階段で東京タワーの「250m部分」まで上ったらどのくらい大変なのか?

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階段で東京タワーの「250m部分」まで上ったらどのくらい大変なのか?

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アメフト漫画『アイシールド21』で描かれた「東京タワー階段上り」。現実に行うとするといったいどのくらいキツいのでしょうか。

『アイシールド21』の舞台

『アイシールド21』は、2002(平成14)年から2009年まで週刊少年ジャンプで連載された、高校アメリカンフットボール部を描いた漫画です。

 物語の序盤、主人公・小早川瀬那(こばやかわせな)が所属する「泥門(でいもん)デビルバッツ」は弱小チームとして有名でした。しかし、欠点を抱えつつも何かひとつに秀でたメンバーが集まり、血のにじむような努力をして、チームは強くなっていきます。最終的には、全国大会の決勝戦・通称クリスマスボウル出場を目指していく、というストーリーです。

 作中に、泥門デビルバッツのキャプテンである蛭魔妖一(ひるまよういち)というキャラクターが登場します。蛭魔は非常に賢く、規格外な行動を取る破天荒な男です。

 ある夏の日、泥門デビルバッツは部員拡大のために入部テストを開催しますが、想像以上に入部希望者が殺到。そこで蛭魔は袋に入れた氷を持って、溶け切る前に「東京タワー」の特別展望台まで階段で上るという、「地獄の塔(ヘルタワー)」と呼ばれる入部テストを実施しました。

実際に上れるのは「150m」まで

『アイシールド21』の入部テストでは、蛭魔が東京タワーをまるごと貸し切るという規格外の方法で、「東京タワーの階段上り」を実現させました。

 では、実際に東京タワーを階段で上ることは可能なのでしょうか。

 東京タワー公式サイトによると、高さ250mのトップデッキまで階段で上ることはできませんが、高さ150mのメインデッキまでは階段で上ることができます。

東京タワーの「250m部分」(画像:写真AC)



 東京タワーが現在開催しているメインデッキまでの階段上り企画は「オープンエア外階段ウォーク」と称され、約600段の階段を上り続けるというもの。東京タワーから眺める東京の摩天楼は絶景です。

 また夜には夜景を楽しめるのはもちろん、ライトアップされた東京タワーを堪能できます。上り階段の途中には、東京タワーのマスコットキャラクターであるノッポン兄弟からのクイズ出題もあり、飽きることなく上れるので気になる方はぜひ参加してみるといいでしょう。

消費カロリーから考える

『アイシールド21』の入部テストでは250mの展望台まで上る必要がありましたが、体力に自信を持つ男子高校生は次々にリタイアしました。では、150mまで上るオープンエア外階段ウォークはどれほど過酷なのでしょうか。

 厳しいのか――と思いきや、実はそれほどでもなく12~13分程度で上りきれそうです。幼稚園児くらいの子どもでも15分もあれば上れるようなので、過酷度合いで考えると「いい運動」といった程度でしょうか。

 北海道の旭川市が発表している「階段用消費カロリーステッカー」によると、階段1段あたりの消費カロリーは「0.1kcal」です。オープンエア外階段ウォークは約600段の階段を上ることになるので、計算すると60kcal分の運動になります。

 これは体重50kgの人にとっての

「ジョギング10分間」

とほぼ同等の消費カロリーです。ここからもそこまで過酷ではないと言えます。

東京タワーのメインデッキとトップデッキ(画像:TOKYO TOWER)



 ただし『アイシールド21』の入部テストでは、高さ250mまで上っているので、単純計算で1000段の階段を上ることになります。この場合は、先の計算に基づくと100kcal分の運動と判断できます。

 こちらは体重50kgの人が

「10分間バタフライで泳ぎ続ける」

のとほぼ同等の消費カロリーです。

 あくまでも消費カロリーのみの考え方ですが、東京タワーのメインデッキまでを階段で上ることが、どれくらい過酷であるかを想像する基準になります。

 普段から運動していない人にとっては、オープンエア外階段ウォークはいい運動程度ですが、『アイシールド21』の入部テストは過酷、と言えるのではないでしょうか。

 ちなみに、オープンエア外階段ウォークでメインデッキまで階段で上ると「ノッポン公認 上り階段認定証」という非売品を受け取れます。思い出作りにももってこいですね。ただし、階段の利用中はエレベーターに乗ることができないのが注意点。しっかり準備運動をして、けがをしないよう挑みましょう。

「東京タワー階段上り」にかかる料金と開放日

 階段上りにかかる料金は通常の展望料金と同じです。階段で上れるメインデッキまでは、

・大人:1200円
・高校生:1000円
・小中学生:700円
・4歳以上の子ども:500円

で入場可能。高さ250mのトップデッキまで入場するとなると、

・大人:2800円
・高校生:2600円
・小中学生:1800円
・4歳以上の子ども:1200円

ですが、こちらは当日に窓口でチケットを購入する場合それぞれプラス200円かかるので注意しましょう。

 9月までは開放されていない日もありましたが、10月からは毎日10時から21時までの間は開放されています。午前中やお昼に上れば東京の街を一望できますし、日没後なら夜景を楽しめる、ということで何時ごろに上るかも悩ましいところでしょう。

 ちなみに、「東京タワーバンジーVR」というアトラクションがメインデッキで現在開催されています。毎週土日および祝日の10時から18時限定で実施されており、事前予約制です。

「東京タワーバンジーVR」(画像:ロジリシティ)



 VRゴーグルを装着し、体験装置で身体を反転させることで、本当のバンジージャンプのような体験ができると評判です。階段で10分以上かけてゆっくり上ってきた高さから一気に飛び降りれば、よりスリリングな体験になるかもしれません。

下るときには「Identity V」コラボを堪能

 また、2021年10月限定で東京タワーは大人気ゲーム「Identity V」とのコラボイベントを開催しています。

 Identity V(正式名称「Identity V 第五人格」)は、主にスマホで遊ぶ対戦ゲームです。ホラーテイストでありながら、どこかかわいらしさを感じさせるデザインがファンの心をつかんでいます。またスリリングなゲーム性は話題を呼び、全世界でユーザー数2億人を突破しています。

「Identity V」(画像:トラストトウキョウ)

 先ほど紹介したオープンエア外階段ウォークの楽しみ方は、上り階段だけではありません。下り階段も利用でき、そこではIdentity Vコラボイベントの一環として、イラストパネルが展示されているのです。上りでは風景を、下りではIdentity Vの世界を楽しむのは、2度おいしいお得な計画でしょう。

東京タワーは階段で上るとより充実

『アイシールド21』のファンにとっては、泥門高校のキャラクターと同じ場所を堪能できるので、600段の階段も楽しく上れるかもしれません。もちろん、東京の美しい景色を少しずつ高い位置から眺めていくことができるのもすてきなポイントです。

 メインデッキではVR体験を、下りでは「Identity V」コラボを堪能すれば、最初から最後までたっぷり充実したお出掛けになるかと思います。

「オープンエア外階段ウォーク」(画像:TOKYO TOWER)



 また東京タワーは、コロナウイルス感染拡大防止にも取り組んでおり、館内設備の消毒や、アテンダントおよびスタッフの健康管理を徹底。3密回避対策実施の証明として、「新型コロナウイルス対策店舗」に認定されています。

 緊急事態宣言も10月から解除されているので、様子を見て、東京タワーを訪れてはいかがでしょうか。

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