江戸終幕ミステリ― 新政府の「廃藩置県」に大名たちが大して抵抗しなかった理由とは

260年余りにもわたっ手続いた江戸時代。そのダイナミズムを知ることのできる1冊『江戸時代』(大石慎三郎、中公新書)について、ブログ「山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期」管理人の山下ゆ さんが紹介します。


江戸期ならではのダイナミズム

 現在の東京の基礎を形づくっただけではなく、日本の社会に大きな影響を与えている江戸時代について、さまざまなことを教えてくれる本が大石慎三郎『江戸時代』(中公新書)です。

 1977(昭和52)年に初版が発行されたもので、「新書」というには「古い」本かもしれませんが、今なお、私たちが持つ江戸時代のイメージを揺さぶってくれる内容となっています。

江戸城御天守絵図(画像:国立公文書館デジタルアーカイブ)

 まず、江戸時代というと、織田信長や豊臣秀吉の頃に比べて「停滞」した時代だったというイメージがあるかもしれません。 

 しかし、少なくとも国内経済に関してはまったく違います。江戸時代の前半は、空前の「大開発時代」であり、河川に対する大規模な治水工事が行われ、今まで洪水によって耕作が不可能だった大河川の下流の平野が生産力豊かな水田地帯に生まれ変わりました。

 それまで江戸湾に流れ込んでいた利根川を銚子方面に流す利根川の東遷(とうせん)事業をはじめ、北上川、常願寺川、木曽川、筑後川などで大規模な河川の改修が行われています。

 平安中期(930年頃)に86万2000町歩だった耕地面積は、室町中期(1450年頃)になっても94万6000町歩に過ぎませんでした。ところが、江戸時代が始まる1600年頃には163万5000町歩、さらに江戸時代中期の1720年頃には297万町歩へと急激な伸びを見せています。

新田開発、洪水頻発、品種改良


【画像】江戸期の貴重な図画資料(3枚)

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