「アム活」「なんちゃってダンス」2018年インスタ流行語が決定、動画共有アプリ背景に
2018年にインスタグラムで流行ったハッシュタグの「流行語」が発表されました。その背景には、あの動画共有アプリの存在などがありました。注目度の高いハッシュタグ20語を選出 近年幅広い年齢層の人たちが使い始めたことで、さらなる盛り上がりを見せる写真共有アプリ「インスタグラム(Instagram)」。そんなインスタグラムの2018年の流行語が11月12日(月)、発表されました。 インスタグラムは若い女性を中心に人気を集めている(画像:画像AC) 発表したのは、SNSマーケティングを手掛けるパスチャー(港区虎ノ門)です。流行語は、インスタグラムで使われている約40万語のハッシュタグのなかから、Googleでの検索数が多いものや注目度の高いものなど、計20語が選ばれました。数値の測定は同社が運営するメディア「Petrel(ペトレル)」を使って行われました。 選ばれた20語とパスチャーによる解説は次のとおりです。 2018年、話題になったものといえば、TikTok(ティックトック)。TikTokとは、音楽に合わせてダンスや自撮りなどの動画を撮影し、更に加工して共有するリズムアプリのこと。そんなTikTokでブームとなったのが、「なんちゃってダンス」という踊りです。 「いいアゴ乗ってんね」という言葉も、TikTokの動画から来ています。手の平にアゴを乗せる仕草がインスタ上でもブームに。 「広告で有名になりたい」というワードもTikTokなどの影響で誕生したワードといえます。TikTokなどのSNSを通じて有名になりたいと思っている若者が増えいてると考えられるでしょう。 2018年、安室奈美恵さんが引退することが大きな話題となりましたが、それによって生まれた言葉が「アム活」。「アム活」とは「安室奈美恵さんの芸能界引退に合わせて購買活動などをして応援する活動」の略。聖地として、最後のライブ会場の沖縄や広告が多く出ている渋谷などを訪れ、その様子をインスタグラムに投稿する人が多く見られました。 「3150」とは「最高」を数字で表したもの。亀田史郎さんがブログやYoutube(ユーチューブ)で発言したことが元ネタとなっています。若者は最高な日だったという意味で投稿にハッシュタグを使用しています。 最新の乾杯の合図である「カントゥーヤ」。関西地方から始まった乾杯の合図で、「飲料をかかげよ!カントゥーヤ!」と言って乾杯することが若者の間で流行っています。YouTuber(ユーチューバー)の東海オンエアが使っていることで、知名度が一気に上昇しました。 フッカルとは、「フットワークが軽い」という意味の若者ことば。インスタで友達と遊んだときに投稿につける人が今年は多く、フッカルの意味を調べる人も多くいました。 3150とともに、最高という意味の「さいくぅー」もハッシュタグとして使用される頻度が高まった印象。最高という言葉をあえて使用せず、ほかの言葉でわざわざ言い換えているのが若者文化といえるでしょう。 ドッキリなどでよく聞く効果音「テッテレー」が2018年、ハッシュタグとしてたくさん使用されました。ここまで流行したのは「パントピスコの本当にくだらない個展」で「テッテレー」と書かれたブースが人気だったのが理由といえます。 TikTokで流行している曲のタイトルから来た「一生パリピ」も流行中。一生遊んでたい!という意味合いで、ハッシュタグとしてつける人が急増しました。 金曜日といえば、「花金」のイメージがあると思いますが、今年ブームになったのは「金晩」というワード。花金は若い子たちにとってはもはや死語といわれており、これからは金晩の時代が来ると思われます。 「きょコ」とは「今日のコーデ」の略で、今年たくさんの画像にハッシュタグがつけられました。オシャレ女子達はインスタでコーディネートを載せて、「#きょコ」を付けるのが当たり前になりつつあります。 お弁当の写真をインスタに投稿するとき、「#お弁当」だけではなく、「#オベンタグラム」というハッシュタグをつける人が急増。お弁当のメニュー何にしよう……と迷ったときにオベンタグラムで検索するのもおすすめです。 風景などの写真に「#けしからん風景」というハッシュタグをつけることもじわじわと広がってきました。けしからん風景とは、けしからんほど素敵な風景という意味があります。絶景を見に行きたい!というときは「#けしからん風景」で検索するのがおすすめです。 けしからん風景と同様の意味で使われているのが「どんつき同盟」。どんつき同盟とは「“どん!”と突き当たったような綺麗な風景」という意味のハッシュタグです。思いがけない出会いで見つけた素敵な風景に、使用する人が急増し、ブームとなりました。 インスタグラム上で、女子高生たちが体育祭などで可愛くアレンジしたメガホンを持つのがブームとなりました。そんなメガホンを水鉄砲を使って作る「水鉄砲メガホン」が話題に。お気に入りのキャラクターや自分の名前のロゴを貼りつけて、可愛く仕上げて投稿しています。 イマドキの女子高生の間ではプリクラをさらにアプリで加工して「ネタプリ」にするのが流行中。プリクラの落書き機能だけにとどまらず、加工する方法を編み出し、ハッシュタグ「#ネタプリ」をつけてインスタに投稿しているのです。ネタプリのやり方もたくさん検索されていることから、インスタ投稿を見本に真似しやすいことで流行っていることが分かります。 数年前からHIPHOP用語の「Chill out(チルアウト)」から派生した「チル」というワードがよく使われていますが今年は、「チル友」が話題に。チル友とは一緒にまったり過ごしたり、くつろいだりする友達のことをいいます。 「フリクロ」とは、「フリピエクロージング」の略称で、古着を使ったコーディネートのことを指します。「#フルジョ」とともに、古着コーデには「#フリクロ」のハッシュタグが使用されています。 モニグラとは、モーニンググラムの略、ヨルグラとはヨルグラムの略。朝早く起きて朝活したこと、夜遅く夜活したことをインスタで投稿するときに使用されているハッシュタグ。朝早く勉強したときや、夜遅くまで勉強したときに勉強垢といわれる学生が使用している印象です。 造語の背景に「人びとの自己顕示欲」造語の背景に「人びとの自己顕示欲」 これらの言葉が選ばれた背景について、パスチャーの担当者は次のように話します。 「ハッシュタグはこれまで、出かけた場所やお店の名前などが多かったのですが、2018年は造語がトレンドになりました。これまであった言葉の言い回しを変えて造語を作ることで、インスタグラムユーザーが自分の世界観を表現するようになったのです。ひとことで言えば、自己顕示欲が増したということ。その流れを動画共有アプリのTikTokやYoutubeなどのツールが後押ししています。 来年もこのようなトレンドは続きます。その一方、『インスタ疲れ』する人も出ているため、より個性の際立つハッシュタグを数個つけるだけで、静かにフォロワーを増やしていく人も増えると予想されます」 旅行先や訪問したお店を投稿するだけの時代は過去のものに? 写真はイメージ(画像:写真AC) その使われ方が日々進化するインスタグラム。早くも2019年の流行語が気になるところです。
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