ネギで覆われて麺が見えない! 東京都内の「マイナーご当地ラーメン」5選

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ネギで覆われて麺が見えない! 東京都内の「マイナーご当地ラーメン」5選

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樫山綾乃

グルメライター

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星の数ほどラーメン店がある東京。他店との差別化を図るべく、どの店もひとひねりを加えていて店舗ごとにオリジナリティーを味わえるのが醍醐味(だいごみ)のひとつ。今回はレアなご当地ラーメンを五つ紹介します。

小規模な都市にも魅力的なラーメンはたくさん

 ラーメンは日本各地でさまざまなアレンジが加えられ、定着しています。今や札幌の味噌ラーメンや博多の豚骨ラーメン、横浜の家系ラーメンなどは全国どこでも食べられるほどになりました。

 札幌や博多、横浜はいずれも大都市。多くのが行きかうなか、全国区へ広がっていったと推測できます。また、インスタントラーメンの販売によって知名度が上がったケースや、横浜のラーメン博物館への出店が契機となり、東京で定着したというケースもあります。

 一方、もっと規模の小さい都市のラーメンは一般に存在すら知られていません。どの地域のラーメンも魅力があり、知らないままではもったいないこと間違いなし。

 ということで、今回は都内で食べられるマイナーなご当地ラーメンを5選ご紹介します。

1.和歌山ラーメン「まる岡」

 ラーメン激戦区のひとつである亀有の「まる岡」(葛飾区亀有)は和歌山名物の、とろみある豚骨醤油ラーメンを提供しています。

「まる岡」の和歌山ラーメン。ネギで覆いつくされた麺やほかの具が見えない(画像:樫山綾乃)



 同店は3種のラーメンを提供していますが、一番のおすすめは定番ネギラーメン。麺やほかのトッピングが見えないほど、九条ネギが敷き詰められています。全部食べても臭いがほとんど残らず、後の用事を心配する必要はありません。

 ネギの量を減らすこともできますが、せっかくなら通常の量にして白ごはんで締めるのがおすすめです。

 スープもまた絶品で、口当たりはまろやかで雑味がなく、完成度の高い仕上がりです。なお、定番ネギラーメンにコチュジャンを混ぜたピリ辛ラーメンも提供。一度目にネギラーメンを食べ、次は辛さを足したピリ辛ラーメンにして、味比べをしてみても面白いかもしれません。

2.天理ラーメン「麺旨のほんわか」

 京王井の頭線三鷹台駅のすぐ近くにある「麺旨のほんわか」(三鷹市井の頭)は都内では唯一、奈良の天理ラーメンを提供しているお店です。

「麺旨のほんわか」の天理ラーメン。見た目は真っ赤だがおいしく食べられる辛さ(画像:樫山綾乃)



 具材は天理ラーメン定番の白菜やニラ、豚バラ肉。スープにはトウバンジャンを使用しているほか、にんにくの味が利いており、スタミナ系の味付け。真っ赤な見た目のスープですが激辛ではなく、おいしく食べることができるレベルです。生卵を追加すれば、まろやかな口当たりに大変身。

 店名に「麺旨」と付くだけあり、麺のおいしさも格別。中細のストレート麺で、つるつると食べることができます。柔らかめのゆで具合ですが弾力がちゃんとあり、食べ応えのある麺です。

3.函館ラーメン「五稜郭」

 北海道のラーメンと聞くと、真っ先に思いつくのは札幌の味噌ラーメンではないでしょうか。実は広い北海道には多くのご当地ラーメンが存在し、道南エリアを代表するのは、函館の塩ラーメンです。

 ラーメン激戦区のひとつである荻窪の「五稜郭」(杉並区天沼)では、函館出身の店主が作る函館ラーメンを食べられます。

「五稜郭」の函館ラーメン。透き通ったスープで優しい印象(画像:樫山綾乃)

 スープのベースは昆布や魚介などの乾物で、その色は透き通っています。魚介のうま味がたっぷりしつつもあっさりなので、飲み干せてしまいます。北海道らしいトッピング、がごめ昆布を入れれば粘り気が出て、また異なる口当たりを楽しめます。

 麺の硬さは選べず、柔らかめで提供。柔らかめとはいえコシはしっかり残っており、歯ごたえがあります。ラーメンは好きだけど小食な人や、あっさり目のラーメンが好きな人におすすめのお店です。

4.徳島ラーメン「うだつ食堂」

 徳島ラーメンの専門店「うだつ食堂」(新宿区西早稲田)の店内には徳島の時刻表やポスターが飾られており、徳島の雰囲気が楽しめます。

「うだつ食堂」の徳島ラーメン。スープの色は茶色(画像:樫山綾乃)



 徳島ラーメンは茶、黄、白の3種類のスープがありますが、うだつ食堂では茶色を提供。豚骨ベースに醤油を加えた濃いめの見た目で、甘みが感じられます。濁ったような見た目ですが、すくってみると意外とさらさらとしています。

 卓上にはすだち酢が置いてあるので、たっぷり入れてさっぱり味に変えてみるのもおすすめです。

 なお、徳島ではごはんのおかずとしてラーメンを食べるのが一般的。そのため、トッピングとしてのっている薄い豚バラ肉はごはんのお供に最適です。白ごはんが100円なので、ぜひ一緒に食べてみてください。

5.鹿児島ラーメン「ザボン」

 B級グルメの聖地・神保町にある「ザボン」(千代田区神田神保町)は、鹿児島の豚骨ラーメンを提供しています。

「ザボン」の鹿児島ラーメン。野菜が多くのっていることが特徴(画像:樫山綾乃)

 鹿児島ラーメンはほかの九州のラーメンと同様、豚をベースとしています。ザボンではスープの出汁には豚ガラ、豚足、鶏もみじの3種をぜいたくに使用。また、麺は豚骨ラーメンにぴったりな細麺を使用しています。

 ほかの九州のラーメンと異なる点は、野菜が多くのっていること。シャキシャキとして食べ応えがあり、箸休めができます。

 また、ザボンでは醤油味か味噌味かを選択することができます。どちらを選んでもまろやかで、揚げ玉ねぎと合わさることで口のなかに甘みが広がります。定番の博多ラーメンに飽きてしまったら、ほかの九州ラーメンと似て非なる鹿児島ラーメンを試してみてはいかがでしょうか。

※ ※ ※

 今回は東京都内で食べられる、ちょっとニッチなご当地ラーメンをご紹介いたしました。地方へ旅行へ行かなくても、都内でおいしいご当地ラーメンを食べることができるので、気になったお店へぜひ足を運んでみてください。

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