コロナで良質な睡眠困難に…「疲れが取れない」を「よく寝た」に変える快眠5カ条とは?
2022年3月4日
ライフ 健康のためには栄養バランスの良い食事と適度な運動、それに休養が必要です。毎日の睡眠は十分ですか? 今回は、質の良い睡眠を取るための方法をご紹介します。(ULM編集部)
[以下の記事監修:江東区森下 イシハラクリニック副院長 石原新菜医師]
おうち時間が増えると睡眠の質は下がる
ある企業が実施した「コロナが睡眠に及ぼした影響」調査によれば、3割の人が「コロナ後の睡眠の質が下がった」と回答しています。今までと比べて睡眠時間が長くなったり、短くなったりした理由で最も多いのは「生活リズムが崩れたから」で、これが大きく影響していると考えられます(参考:株式会社ヒュプノス「コロナが睡眠に及ぼした影響アンケート結果」=2020年=より)。
睡眠時間が短くなったせいで睡眠に不満を感じるのは、なんとなく理解できますが、逆に長くなったのに不満を感じる人もいるのはなぜなのでしょうか。これには「睡眠の質」が関係しています。良質な睡眠を取らなければ、いくら長い時間寝たとしても、心と体の休息にはならないのです。

そもそも、人はなんのために眠るのか?
人の一生を80年、1日の睡眠時間を8時間と仮定すると、人間は27年もの時間を眠って過ごすことになります。眠るという行為はそれだけ大切なのです。
では、人はなぜ眠るのでしょうか。疲れを取るのも確かに睡眠の重要な役割です。しかし、睡眠は疲労の回復にとどまらず、生きるために必要な働きをいくつも担っています。睡眠に支障をきたすということは、心身の健康が保てなくなるということ。健康づくりには良質な睡眠が欠かせません。
<睡眠の役割>
・疲労回復…日中、体と脳にたまった疲れを回復させます。
・記憶の定着…起きている間にインプットした情報を整理し、記憶として定着させます。記憶力、思考力を維持します。
・免疫力アップ…十分な睡眠を取ると病気への抵抗力が高まり、風邪などの感染症にかかるリスクを抑えられます。
・細胞の修復…睡眠中に分泌されるホルモンが新陳代謝を促し、傷ついた細胞を修復。美肌にも重要です。
・ストレス軽減…ストレスホルモン(コルチゾール)の分泌量を抑制し、ストレス解消に働きます。

「睡眠ホルモン」の減少が良質な睡眠を妨げる
眠りが浅い、寝ても寝ても眠いといった睡眠の悩みは主に4つのタイプに分けられます。大抵の場合、このうちのどれか1つではなく、複数のタイプが重なって現れます。
・「入眠障害」タイプ
ベッドに入ってもなかなか寝付けない。眠るまでに30分~1時間以上かかり、それを苦痛と感じる状態。シニア世代に多い。
・「中途覚醒」タイプ
睡眠中に何度も目が覚めて、その後もう一度眠ることができない。中高年以上に多く見られるタイプ。
・「早朝覚醒」タイプ
起きようとした時間よりも2時間以上早く目が覚める。シニア世代のほか、うつ病の人にも見られるタイプ。
・「熟眠障害」タイプ
睡眠時間は足りているはずなのに、ぐっすり眠った感じがしない、眠りが浅いと感じる状態。日中の眠気に悩まされる。

これらの睡眠の悩みが現れる原因は「メラトニン」という睡眠ホルモンの減少です。
睡眠には「セロトニン」と「メラトニン」という2つのホルモンが関わっています。朝、明るくなるとセロトニンの分泌が始まり、体が活動状態に切り替わります。そして、起床後約15時間後、日中に分泌されたセロトニンを材料として、メラトニンの分泌が始まり、徐々に睡眠に導かれていきます。
つまり、夜ぐっすり眠るためにはメラトニンが欠かせないのですが、残念ながら、メラトニンの分泌量は年齢を重ねるごとに減ってしまいます。赤ちゃんや子どもの間は睡眠時間が長いですが、高齢者はとても早寝早起きの人が多いですよね。これはメラトニンの分泌量が減るためなのです。
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