会えるのもあと4か月! 上野動物園「シャンシャン」の思い出、9月の新パンダ舎公開を機に振り返る

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会えるのもあと4か月! 上野動物園「シャンシャン」の思い出、9月の新パンダ舎公開を機に振り返る

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小川裕夫

フリーランスライター

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中国政府への返還期限が12月31日までと迫っている、上野動物園の人気者パンダ「シャンシャン」。現時点で新たなパンダの来園予定はありません。フリーランスライターの小川裕夫さんが解説します。

中国への返還期限は12月31日

 2017年に誕生し、一大旋風を巻き起こした上野動物園(台東区上野公園)の赤ちゃんパンダ「シャンシャン」の帰国日が迫っています。

 誕生以来、シャンシャンはすさまじいフィーバーを巻き起こしてきました。その過熱ぶりは、一般公開する以前から始まり、日々の体重をはじめ、一挙手一投足が詳細に伝えられてきました。

 上野動物園が所在する上野の街でも大きな盛り上がりを見せ、シャンシャン関連のグッズが販売されたほか、レストランでもシャンシャンにあやかったメニューが登場。大きな経済効果をもたらすとともに、地域活性化にも貢献しています。

 愛くるしいパンダの人気は日本のみならず世界共通ですが、シャンシャンは改めてパンダの人気を認識させることになりました。

 シャンシャンの返還期限は2019年6月でしたが、東京都は返還を先延ばしにするよう中国に打診。東京都の意向を受け入れ、中国政府は2020年12月31日(木)まで期限を延長しています。

数年後にパンダを見る機会は大幅減少

 ジャイアントパンダは絶滅危惧種のために、ワシントン条約によって国際取引が禁止されています。

 ジャイアントパンダは中国以外で生息が確認されていないため、中国は繁殖・生態研究を名目に国外にもジャイアントパンダをレンタルしています。上野動物園のジャイアントパンダも繁殖目的のためにレンタルされたものです。

上野動物園の外観(画像:(C)Google)



 現在、日本国内には上野動物園のほか、王子動物園(兵庫県神戸市)、アドベンチャーワールド(和歌山県白浜町)でジャイアントパンダが飼育・展示されています。

 繁殖を目的にしているため、原則的にジャイアントパンダはつがいで貸し出されます。国内3園のパンダもつがいで来園しましたが、王子動物園では2010(平成22)年にオスが病死。その後、新しいオスは来園していません。現在、メスの「タンタン」が1頭で飼育・展示されている状況です。

 上野動物園のシャンシャン同様に、王子動物園のタンタンも帰国が決まっています。また、シャンシャンの父母であるリーリーとシンシンも2021年2月にレンタルの期限を迎えます。リーリーとシンシンは、ともに15歳。新しい子パンダの誕生は望み薄です。

 このままだと、数年のうちに国内からパンダを見る機会が大幅に減少することが見込まれています。シャンシャンの帰国日は迫っており、新たなパンダをどうするのかといった悩ましい問題に直面しています。

9月8日公開予定の屋外パンダ舎

 そうした課題はありますが、このほど上野動物園は放飼場(ほうしじょう)となる屋外パンダ舎を新設しました。

 新しいパンダ舎は新型コロナウイルスの影響から工期に狂いが生じましたが、9月8日(火)にお披露目される予定です。新パンダ舎には、リーリーとシンシンが引っ越しをします。

 引っ越しは、動物にとって負荷の大きな作業です。ストレスを減らすため、上野動物園はいったん展示を休止。事前に習熟期間を設けます。習熟期間中は展示を中止するため、来園者は動物の姿を見ることができません。

 帰国が迫ったシャンシャンは、少しでも多く展示期間を確保し、たくさんの来園者に見てもらえるようにするといった配慮から引っ越しをしません。引き続き、現在のパンダ舎で飼育・展示されます。

期限いっぱいまで観覧できるとは限らない

 現在、シャンシャンに替わる新たなパンダが来園する予定はありません。

 シャンシャンの返還期限は2020年12月31日までになっていますが、移送の準備やシャンシャンの体調を考慮する必要もあるため、期限いっぱいまで観覧できるとは限りません。早めに展示を切り上げる可能性もあるのです。

 フィーバーに沸いた誕生から3年。誰もが名残惜しい気持ちを抱きますが、間もなくお別れのときを迎えます。

 一方、リーリーとシンシンの引っ越し先となる新しいパンダ舎は屋外にあり、これまでの屋内パンダ舎とは展示方法が異なります。ガラス越しの展示ではなくなったこともあり、来園者とパンダとの距離感は縮まります。その愛くるしさをいっそう感じやすくなるでしょう。

 新しいパンダ舎は、パンダの生育地とされている中国・四川省の山岳地帯をイメージしたもので、「パンダのもり」と命名されました。名前の通り、新パンダ舎は木や岩が配置されて、緑豊かな森を再現しています。

 新型コロナウイルスの影響から、上野動物園は2月末から休園していました。6月23日(火)から制限を設けて再開園しましたが、現在も1日の入場者数を約5000人までに入園を制限しています。

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