「もてる」は遊郭で生まれた言葉だった! 『鬼滅』ブームのいま振り返る
2022年1月17日
ライフテレビアニメ『鬼滅の刃 遊郭編』で注目の集まる台東区の吉原エリア。そんな同エリアで使われていた言葉のなかには、今でもメジャーなものがあるのです。
アニメで注目を集める吉原遊郭
テレビアニメ『鬼滅の刃 遊郭編』が2021年12月5日(日)から放送され、話題を呼んでいます。今回、放送前から注目されていたのが舞台の吉原遊郭です。
吉原遊郭は江戸時代で唯一、幕府に公認された遊里でした。その始まりは1617(元和3)年、日本橋の葺屋町(ふきやちょう)に遊女屋を集めたこととされています。
そこから約40年後。1657(明暦3)年に発生した明暦の大火によって、現在の台東区日本堤へ移転。その後、一大社交場として大いににぎわい、文化や情報の発信地となりました。
『江戸時代のすべてがわかる本』(ナツメ社)によると、吉原のような遊里では、独特な言葉が使われていたといいます。そのなかには、なんと現代で使われているものもあるのです。
ということで、今回は私たちにとって身近な遊里の言葉を五つご紹介します。
1.もてる
最初に紹介するのは「もてる」という言葉。皆さんも
「女性(男性)にもてたいなぁ」
「もてる人はいいなぁ」
など何気なく使っていると思いますが、実は遊里から生まれたといわれています。

言語史研究者の杉本つとむさんの『語源海』によると、
「真意は、〈持てはやされる〉こと。遊女が客に好意を持ツ。客は遊女に好意をもって持テハヤサレル、すなわち、遊女に持テルコトが原義」
と解説されています。
もてるは、遊女から持てはやされることから来ていたわけです。当時のもてる男性の基準はいろいろあったと思いますが、そのひとつは職業でしょう。
江戸時代のもてる男の職業といえば、
・与力
・火消し
・力士
でした。
与力は町人を支配する町奉行の下で、行政・司法の仕事に従事。火消しは「火事とけんかは江戸の華」といわれる江戸で、人の目にとまることが多かったのでしょう。そして力士は、「一年を 二十日で暮らす よい男」と川柳によまれるほどでした。
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