パンダの可愛らしさ、ちゃんと理由があるんです。 上野動物園に聞く、その体格と成長
ジャイアントパンダの子供「シャンシャン」の愛嬌ある姿をひと目見ようと、上野動物園のパンダ舎には連日多くの人が集まります。人の心をひきつけるパンダの姿かたちや動作には、その食べ物や習性などが関係しているといいます。上野動物園にお話を聞きました。観覧列に並べば、シャンシャンに会える 上野動物園の名物といえば、やっぱりかわいいジャイアントパンダ。2017年6月に赤ちゃんパンダ「シャンシャン」が生まれたことで、上野動物園のパンダはますます注目を集めています。2018年9月現在、上野動物園ではシャンシャンとその母親の「シンシン」、そしてシャンシャンの父「リーリー」の観覧ができます。 上野動物園で2017年に生まれたシャンシャン(右)と母親のシンシン(左)。ともに同じ飼育舎で生活している(画像提供:公益財団法人東京動物園協会) 整理券の配布などはなく、観覧列に並んで待つだけでシャンシャンたちに会えるのですが、シャンシャンのかわいらしい姿をひと目見ようと集まる人はたえず、ピーク時には2時間待ちの行列ができるほどの人気ぶりです。 パンダの愛らしい姿や動作は人の心をひきつけて止みませんが、そもそもパンダはなぜこんなにかわいいのでしょうか? 上野動物園に聞いたところ、「かわいい」の理由は人それぞれであるとしつつも、人に「かわいい」と感じさせるパンダの体格や仕草などは、その成長や食習慣などと深い関わりがあるといいます。 大人になっても「赤ちゃん体型」エサの竹を食べるシンシン(画像提供:東京動物園協会) パンダの身体の大きな特徴は、大人になっても頭が大きく丸顔で、全体的に「赤ちゃん体型」に見えることです。 「パンダはクマの仲間ですが、他の肉食のクマと違って、竹を主食としています。竹はとても固く、ものをかむ力が必要になるので、あごを動かす筋肉が顔の周りからこめかみ、頭頂部まで発達しています。このように顔を取り囲むように筋肉が発達することで、結果的にパンダの頭が大きく、丸顔に見えると考えられます」(上野動物園) パンダの親子の体型を比較できる写真。左がシャンシャン、右がシンシン(画像提供:東京動物園協会) そのほか、頭部だけでなく身体全体が丸型で、身体が柔らかいのもパンダの特徴だといいます。クタクタとしたパンダの仕草はかわいらしさを感じさせますが、木登りをするうえでこの柔らかい身体が好都合だと考えられているそうです。 1歳になったシャンシャン、今後の成長は1歳になったシャンシャン、今後の成長はシャンシャンは成長にともない、頻繁に木登りをするようになってきたという(画像提供:東京動物園協会) シャンシャンは上野動物園で自然交配によって生まれ、順調に成長している初めてのパンダです。2018年6月に1歳の誕生日を迎え、周囲にあるものに興味を持ちながら元気に遊びまわったり、母親のシンシンにじゃれついたりして過ごしています。 「これからは、遊びや木登りなどを通じて大人の身体の動きをどんどん体得していく時期になります。乳離れも始まっていて、リンゴやタケノコなどを少しかじったりしています。7月中旬頃からは竹の葉も食べ始めているようです。食事は1歳半から2歳頃にかけて、固形物に移行していくことになるでしょう」(上野動物園) 順調に成長しているシャンシャン。飼育舎内のいろんなものに興味を持ち始めている(画像提供:東京動物園協会) 元気に育っているシャンシャンはこれからも注目を集めていくことになりそうです。母子いっしょに暮らす日々の様子は、上野動物園の公式サイトでもライブカメラ映像で見ることができますが、一般公開の時間に間近で見てみるのもおすすめです。パンダ独特の体格や動作、ものをかむ時の動きなどに注目して観察するのも面白いかも知れませんね。 ●東京都恩賜上野動物園 ・住所:東京都台東区上野公園9-83 (上野公園内) ・交通アクセス(パンダ舎が近い表門まで):JR上野駅「公園口」から徒歩5分、東京メトロ銀座線・日比谷線「上野駅」7番出口から徒歩12分 ・入園料:一般600円、中学生200円(都内在住・在学の中学生は無料)、小学6年生以下は無料 ・休園日:月曜日(月曜日が祝日や振替休日、都民の日の場合はその翌日)、12月29日~翌年1月1日 ・電話:03-3828-5171 ※パンダ舎の観覧は9:30〜17:00、観覧列は16:00に締め切りとなります。 ※掲載情報は記事公開時点での情報です。
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