絶海の孤島からやって来た「野生の猫」が都心の猫カフェで大の甘えん坊に変わるまで【連載】猫カフェを訪ねて(1)
2020年7月17日
お出かけ愛くるしい猫、やんちゃな猫、怖がりの猫、泰然自若として仙人のような猫。どんな猫にも、生まれ育ちの物語がある――。猫好きによる、猫好きのための連載「猫カフェを訪ねて」。第1回は遠く離れた離島の山林で育ち、東京都心の猫カフェへと保護された猫たちの物語です。
はるか南の島からやってきた
その猫カフェにいる猫たちは、東京都心から南へ約200km、太平洋に浮かぶ小さな離島で暮らしていました。

人間の生活とは隔絶されて、島の森で暮らしてきた「野生の猫」たち。そんな彼らはなぜ、東京都心の猫カフェへとやってきたのでしょう。街で育った保護猫たちと何が違うのか、そして猫カフェで一体どんな暮らしをしているのでしょうか。
希少種の鳥を守るために捕獲
東京都・御蔵島(みくらじま)村。
人口321人(2018年8月時点)、総面積は北区とほぼ同じ約20.5平方キロメートルのこの島は、自然豊かな海域と山林に恵まれた有人島です。野生のミナミハンドウイルカと泳げる島として人気があり、東アジアに広く生息する海鳥・オオミズナギドリの世界最大の繁殖地でもあります。

一方、2000年頃から島内で徐々に増え始めたのが「野生の猫」でした。
人間が持ち込んだとみられる猫たちは繁殖を繰り返し、やがてオオミズナギドリを襲うようになります。
1970年代には推定175万~350万羽とされていた生息数は、この十数年で激減し、2019年の調査では推定11万7000羽にまで落ち込んでいることが確認されました。
「オオミズナギドリと猫、両方を守るために、猫たちを島外へ連れ出そう」――。島の自然を愛する有志たちが立ち上がり、本格的な猫の保護活動に乗り出したのは2017年8月。
かくして御蔵島出身の猫たちは、次々と東京都内の保護猫カフェへとやってきたのでした。
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