10月22日サッカーファンの聖地「国立」でJリーグカップ戦30回目の決勝がキックオフ!

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10月22日サッカーファンの聖地「国立」でJリーグカップ戦30回目の決勝がキックオフ!

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シカマアキ

旅行ジャーナリスト、フォトグラファー

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サッカーファンの待ちに待ったルヴァンカップ©J.LEAGUEが2022年10月22日、東京の国立競技場で開催されます。優勝トロフィーは第三回大会から続けて今年もティファニーの制作です。通称「Jリーグカップ」、今年はどのような盛り上がりを見せるのでしょうか。サッカーを愛する旅行ジャーナリストのシカマアキさんが解説します。

「日本サッカー国内三大タイトル」の1つ、今回ちょうど30回目

 サッカー・Jリーグ「YBCルヴァンカップ」©J.LEAGUE(通称、ルヴァンカップ)の決勝が、2022年10月22日、東京の国立競技場で開催されます。今回の決勝は、セレッソ大阪とサンフレッチェ広島の対戦です。

 Jリーグには、年間を通して戦う「リーグ戦」、グループリーグとトーナメント方式の「カップ戦」、そして最も歴史が長い「天皇杯」があります。これらは「日本サッカー国内三大タイトル」と呼ばれています。

そのカップ戦が、YBCルヴァンカップです。YBCとは、冠スポンサーである大手製菓会社ヤマザキビスケット(YAMAZAKI BISCUIT COMPANY)のこと。公共放送のNHKなどでは「Jリーグカップ」と呼ばれます。

現在の国立競技場(画像:photoAC)



 第1回が、Jリーグ開幕の前年1992年。その後、非開催だった1995年を除いて毎年開催され、2022年でちょうど30回目を迎えます。今回の会場である国立競技場、Jリーグカップの歴史や見どころなどを紹介します。

国立競技場での開催実績は圧倒的多数だが、別会場だった年も

 サッカーの試合会場は、試合を行うチームの拠点「ホーム」と、相手の拠点「アウェイ」で開催するのが一般的。ルヴァンカップも、最初のグループステージ(旧・グループリーグ)や、その後のプライムステージ(旧・決勝トーナメント)などは、ホームとアウェイで1試合ずつ行われます。決勝戦のみ、どのチームにとっても「中立地」で、1回のみ開催です。

 ルヴァンカップの決勝戦といえば、国立競技場で開催されると考える人が多いかもしれません。しかし、過去の大会では、国立競技場以外の会場も使用されています。

 第1回大会の1992年と翌年の1993年は、国立霞ヶ丘競技場(旧・国立競技場)で、1994年は神戸市のユニバー記念競技場。その後、1997年が決勝2回方式のホーム&アウェイでジュビロ磐田スタジアムと茨城県立カシマサッカースタジアムだった以外、1996年と1998年から2013年まで16回、ずっと旧・国立競技場で決勝戦が行われてきました。

茨城県立カシマサッカースタジアムとジーコ像(画像:photoAC)

 その後の2014年から2019年までの6回は、埼玉スタジアム2002での開催。これは、旧・国立競技場の取り壊し、新・国立競技場の建設のためです。2020年に現在の国立競技場で初開催されました(なお、2020年11月に開催予定が新型コロナの影響で直前中止となり、2021年1月4日に振替開催)

 以前の国立競技場を含めると、これまでの30回のうち21回。「Jリーグのカップ戦、決勝は国立」というのがサッカーファンの中では定番となっています。

先代は東京五輪メインスタジアム、その後コンサート会場にも活用

 旧・国立競技場の正式名称は、「国立霞ヶ丘競技場陸上競技場」です。歴史的に最もよく知られる出来事は、1964(昭和39)年の東京オリンピックでメインスタジアム。その後、サッカーでは日本代表の強化試合や国際親善試合、1980(昭和55)年から2001(平成13)年まで欧州と南米の王者同士が対戦するインターコンチネンタルカップ(通称、トヨタ・カップ)の会場、通常は元旦に開催されるサッカー天皇杯決勝の会場としても定番です。

国立霞ヶ丘競技場(旧 国立競技場)(画像:photoAC)

 2002年の日韓ワールドカップを機に、横浜国際総合競技場(日産スタジアム)や東京スタジアム(味の素スタジアム)、埼玉スタジアム2002などのサッカー専用スタジアムが次々建設。建物の老朽化も進み、旧・国立競技場がサッカーで使用される機会が次第に減っていきました。日韓ワールドカップではFIFA(国際サッカー連盟)が、「観客席の3分の2以上に屋根が架設されること」を条件としたため、旧・国立競技場を会場とすることが見送られた経緯も。

 一方、世界陸上や東京国際マラソン、ラグビーをはじめ、国内外の著名アーティストによるコンサートなども数多く開催されました。都営地下鉄大江戸線の国立競技場駅、JR中央・総武線の千駄ケ谷駅など、交通アクセスの良さも魅力的。惜しまれつつ2014年5月31日に閉場し、建物は解体されました。

スタンドを彩るコレオグラフィー、優勝トロフィーはティファニー製

 ルヴァンカップは、1992年から2016年途中まで「Jリーグヤマザキナビスコカップ」(通称、ナビスコカップ)の名称で親しまれました。名称変更の理由は、ナビスコブランドのライセンス契約終了。「ルヴァン」(Levain)はクラッカー商品のブランド名で、現在も全国のスーパーマーケットなどで販売されています。

サッカーボール(イメージ画像:photoAC)

 ルヴァンカップが、リーグ戦や天皇杯と違う点がいくつかあります。

 まず、「グループリーグおよびトーナメント方式である」こと。1発勝負のトーナメントでは敗戦を喫してしまうとその時点で敗退となる一方、予想外のチームや選手が活躍して決勝進出することも過去にありました。そして、出場資格が「J1全チーム+J2 2チーム」であり、全国どのカテゴリーでも出場できるトーナメント方式の天皇杯と異なります。なお、アジアチャンピオンズリーグ(ACL)出場4チームはプライムステージから登場します。

 スタンドで各チームのサポーターによる「コレオグラフィー」(人文字)が行われることも定番です。スタンドがそれぞれのチームカラーに彩られるのは必見。さらに、優勝クラブに贈られるトロフィーが「ティファニー」製であることも有名です。

 30回の記念すべき大会。5年ぶりの優勝を狙うセレッソ大阪と、初優勝を目指すサンフレッチェ広島が、新・国立競技場で2度目となる決勝を戦います。昨年2021年は名古屋グランパスとセレッソ大阪の決勝で、前週に天皇杯で同じ対戦でセレッソ大阪が3-0で圧勝したものの、ルヴァンカップでは名古屋グランパスが2-1で見事勝利。スポーツはやはり戦ってみないと分からないもので、今回どちらのチームも調子よく勢いあり、好勝負が期待できます。

「Jリーグ YBCルヴァンカップ」©J.LEAGUEの優勝トロフィー(画像:ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク プレスリリースより)

■国立競技場
住所:東京都新宿区霞ヶ丘町10-1
アクセス:JR総武線 千駄ケ谷駅/信濃町駅より徒歩5分
都営大江戸線 国立競技場駅より徒歩1分
東京メトロ銀座線 外苑前駅より徒歩9分

参照
ヤマザキビスケット JリーグYBCルヴァンカップ公式サイト

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