なぜ? じつは練馬区「どたばたラブコメ」の聖地 らんま・のだめ・うる星 いくつ知ってる?
ジャパンアニメーション発祥の地として知られる練馬区。じつは、この街を舞台にした「どたばたラブコメ」作品も数多く誕生しています。いったいなぜ? 有名作とともに理由を考えます。日本アニメ発祥の地・練馬 練馬区は、日本で初めて作られた劇場用のカラー長編アニメ『白蛇伝』(1958年、東映動画)や、30分連続テレビアニメ『鉄腕アトム』(1963年、虫プロダクション)が製作された、ジャパンアニメーション発祥の地。 『らんま1/2』2(画像:高橋留美子、小学館) 同区サイトによれば区内には約100社のアニメ制作会社が所在し、そのDNAは現在にも脈々と受け継がれています。 さらに、アニメ関連の事業者が集結した一般社団法人の「練馬アニメーション」が設立されています。 アニメ産業の振興やアニメの力を活用した、アニメ教室や区民イベントを開催。同区やアニメ業界を盛り上げていくことを目的として活動しています。 ぜひ訪れたい区内スポット ジャパンアニメーション発祥の地という練馬の歴史を体感できるスポットといえば、なんと言っても西武池袋線の大泉学園駅の北口にある「大泉アニメゲート」。 『鉄腕アトム』のアトム、『銀河鉄道999』のメーテル、『あしたのジョー』の矢吹丈、『うる星やつら』のラムといった、名だたる作品キャラたちのブロンズ像が設置されています。 ほかにも「ねりまアニメ年表」や「グラフィックウォール」があり、アニメの聖地・練馬をしっかりと体感することができます。 練馬が舞台、名だたる作品群練馬が舞台、名だたる作品群 そんな練馬を舞台にした作品は多くありますが、なかでも「どたばたラブコメ作品」が多いということをご存じでしょうか。 西武線と都営地下鉄が走る練馬駅(画像:写真AC) 一例ですが、 ・らんま1/2 ・のだめカンタービレ ・うる星やつら ・ハヤテのごとく! ・実は私は など。今回は、練馬にゆかりの深い三つの作品を紹介するとともに、なぜ練馬を舞台にした作品が多いのかについて考えます。 1. 『らんま1/2』『らんま1/2』は、主人公の早乙女乱馬と許嫁(いいなずけ)の天道あかねを中心に、乱馬を取り合うヒロインたちや、あかねを巡るライバルたちとの日常を描いた、ドタバタラブコメの代表格とも言える作品です。 最初のアニメが1989(平成元)年4月にスタートしてから、1992年に熱闘編が終了するまでに全161話放送され、劇場版やオリジナルビデも製作されるなど、長く愛されるアニメシリーズです。 乱馬が居候する、あかねの実家でもある天道道場は、練馬区の大泉学園にあるという設定。物語の大半で道場が登場することから、練馬とはとても深いつながりがあると言えます。 2. 『のだめカンタービレ』2. 『のだめカンタービレ』 のだめカンタービレは、天才指揮者と呼ばれる千秋真一と、同じ大学のピアノ科に通う野田恵(のだめ)の恋模様を描いた作品です。 正統派の純愛もの・音楽ものですが、一方でヒロインのだめの“奇行”も多く、その周囲に集まるキャラクターも個性豊かな人たちばかり。コメディー色も強く、そんな個性派な仲間たちにかき乱されていくふたりの恋模様は、まさにドタバタラブコメと言えるでしょう。 作品の主な舞台でもある「桃ケ丘音大」は、練馬区にある武蔵野音楽大(同区羽沢)をモデルにしていると言われており、最寄り駅である江古田駅には、メインキャラクターのイラストが。 実際に武蔵野音楽大に通う学生にとっては、本当に身近な作品だったのではないでしょうか。 3. 『ハヤテのごとく!』『ハヤテのごとく!』は、執事の主人公ハヤテとヒロインであるナギを中心としたラブコメ作品です。 借金の返済のために両親に売られてしまう主人公が、三千院家の令嬢であるナギにほれられて執事になるというストーリー。主人公の境遇だけを見れば少し重たい内容ですが、周囲の人たちとドタバタとした日常を送ることから、コメディー色も強い作品になっています。 またナギの住む三千院家は、実に練馬区の65%が敷地という設定になっており、練馬との関係性は深いです。 実際の練馬区は、広さが48.08平方キロメートルなので、その65%というと約31.25平方キロメートル! 同じ都内では府中市(29.43平方キロメートル)や日野市(27.55平方キロメートル)といった自治体よりも大きいことから、いかに広大な敷地の邸宅かがお分かりいただけるかと思います。 ちなみに憧れの高級地として知られる港区は、面積20.37平方キロメートル。港区の1.5倍以上の広さがある邸宅、ものすごい迫力です。 練馬区とラブコメ作品の親和性とは?練馬区とラブコメ作品の親和性とは? それにしてもなぜ、練馬区を舞台とした「どたばたラブコメ」作品はこのように多いのでしょうか。 考えられる理由としてはやはり、作者やアニメ関係者と練馬区とのつながりが深い点が挙げられます。 一例として挙げた作品全てではありませんが、『らんま1/2』と『うる星やつら』の作者である高橋留美子氏は長く練馬区に住んでおり、より身近な場所を舞台として選んでいます。 また『実は私は』のアニメ監督である山本靖貴氏は、原作で場所が限定されていなかった同作品をアニメ化する際に、自身が住んでいる練馬を舞台として選んでいます。 登場人物たちに親しみの湧くラブコメは、“どこにでもありそうな街”が舞台になっているケースが多数。そういう意味で練馬区は、東京23区でありながら庶民的な雰囲気もたたえる街としてラブコメにぴったりの舞台と言えるのかもしれ前ん。 ※ ※ ※ 練馬区の、どたばたラブコメの舞台としての一面を紹介しました。その下地には、多くのアニメ制作会社や原作者たちが集まり、日本が誇るアニメ産業を支える活動をしていることがあると考えられます。
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