新宿区「大久保」の名前の由来を知ってる? 駅周辺は平地なのに、なぜ「くぼ」なのか【連載】東京うしろ髪ひかれ地帯(10)
2021年2月14日
知る!TOKYO国際色豊かな新宿・大久保。このエリアの地名の由来について、都内探検家の業平橋渉さんが解説します。
謎に満ちた「大久保」の由来
新宿区の大久保近辺には独特の異国情緒が漂います。かつて歌舞伎町から大久保までを夜歩くのは少々ためらわれましたが、今ではすっかり平和な雰囲気です。
さて大久保は1丁目から3丁目までありますが、その地名の由来は謎に満ちています。調べてみたところ、説はいくつかあることが分かりました。

地形散歩ライター・内田宗治さんの著作『地形を感じる駅名の秘密 東京周辺』(実業之日本社、2018年)では、
・北条氏家臣の太田新六郎の寄子衆(配下)だった大久保氏に由来
・新宿7丁目にある永福寺の山号の大久保山に由来
・この地に屋敷があった百人組同心の大久保氏に由来
・東大久保村と西大久保村の境にあった大きな窪(くぼ)みに由来
の四つをあげています。
また民俗研究者の筒井功さんの著作『東京の地名:地形と語源をたずねて』(河出書房新社、2014年)では、大久保氏の所領由来と窪地由来のふたつの説があるものの、不詳としています。
そのほかにも由来を論じている文献はありますが、説は
・名前由来
・地形由来
のどちらかに大別されます。
大久保と百人町
しかし地形由来とした場合、疑問が湧いてきます。
なぜなら、JR山手線「新大久保駅」、中央線「大久保駅」ともに駅を降りても、その周囲は平地だからです。

新大久保駅も大久保駅も所在地は百人町1丁目。地名としての大久保はその東側にあり、加えて、多くの人が普段「大久保」として認識しているエリアは、その大半が百人町なのです。
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