日本一のビジネス街「丸の内」で真っ昼間に突然鳴り響いた「ラジオ体操第1」、いったい何の集団?

  • おでかけ
日本一のビジネス街「丸の内」で真っ昼間に突然鳴り響いた「ラジオ体操第1」、いったい何の集団?

\ この記事を書いた人 /

アーバンライフメトロ編集部のプロフィール画像

アーバンライフメトロ編集部

編集部

ライターページへ

小学生の頃、早起きをして近所の公園で参加した「ラジオ体操」。このラジオ体操が、東京・丸の内のど真ん中で真っ昼間に行われています。一体誰が、何の目的で? 現地を取材してみました。

ビジネスパーソンが行き交う東京・丸の内

 JR東京駅の赤レンガ駅舎を出ると、そこは数々のオフィスビルが立ち並ぶ千代田区丸の内。

 名だたる有名企業が本社を構え、隣接する大手町・有楽町エリアと合わせた立地企業の年間売上高は、日本企業全体の実に10%を占めるという、名実ともに“日本一”を誇る巨大なビジネス街です。

 各ビルの1階にはおしゃれなカフェやアパレルショップが入居し、買い物や散策を楽しむ来街者の姿もありますが、やはり多く目に留まるのはスーツ姿のビジネスパーソンたち。日本の頭脳が集結するこの街で2020年10月20日(火)のお昼どき、一風変わった光景が見られました。

ランチタイム終盤、耳慣れたメロディーが

 場所は、「丸の内二丁目ビル」の前を走る丸の内仲通り。

 沿道に並ぶベンチでワーカーたちがつかの間のランチタイムを過ごすこの一角で、ちょうどお昼休みが終わりに差し掛かろうかという12時45分、耳慣れたあのメロディーが流れてきたのです。

 ♪チャンチャーラ、チャチャチャチャ、チャンチャーラ、チャチャチャチャ、チャチャチャチャ、チャチャチャチャ、チャチャチャチャチャーン

 そう、おなじみ「ラジオ体操第1」のメロディーです。

 見れば、通りの足元には数十個のフラフープが。すると通り沿いのビルからわらわらと人が降りてきて、フラフープの円の中に立つとおもむろにラジオ体操を始めたではありませんか。

年齢も所属もばらばらな数十人が、一斉に

 これは、NPO法人大丸有エリアマネジメント協会が行っている「丸の内ラジオ体操」。2015年にスタートし、毎年春・秋に開催。今回で10回目を数えるといいます。

 参加者の年齢は実にさまざま。局部長級を思わせるベテラン男性から20代の若手女性社員まで、所属部署も企業も違う数十人が、音楽に合わせてそれぞれ大きく手を回したり上体を後ろに反らせたり。

秋晴れの真っ昼間、突然始まった「ラジオ体操」。参加者たちは思いきり体を動かして充実した様子(2020年10月20日、遠藤綾乃撮影)



 久しぶりの秋晴れに恵まれたこの日は、首を空へ曲げる動作のときには木漏れ日がきらきらと光って見えてとても気持ちよさそう。

 全部で数分ほどの短いイベントでしたが、体操し終えた参加した人たちは皆どこか充実した表情で、またおのおのの職場ビルへと戻っていきました。

ビジネス街の昼にラジオ体操が与える効果

 それにしてもなぜ、オフィス街の真ん中でラジオ体操が行われているのでしょう。

 主催する大丸有エリアマネジメント協会の中嶋美年子(なかじま みねこ)さんによると、開催理由は大きくふたつ。

 ひとつめは、このエリアで働く人たちの「健康促進」。

 デスクワークで1日中座っていることの多いビジネスパーソンは、気づかないうちに肩が凝ったり腰に負担が掛かったりしがちです。

「健康のために運動しましょう、食事に注意しましょう、と耳にしても、ひとりではなかなか始められないのが現実です。スポーツジムに通うのはハードルが高いし……と思っている人も少なくないのではないでしょうか」

「その点『ラジオ体操』なら、誰でも子どもの頃から知っていて練習なしに気軽に始められます。ランチタイムの終わりに皆で気軽に運動することで、健康に向けた取り組みを始める一助になればと考えています」

 そしてもうひとつは、働く人同士のつながりやコミュニティーを活性化すること。

ワーカーたちをつなぐきっかけのひとつに

 三菱地所の社員でもある中嶋さん。

「丸の内ラジオ体操」を主宰する大丸有エリアマネジメント協会の中嶋美年子さん ※撮影時のみマスクを外して対応(2020年10月20日、遠藤綾乃撮影)



 丸ビルや新丸ビルの開業(それぞれ2002年9月、2007年4月)など、同社が出がける大規模なエリア再開発によりハード面での整備が進んだ一方で、

「そこで働く方々の(ソフト面での)働きやすさや充実感の創出も目指せれば」

と、ラジオ体操のほか、仲通りの車道に天然芝生を敷き詰めた「丸の内ストリートパーク」や、大勢で盆踊りを踊る夏祭りなどさまざまな企画に協会として参画しているといいます。

「夏休みの早朝」とはまた違う趣と魅力

 ちなみに、今回のラジオ体操で足元にフラフープが並べられていたのは、新型コロナウイルス感染拡大予防の一環で参加者同士の距離を保つため。

 また、対象は周辺オフィスで働いている人だけに限らず、買い物などで通りかかった来街者の飛び入り参加もOKとのことです。

 仲通りの目の前のビルで働く女性会社員(29歳)は、

「初めての参加でしたが、大勢の人と一緒にラジオ体操をするのは楽しいですね。子どもの頃を思い出すようでした。コロナ禍で外出したり体を動かしたりする機会が減っていたので、なおさら新鮮だったです」

と思わず笑みがこぼれていました。

※ ※ ※

 2020年秋の開催は、この日を皮切りに11月12日(木)までの毎週火・木曜日に計7回を予定(祝日除く)。7回中4回以上参加した人には、周辺店舗で使えるクーポンの特典も用意されているのだそう。

 真昼の秋空に向かって社会人同士でするラジオ体操は、夏休みの早朝に小学生同士でやったそれとは、また違う趣と魅力がありました。

 わずか数分で不思議な充実感が得られるこの企画は、運動やイベントへ参加がちょっと苦手という人にもおススメかもしれません。

関連記事