第1回「ロシアフェス」開催! 本場の味を代々木で満喫 ワインもビールもある!
代々木公園で、初の「ロシアフェス」が開催されます。どんな「食」を楽しめるのでしょうか。同フェスの主催者に聞きました。ロシア料理は「日本人の口に合う味わい」 日本の隣国のひとつであるロシア。 2016年12月の日露首脳会談で、2018年は、両国民同士の交流を広げるための「日本におけるロシア年」「ロシアにおける日本年」に決まりました。そのため2018年は特に、多くのロシア関連イベントが開催され、ロシア文化と触れ合う機会が増えています。 ロシアの観光名所のひとつ、モスクワの「赤の広場」にそびえ立つ「聖ワシリイ大聖堂」(画像:写真AC) 2018年11月24日(土)25日(日)には、代々木公園のケヤキ並木で「ロシアフェス」が開催されます。土日を中心に、さまざまな国のフェスが行われる代々木公園ですが、ロシアのフェスは今回がはじめて。 ですが、そもそもロシア料理って具体的にどんなものなのでしょうか。ボルシチ? ピロシキ? それ以外にももっと広大な世界があるはず。 知られ始めている一方で、まだまだ知らないことも多い、ロシアの食にまつわる話を聞きました。フェスの主催者、大森さんによると「ロシア料理は、比較的日本人の口に合う味わいのものが多い」のだそうです。 ロシア料理、どんな種類がある? ロシア料理の名前で聞かれる機会が特に多いのが「ボルシチ」と「ピロシキ」ではないでしょうか。 真紅が印象的なスープ「ボルシチ」は、実はもともとはウクライナの郷土料理。ロシアの多くの地域で親しまれています。大まかにいうと、日本にとっての「味噌汁」のようなもので、地域や家庭ごと、入れる具材が異なるといわれます。 ロシア料理の定番だが、もともとはウクライナの郷土料理「ボルシチ」。写真はイメージ(画像:写真AC) 主な具材は、玉ねぎ、にんじん、キャベツ、お肉など。仕上げにスメタナ(ロシアのサワークリーム)を載せ、混ぜて食べることが多いです。 独特の色合いをつくりだすのは、真っ赤な野菜「ビーツ」。切るときに、まな板や包丁が赤く染まるくらい鮮烈な色素を持った野菜ですが、見た目ほど味のクセは強くありません。 ビーツを切ったところ。内側は鮮やかな赤紫色をしている(画像:写真AC) そして、実は定義が広いのが「ピロシキ」。東欧を発祥とする「惣菜の入ったパン」なのですが、中身は、肉、野菜、たまご、チーズ、フルーツなど多岐にわたり、パンの生地も、揚げたり、焼いたり、パイ生地のようになっているなど、かなり幅広いといいます。 ロシアフェスでも、ボルシチとピロシキ、この基本の2品をそろえるとのこと。そのほか、餃子のような「ペリメニ」や、薄いクレープのような「ブリヌイ」なども出店予定といいます。 「ほかにも何か、おすすめはありますか?」と大森さんに聞いてみたところ「シャシリク」の名前がでました。 漬け汁にも秘密が! ロシア風BBQ「シャシリク」とは?漬け汁にも秘密が! ロシア風BBQ「シャシリク」とは? シャシリクとは、ロシアのバーベキューのようなもので、ハーブたっぷりのマリネ液に一晩浸したお肉を、串刺しにして焼いた料理だといいます。 「シャシリク」を焼いているところのイメージ(画像:写真AC) さらに「ロシア料理とは、一言でいうと、どんな料理なのでしょうか?」と投げかけたところ、一言でいうのは難しいとしつつも「西洋料理の影響を受けていますね」と大森さん。 かつて、フランスなど、ヨーロッパとの間を往来していたというロシアの食文化。たとえば日本に中国からの影響でラーメンや餃子があるように、西洋の影響を受けているのだといいます。 相性抜群! ウォッカと塩辛いフィンガーフード 今回特に楽しんでほしいのが、手でつまんで気軽に食べられる「フィンガーフード」の数々だと大森さんは話します。 「ロシアには、ウォッカに合う、見たことも聞いたこともないような食べ物がたくさんあるんです」(大森さん) ロシアに訪れた際、そんなフィンガーフードを食べながらウォッカを飲んで、感動を覚えたといいます。 「そのときまでは、ウォッカに対して、パーティーの罰ゲームで飲むお酒という印象を持っていたんです。アルコール度数の高いお酒なので。でも、現地で飲んでみたら、全くそんなことはない。