漫画『電影少女』の舞台に! 住みたい街「吉祥寺」の外せない恋愛的魅力とは
1990年代に一世を風靡した漫画『電影少女』。その舞台となった多摩地域東部・吉祥寺の魅力について解説します。『電影少女』の概要『電影少女』は、『ウイングマン』『I’s』の作者として知られる桂正和さんが描いたSFラブコメディー漫画で、1989(平成元)年から1992年までの期間、「週刊少年ジャンプ」に連載されていました。 『電影少女』第1巻(画像:桂正和、集英社) 吉祥寺(武蔵野市)を舞台に、主人公・弄内洋太(もてうちようた)が織りなす恋愛がなんとも甘酸っぱい作品で、1992年にはOVA『電影少女 -VIDEO GIRL AI-』が公開されました。OVAとは「original video animation」の略語で、テレビでは放送されず、ビデオテープ、DVD、BDなどとして販売されるアニメ作品で、『電影少女 -VIDEO GIRL AI-』では、コミック1~13巻までのストーリーを全6話でアニメ化しています。 また、連載開始から30年近く経過した2018年には、『電影少女2018』としてドラマ化しており、『電影少女』がいかに長く愛されているかが伺えます。 ドラマでは漫画の未来を描いており、主人公は弄内洋太のおいにあたる弄内翔です。弄内翔役を野村周平さんが、ヒロイン役を乃木坂46の西野七瀬さんが担当しています。豪華なキャスティングが話題を呼びました。 弄内、もえみ、ビデオガールの三角関係 吉祥寺の学校に通う弄内は、さえない男子高校生。そんな弄内が思いを寄せる女の子は、学校のマドンナ・早川もえみです。弄内は清らかな心の持ち主ですが、恋愛に奥手なのが玉にきず。もえみに思いを告げることができずもんもんとしていました。 吉祥寺駅の位置(画像:(C)Google) そんなさえない日々を送る弄内は、ひょんなことから不思議なビデオを入手します。そのビデオを再生してみると、なんと画面から謎の女の子・天野あいが登場。あいの正体は人間ではなく、ビデオガールという超常的存在です。 本来ビデオガールは感情を持ち合わせません。しかし、弄内が再生したビデオデッキが故障していたため、あいには感情が生まれました。その感情とは弄内への恋心ですが、ビデオガールと人間の恋愛はご法度。弄内ともえみ、そしてあいが繰り広げる三角関係には、恋愛の切なさがたっぷりと詰まっています。 吉祥寺の人気の秘密吉祥寺の人気の秘密『電影少女』では、弄内やもえみ、あいなどが吉祥寺で楽しげにデートをするようすが描かれています。連載当初はまだ1980年代でしたが、2021年の今でも吉祥寺は屈指のデートスポットです。「住みたい街」としても有名な吉祥寺ですが、なぜそこまで人気なのでしょうか。 吉祥寺のダイヤ商店街(画像:写真AC) よく語られるのは、バランスの良さです。東京らしく商業施設が充実しつつ、緑豊かな自然も味わえます。ショッピングデートを楽しみたいなら、パルコやアトレ、丸井など、回り切れないほどのお店が連なっています。のんびりと歩きながら話でもしたいなら、井の頭公園や、三鷹の森ジブリ美術館が最適でしょう。 23区外とはいえ、アクセスの面も申し分なく、デートの待ち合わせにも適しています。このようにバランスに優れているからこそ、吉祥寺は万人受けしているのかもしれません。 井の頭公園のボートにまつわる都市伝説 吉祥寺のデートスポットの定番といえば、やはり井の頭恩賜公園(井の頭公園、武蔵野市御殿山)でしょう。また、井の頭公園のデートとなれば、 「井の頭公園のボートを一緒に乗ったカップルは別れる」 という都市伝説がよく知られています。 秋の井の頭公園(画像:写真AC) いったいなぜ、このようなことが広まっているのでしょうか。もちろん、ボートに乗ったカップルが別れるかどうかのデータはありませんが、よく話題にされる説をご紹介します。 最も確からしい説は、 「男性がボートをスムーズに乗りこなせないこと」 です。 カップルでボートに乗るとなると、やはり力のある男性が操縦することが多いでしょう。もし男性がスムーズにボートを乗りこなせないと、女性は無意識に結婚後の悪いイメージを想像してしまうとされています。ボートの操縦と、結婚後のかじ取りを照らし合わせ、男性のことを頼りないと考えてしまうのです。 もちろん、これは井の頭公園以外のボートにも当てはまることですが、特に有名な井の頭公園に焦点が当てられたのではないでしょうか。 もうひとつの有名な説は 「弁財天の嫉妬」 です。 井の頭公園の西南部には弁財天が祭られています。弁財天とは七福神のひとりであり、日本においては、財福をつかさどる女性の神様です。その弁財天が、男性とデートを楽しむ女性に嫉妬し、カップルを別れさせているというのです。 もちろん科学的根拠のない話ですが、これだけ井の頭公園のボートの都市伝説が広まっていると考えると、もしかしたら……という気もしてしまいます。 ちなみに井の頭公園は、前述の『電影少女2018』のロケ地でもあります。ドラマ版をご覧になった方は、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。 吉祥寺のデート吉祥寺のデート『電影少女』は、恋愛の酸いも甘いも表現している漫画です。若者には恋愛とは何かを、大人には忘れてしまった青春を教えてくれます。 そんなラブストーリーが展開されるのが吉祥寺です。吉祥寺を訪れたときに、街で繰り広げられる恋愛模様を意識してみると、新鮮な気持ちを楽しめるかもしれません。若者にとっての吉祥寺のデートは、まるで『電影少女』のような甘酸っぱい思い出になるかもしれません。もちろんデート以外で訪れても、街ゆくカップルを眺めるだけで、何か感じるものがあると思います。 また、大人の方のデートにも吉祥寺は応えてくれます。大人ならではのショッピングや、のどかな公園の散歩を楽しまれてはいかがでしょうか。 カップルで乗ると別れるとされる井の頭公園のボートですが、実際に利用してみると、都市伝説の真相について何か感じるものがあるかもしれません。 井の頭公園のスワンボートとローボート(画像:写真AC) ちなみにボートの営業時間は月ごとに異なりますが、10月なら9時30分から17時20分までで、最終発券は16時20分です。ボートは ・サイクルボート(30分600円) ・スワンボート(30分700円) ・ローボート(60分700円) の3種類。 興味のある人は、ぜひ利用してみてください。
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