目黒区「文化浴泉」にあったnano湯って何の湯? な~んつって【連載】TOKYO銭湯ザンブリコ(1)
ソーシャルディスタンスな散歩を満喫したら、街角の銭湯でザンブリコ――。散歩と銭湯巡りをこよなく愛するコラムニストの島本慶さんが、東京の魅力的なコースへとお連れします。リニューアルした本連載、第1回は、世田谷区の三軒茶屋からスタートです。小川のコイたちに餌をあげるフリ 東急田園都市線は渋谷から2個目の三軒茶屋で降りて下北沢に向かう茶沢通りを歩きます。しばらく行くと右側に太子堂商店街に入る道があって、そこを入らずにちょいと先にある烏山川緑道ってのを右へ。 最近はこの緑道ってのがずいぶんと整備されていてキレイになっておりますな。ご存じのように、昔小川だった所を暗渠(あんきょ。地下水路)にして浄化した水を人工的に作った川に流したりしている。今の季節、緑がキレイですよ。 このご時世ですから、運動不足の若いカップルがジョギングしたり、お爺(じい)ちゃんやお婆(ばあ)ちゃんが犬を連れて散歩していたり、内緒で猫に御飯をあげるオバちゃんグループもたまに見かけます。 私(島本慶。コラムニスト、ミュージシャン)はというと、ゆっくり散歩します。アジサイの美しさに見とれながら。どこへ向かうかってぇと、三宿を抜けて池尻大橋方向へ。途中に下北沢寄りから伸びている北沢川緑道と合流して、そこからは目黒川緑道になります。 目的は銭湯です。実は近くに「富士見湯」(世田谷区太子堂)ってのがあるんだけど、それじゃあ散歩が加わらないので無視。やっぱり散歩を楽しんで程よい汗をかいてからひとっ風呂浴びたいですからね。 途中、何度か立ち止まり、休憩しながら、クローバーを見つけるとついつい四つ葉を探します。でも見つかりません。不思議だねぇ、子どもの頃はホイホイ見つけたのに、大人になると見つけられませんな。ジジィになるともっと見つられない。これが人生でしょうか。 などと思いながら目黒川緑道の小川の太りまくったコイに驚いて、わざとエサをあげるフェイクのしぐさをすると、みんな寄ってきて口をパクパク。悪い奴っちゃ。 てなわけで246号線に出て渡り、池尻大橋の商店街へ。ズズッと行った先の左側にある目的の「文化浴泉」(目黒区東山)に入ります。 目黒区の銭湯「文化浴泉」の外観(画像:島本慶さん制作) ここまで歩くと、散歩してきた気分も十分味わえるし心地良い疲労感でお風呂が楽しめます。 「文化浴泉」って古いんですよね意外に。何と1928(昭和3)年の創業ですと。でも2011年にリニューアルして、とってもキレイです。 このままおじいちゃんになってしまうのかこのままおじいちゃんになってしまうのか 例によって470円を払い、脱衣場へ。サクサクヌギヌギして洗い場へ。正面を見れば、おぉっとナカジマさん(銭湯絵師の中島盛夫氏)の富士山が。しかも円形ですよ。珍しいっすな。 てなわけで椅子とおけを持ってカランを確保。頭をぬらしてから念入りにシモを洗います。全身を洗い、ラストに頭を洗ってから、シャワーで洗い流し、さてどの湯に入るかキョロキョロ。 ジェットもあるけど、ん? 何々? nano湯とな? 何の湯? なんつって。 そういえばわりと軟水だったけど、このnano湯って真っ白い気泡湯みたいです。私、この種の湯が大好き。 ザンブリコしてしばしボーッ。どうやらこの気泡湯、ナノバブル粒子っつうらしく、超音波効果、ダイエット効果、洗浄効果もあるんですって。ここのご自慢の湯みたいです。 こりゃいいやってんで、さらにボーッ。ちなみにサウナもあって(私は入りません。体が弱いので)、どうやら室内でジャズを流しているんですって。しかもフレグランス(香料)も楽しめるらしい。 散歩の途中でアジサイの美しさに見とれた(画像:島本慶さん制作) あ~いい気持ち。あっそういえばここって備え付けのシャンプーとかボディーソープとか無かったなぁ。まぁ私の場合はせっけんを持参してるからいいんですけどね。 さぁて、よおくフキフキしてから脱衣場へ。乾いたタオルでさらによおくフキフキ。 体重計は例によって53kg。あ~、このままおじいちゃんになってしまうのかぁ? 今でも十分おじいちゃんだって? 冗談じゃないよ、まだまだ若いって、若くはないけどオッサンですよ。 てぇことはやっぱり飲みに行くかなぁ……いやいや家飲みにしとくか。 でもなぁ~ここんとこずぅっと家飲みが続いてるし。うーん。どうしよう。いや、もうちょい自粛しよ。
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