最高だと思いました」(同) たとえば「サーロ」という豚肉の脂身の塩漬け。塩っけが強く、しかも脂。「でも、これにウォッカと合わせるとたまらないんですよ」と話します。 ビールもワインもある! とはいえ、ウォッカは強いお酒なので、飲む人を選んでしまう部分もあるでしょう。もう少しアルコール度数を抑えたい場合におすすめなのは、ビールやワイン。ウォッカの印象が強いロシアですが、ほかのお酒も、日常的に飲まれているといいます。 「ビールは『バルティカ』が多く出回っています。周囲の日本人にはわりと好評で、麦の味わいがしっかりします」(同) 日本では老若男女問わず飲まれるビールですが、ロシアでは年配男性が好んで飲むことが多いのだそう。若い女性が好んで飲むのは、ワインだといいます。 「種類が複数あるので一概には言えないのですが、比較的、初心者でも親しみやすい味のワインだと思います」(同) ロシアには、国内産のワインもある(画像:写真AC)ロシアフェス開催のきっかけは「日頃からの種まき」ロシアフェス開催のきっかけは「日頃からの種まき」 そんなロシアフェス、なぜ開催されることになったのでしょうか。「まさか、こんな展開が起こるとは、そもそも、こんなにロシアに関わることになるとは、3年くらい前までは、全く想像していませんでした」と大森さんは話します。 ロシアと関わり始めたきっかけは、日本のアニメ文化が好きな、ロシア人コスプレイヤーと知り合ったことに始まります。次第に、彼女たちが日本に留学することになった折、「サポートをお願いしたい」と連絡が来るようになり、手助けをするようになったとのこと。 「賃貸物件を探す際に、外国人というだけで、受け入れてくれない大家もいます。その際に保証人になったりすることもありました。さらに、日本語がままならないと、アルバイトを見つけるのも難しい。オタクな彼女らが、日本語に慣れないうちでも始められる仕事はないだろうかと考えた結果、ロシア人コスプレイヤーによるメイド喫茶『ItaCafe』にたどりつきました」(同) 「ItaCafe」は、クラウドファンディングで資金を募り、2016年に早稲田にオープン。複数のメディアが取り上げるなど、大きな話題を呼びました。 フェスの開催については、2年くらい前から漠然と考えていたものの、代々木公園はイベントスペースの最難関ともいえる場所なため、手慣れたイベンターさんがいないと、難しいと考えていたそうです。 そのため、大きなイベントを動かしているイベンターさんと知り合うごとに「イベントやりたいんですよね」と、まずは、展望を口に出すようにしていたとのこと。 事態が動いたのは2018年の夏ごろ。11月24日(土)25日(日)に代々木公園でイベントを開催する予定の団体「ファッションアートイベント」の担当者と知り合い、ロシアの話をしたところ、スペースを利用してOKとの話になり、開催が決まりました。 「話がまわりにまわって、ふっとやってきました。種まきをしていたことがつながったのかもしれません」(同) 最近では、外務省からの依頼で、日露交流事業の取りまとめ役を担うなど、ロシア関連の仕事の幅が広がっているという大森さん。フェスが終わったあとは、現在移転先を探し中の「ItaCafe」の再オープン作業にとりかかるそうです。 ロシアの民芸品「マトリョーシカ」(画像:写真AC)「ItaCafe」は、たくさんのロシア美人に出会えるカフェですが、ロシアフェスにも、ロシア美人たちが集合。そのほか、ロシアの音楽、歌、踊り、ファッション、民芸品の展示や販売を行う予定といいます。 冬が近づきつつある11月の週末、冬が長い国ロシアの文化と触れ合ってみるのはいかがでしょうか。 ロシアフェスの開催概要(画像:ItaCafe)●第1回「ロシアフェス」 ・開催日時:2018年11月24日(土)25日(日) ・会場:代々木公園ケヤキ並木 ・住所:東京都渋谷区神南1-5-11 ・アクセス:各線「明治神宮前駅」から徒歩10分、JR「原宿駅」から徒歩10分、千代田線「代々木公園」駅から徒歩12分 ・開催時間:12:00~17:00 ・入場料:無料 ※同日に同会場で、ファッション・アートイベント「BE Vint-Age 2018」を開催しています。
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