エヴァが流行った1995年は全てが暗かった――『劇場版』大ヒットが問う、令和日本の行方とは
2021年4月1日
ライフ累計興行収入が60億を突破し、現在話題のアニメ映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』。そんな映画のルーツと言うべき同シリーズが始まった1995年について、フリーライターの出島造さんが振り返ります。
これまで議論されてきたエヴァ
2021年3月8日(月)に公開されたアニメ映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の累計興行収入が60億を突破し、話題となっています。
そんなエヴァンゲリオンですが、テレビアニメ版が始まったのは今から25年以上前の1995(平成7)年10月4日から。謎が謎を呼んだ作品は、1996年3月27日に伝説の最終回を迎えています。それ以降、ファンの間ではその内容を巡って、さまざまな議論が交わされ、や考察されてきました。
なぜファンたちはあんなにも語り合ったのでしょうか。この記事では当時の出来事や流行を振り返り、これからさらに盛り上がるであろう『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の考察材料を提示します。
「戦後最大の暗い年」だった1995年
テレビアニメ版が始まった1995年は、「戦後最大の暗い年」と言われた1年でした。

1月17日に発生した阪神・淡路大震災は、テレビを通してリアルタイムで被災現場を目にする体験を日本人にもたらしました。この未曾有(みぞう)の大災害は、被災地から離れた東京にも大きな衝撃を与えました。
そんな混乱も覚めやらぬなか、東京を揺るがせたのが3月20日に発生した「地下鉄サリン事件」と、同月22日のオウム真理教への強制捜査の開始です。
報道は連日、オウム真理教一色となりました。当時、不況は既に深刻で、日本の先行きは不安視されていました。それでも1994年までは、景気はいずれは回復するといった楽観論がなんとなく存在していました。
しかし、この災害と宗教テロは日本人が素朴に信じていた「安全神話」を一気に崩壊させたのです。
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