前倒しオープンと貧弱な交通網 オタクの聖地「東京ビッグサイト」の苦難に満ちた歴史とは
2020年12月9日
知る!TOKYOコミケやさまざまな展示イベントが行われ、多くの人が訪れる東京ビッグサイト。そんな東京ビッグサイトですが、オープン当初は苦難に満ちていました。フリーライターの猫柳蓮さんが解説します。
コミケ会場として有名
同人誌即売会「コミックマーケット(以下、コミケ)」を主催するコミケ準備会が先日、「コミックマーケット99」を2021年5月2日から5日まで開催することを告知し、話題となりました。
開催は夏冬の年2回で、世界中から多くの人が集まるコミケですが、2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止。そのため、今回の開催告知には感染抑制のための工夫が盛り込まれています。

そんなコミケの会場として知られるのが、東京ビッグサイト(東京国際展示場、江東区有明)です。
東京ビッグサイトは中央区晴海にあった東京国際見本市会場の後継施設として1996(平成8)年オープン。以来、日本最大のコンベンション・センター(会議場)としてさまざまな催しに使われています。また現在は、商業施設やがん研有明病院などさまざまな施設が周囲に完成し、エリア全体として発展しています。
基本設計の公表は30年前
しかし、オープン当初の風景はまったく異なっていました。
東京ビッグサイトは臨海副都心「東京テレポートタウン」の中核施設として計画され、その基本設計が公表されたのは1990(平成2)年7月のこと。展示用の床面積は8ha、幕張メッセの5.4haを越え、日本最大規模として注目を集めていました。

東京ビッグサイトのシンボルともいえる逆三角形の管理会議棟部分がリフトアップされたのは1994年7月。6500t、14万立方メートルの建築物を地上で組み立て、その後3日がかりで1分間に4.5cmずつ3日間かけ、23mの高さまでつり上げられました。
そして、東京ビッグサイトという愛称が決まったのは同年11月のこと。まさに臨海副都心の夢を象徴する施設として期待され、東京ビッグサイトは1996年4月に誕生したのです。

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