八王子の住宅街に突如出現! かつての「田町遊郭」とは何か【連載】東京色街探訪(11)
2022年1月10日
お出かけかつて養蚕が盛んだった、東京都西部の八王子市。そんな同市にかつてあった遊廓の跡を、紀行ライターのカベルナリア吉田さんが歩きました。
巨大な駅ビルに驚く
八王子駅が、こんなに大きいなんて、知りませんでした。
縦よりも、むしろ横に大きい駅ビルの巨大ぶりにビックリ! そして駅前広場を隙間なく囲むテナントビル、ビル! そのほぼ全てに飲食店がギッシリ入り、思わぬ大都会ぶりに面くらいます。

ビルの向こうに、山並みのシルエットが辛うじて見えます。ここは東京の西の端、連なる山々は山梨県でしょうか。でも山並みに「郊外」を感じる以前に、とにかく駅ビルが大きくて、駅前にビルが多くて人も多いです。途切れず行き交う何百人もの人、人。
雑踏の隙間に横断幕が張られ「祝 日本遺産認定」の文字、認定内容は「霊気満山高尾山~人々の祈りが紡ぐ桑都物語~」。養蚕が盛んだった織物の街・八王子は、かつて「桑都(そうと)」と呼ばれました。そして都内での日本遺産認定は、八王子が初めてとのことです。
「まちなか休憩所 八王子宿」の案内板も立ち、誘われるまま駅から北西に延びる「西放射線ユーロード」を進んでみます。
突如現れた黒塀
「ドン・キホーテ」「築地銀だこ」などチェーン店と「八王子ラーメン」の店が並ぶなかに、歴史を感じる店構えの「都まんじゅう」も。甘く香ばしい饅頭の香りが、鼻先をくすぐります。横丁の路地に「中町」のノボリがはためき、ラブホテルがあります。路上に「コンパニオン募集中」の看板も。

そのまま中町を進むと、途中で店がひしめく狭い道「野猿街道」と交差。ユーロ―ドと違い、チェーン店はほとんどなく、古い店構えの小さな店ばかりです。中華料理屋にカウンターバー、スナック、ラウンジ、焼酎居酒屋、ビリヤード店、お茶漬け屋。
野猿街道を渡り、中町をさらに進むと――景色が変わりました。柳が茂り、狭い道に沿って黒塀が延びています――花街の黒塀? それにしては塀が新しく、キレイです。
道沿いに小さな居酒屋やスナックが並び「大人の隠れ家」の雰囲気です。一角に石造りの道しるべが立ち「中町」の2文字。さらに進むと、風格漂う1軒の家の入り口に――おおっ、「八王子三業組合」の表札が。
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