなってもわずか1万2千円です。しかし私の経験上、すべてなくなるようなことはほぼありません。もちろん、投資リスクの低い先を選ぶことも重要です。 これからは興味がなくても、「投資が当たり前」な時代へ変わっていくでしょう。そういった意味では、家事のようなものになるのかもしれません。だからこそ、月1000円でも「始める」ことに意味があるのです。 投資を始めてもっとも大きな利益は、投資「感覚」が身に付くことです。いくらであっても実際に投資すれば世の中の経済情勢が気になり始めるため、経済ニュースを見る習慣がつくようになります。経済の知識もつきますし、自分の「好み」も出てきます。 損得はそのときの相場によりますが、投資感覚や知識が身に付くことは、今後の長い投資生活にとって大きな利益となるのです。 「つみたてNISA」で「全世界株式」の投資信託を「つみたてNISA」で「全世界株式」の投資信託を 投資を始めるにはつみたてNISA(積み立て型の少額投資非課税制度)を使って、月1000円ずつ投資信託を購入することがおすすめです。積み立て型は毎月コツコツと購入するため、1回で購入するのに比べてリスクが抑えられます。20年間は運用益非課税だったり、口座開設や管理手数料が無料だったりするメリットもあります。 1000円投資信託のイメージ(画像:写真AC) 注目したいのは手数料です。投資信託はプロが自分の代わりに投資するため、購入時・保有中・売却時に手数料がかかります。この金額は種類によって異なります。なお、「ノーロード」という購入手数料がかからない投資信託もあります。 何を買えばいいのかわからない人にオススメしたいのが、「全世界株式」の投資信託です。全世界の株式に分散して投資できるため、リスクを抑えられます。 日興アセットマネジメント(港区赤坂)のウェブサイトに連載されている「WE LOVE ETF セミナー実況中継」の第11回「2時間目:大切なのは『大ざっぱで楽観的』でいる努力 人に欲がある限り、経済は右肩上がり」の「世界の名目GDPと株価の推移」をみると、1988(昭和63)年以降、世界のGDPが増えていくのに伴い、世界株価指数も上がっているのがわかります。 タイミングや国、銘柄によって上がり下がりはあれど、長い目で見れば、経済が成長するとともに株価は上がっていきます。とはいえ投資にリスクが付き物で、損をする可能性もあります。しかし、投資の超初心者が始めやすいのは「全世界株式」の投資信託でしょう。投資に二の足を踏んでいる人は、参考のひとつにしてみてください。
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