親世代が想像するより、文字も文章も書きまくってる「イマドキ女子大生」の赤裸々な実態

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親世代が想像するより、文字も文章も書きまくってる「イマドキ女子大生」の赤裸々な実態

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道満綾香

Z総研トレンド分析担当

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「今の若者は文章を書かなくなった」と思っている人はいませんか? 意外や意外、彼らは日常的に文章を量産しています。舞台はSNS、それから「推し」へのファンレター。Z総研トレンド分析担当の道満綾香さんが解説します。

「若者の文章離れ」は本当か

「今の若者は文章を書かない」というイメージを持っている人は多いのではないでしょうか?

 確かに昨今のコミュニケーションツールといえば、LINEのようなチャット形式のものが主流。リアルタイムでやり取りできるチャットはスピード感が重視されがちで、例えば「了解です」のひと言を、高校生や大学生などの若者が、文字入力の手間を省くために「りょ」とか「り」などと略すことが数年前に話題になりました。

デジタルネーティブと呼ばれる大学生・高校生たちも、実は日常的に「手書き」を活用しているって、ご存じでしたか?(画像:写真AC)



 このような短文でのやり取りを見るにつけ、前述のように「若者は文章を書けなくなった」と嘆く大人もいるかもしれませんが、決してそんなことはありません。

「文章の書き方」そして「媒体」が変化しているだけなのです。

実は「手紙好き」な若者たち

 デジタル文化が今ほど発達していなかった時代、文章はチャットでもWordでもなく、紙とペンで書くものでした。離れたところにいる相手とは、電話だけでなく手紙によるコミュニケーションもごく一般的に行われていました。

 手紙はもちろん2020年現在にも生きたコミュニケーションツールであり、実はZ世代(1996~2012年に生まれた若者たち)もかなり頻繁に活用しています。それは、日本で最先端のモノ・コト・情報に接する東京の若者たちもしかり。

 今の若者が手紙を活用する舞台は、ずばり「オタ活」。自分の好きな芸能人やYouTuberなどの有名人、アニメのキャラなど(いわゆる「推し」)への熱い思いを手紙にしたためているのです。

推しへの愛は、手書きで表現

 1970~90年代に漫画雑誌などの広告として掲載されていた「日ペンの美子ちゃん」、覚えていますか? 通信教育のがくぶん(学文社、新宿区早稲田町)が運営する「ボールペン習字講座」の往年キャラクターが今、Z世代からも人気を集めています。

 美子ちゃんは2016年12月にツイッターの公式アカウントを開設し、若者文化など時流に乗ったネタ漫画を配信しているほか、「推し」に書くファンレターの手書き見本を公開して話題になりました。

「日ペンの美子ちゃん」のツイッター公式アカウントは、ファンレターの手書き見本などを公開して若者からも支持を獲得(画像:「日ペンの美子ちゃん」ツイッター公式アカウント)



 このように「オタ活」において、「推し」とのコミュニケーションに手紙は欠かせないツール。なぜならSNSが発達した現代でさえ、推しと直接コミュニケーションを取るのはやはり難しいことだから。

 SNSのリプライ欄にファンからの書き込みが殺到してしまえば、自分の投稿は埋もれてしまいますし、そもそもSNSをやっていない推しもいます。そこで有効になるのがファンレター。

 推しへの愛を書きつづり、これからも頑張ってほしい! と手紙を書くのです。使うのはもちろん昔と変わらず便せんとペン。愛が強ければ強いほど便せんの枚数は1枚なんかではおさまりません。

「自らの手で書いた文字で思いを伝えること」は、今も昔も変わらず有効な手段です。

 そもそも「若者の活字離れ」といった指摘は今に始まったことではなく、例えば携帯電話(現在主流のスマートフォンではなく、いわゆるガラケー)が若者に普及した1990年代後半頃にもしきりに言われていました。

 そこで「若者と文字(文章)との関係」における近年の動向を少し振り返ってみたいと思います。

脈々と続く若者と文章の相愛

 2000年代前半、インターネットやガラケーの普及によってブログやケータイ小説が登場し、当時の若者に大はやり。現在KADOKAWA(千代田区富士見)が運営する小説投稿サイト、「魔法のiらんど」などが人気を博しました。

 人気のあるケータイ小説は書籍化され、本屋の目立つところに平積みで並べられ、当時の若者はこぞってその本を読んだり、自分でも書いてみようと投稿サイトやブログでアカウント登録してみたりしたものです。

ケータイ小説が原作で、新垣結衣主演で映画化もされた「恋空」(画像:TBSチャンネル、(C)2007映画「恋空」製作委員会)



 ブログでは日々の出来事や思いを日記のように書きつづる中で人気ブロガーも登場し、その生活スタイルにあこがれたり、人気ブロガーを目指して文章の書き方を工夫したりした若者も多くいました。

「魔法のiらんど」は大はやりしていた2000年代と比べてもそこまでPV数が変わっておらず、2020年現在もなお人気作品が登場し、たくさんの人に読まれています。

 同年3月末にサイトの一部機能が終了すると発表された際には、Twitterで「初めて自作したホームページが『魔法のiらんど』だったから終わってしまうのが悲しい」といった書き込みが多く上がりました。

 その後2000年代後半から2010年代にかけて、スマートフォンが登場したことにより「SNSが当たり前」の時代が到来。ソーシャルネーティブ(SNSのある環境で育ってきた若者)なZ世代が誕生しました。SNSの登場とはつまり、今の若者Z世代にとっての「文章を書く場所」の登場です。

 そうは言ってもTwitterは140字の文字数制限があるし、Instagramは写真がメインのコンテンツでしょ?……確かにそうですが、これらを逆手にとった使い方をZ世代はしているのです。

SNSにも進出する手書き文化

 特にInstagramでは、画像の中に文字データを合成するなど、文字と画像を組み合わせた投稿が多くなっています。

 さらに、文字だけのテキストデータを画像化した投稿もあれば、コスメなど自分のお気に入りアイテムについて特長を丁寧に分析・記載しているものなどさまざま。

 また、スマホの画面に自分の指で手書き文字を入力して、Instagramの投稿やストーリーズに使うパターンも増加中。きれいな文字の書き方を紹介するアカウントもあるほどです。

Instagramで「#手書き文字」というハッシュタグが付けられた投稿一覧のスクリーンショット(画像:ULM編集部)



 このように若者の文章を書く媒体は紙から携帯へ、携帯からスマホへ、どんどん変化してきました。

 中でも今の若者の特徴は、短文でのやり取りや投稿と、まとまった文章での自己表現とをうまく使い分けている点。また、たとえ新たな媒体が誕生しても、手書きの手紙などかつての文化も組み合わせて活用しているのは、先にご紹介した通りです。

 ツールの選択肢が増えた分、より多角的に文章に接していると言ってもいいかもしれません。

 時代の流れとともに文章を書く媒体は多様化しており、手段を選べるようになりました。Z世代は文章を書かないとみられがちですが、自分に合ったフォーマットや媒体を選んで文章を書くようになっただけなのだと筆者は考えています。

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