100万人が来場する東京の夏の終わりの大イベント―「東京高円寺阿波おどり」が戻ってきた!
東京の夏の終わりを象徴する風物詩「東京高円寺阿波おどり」が4年ぶりに復活。100万人を動員する屋外での演技が大々的に行われます。今回はエデュケーショナルライターの日野京子さんが、見どころや徳島の踊りがなぜ高円寺に根付いたのかを解説します。 各地イベントが従来と同じ規模で開催される夏が戻ってきました。都内の大規模イベントには国内外を問わず大勢の観客が集まり、4年ぶりの活気ある雰囲気に包まれています。 暑い夏も立秋を過ぎて「残暑」になり、日が暮れるとそろそろ秋の気配も感じられる季節になってきました。 確実に夏が去っていく8月下旬、夏の終わりを告げる風物詩として定着している東京高円寺阿波踊りが開催されます。第64回となる今年は4年ぶりとなる屋外演技が決まり、にぎやかなイベントが戻ってきます。 ●阿波踊りとは 阿波踊りと言えば、お盆の時期に行われる徳島県の阿波踊りが全国的に有名です。毎年8月12月から15日とお盆休みの時期に開催されることもあり、国内外から多くの観光客が訪れます。 (画像:特定非営利活動法人東京高円寺阿波おどり振興協会リリース)【画像】各地の踊り手「連」の衣装や演出、多国籍な商店街の出店する屋台グルメも見逃せない>> 阿波踊りの起源は諸説ありますが、いずれも鎌倉時代や戦国時代末期と古く江戸時代には庶民に浸透していた古い歴史を誇る踊りです。 合計100万人近くが来る大イベント(画像:PhotoAC) 「阿波おどり」という名称は大正から昭和にかけて定着し、戦後に一気に全国に広まっていきました。広まっていく中で、高円寺と阿波踊りが不思議な出会いをしました。 ●街おこしで始まった「東京高円寺阿波おどり」 徳島の阿波おどりに次ぐ規模で開催されているのが「東京高円寺阿波おどり」です。例年、100万人近くの来場者が訪れる一大イベントとして知られています。 一糸乱れぬ優雅な女踊り (画像:特定非営利活動法人東京高円寺阿波おどり振興協会リリース) 杉並区公式ホームページには「『高円寺ばか踊り』として始まった地域行事」との説明があるように、高円寺の阿波踊りは徳島との縁で始まったわけではありません。高度経済成長期の昭和32年(1957年)、商店街を活気づけようと地元の商店街の青年部が「徳島に街を練り歩く踊りがある」と聞きつけ、取り入れた地域のイベントでした。 ひょんなことからスタートした高円寺の阿波踊りですが、回を重ね、本場の徳島で踊りを学び祭りとしての完成度が高まりました。 衣装の違いにも注目したい (画像:特定非営利活動法人東京高円寺阿波おどり振興協会リリース) 高円寺阿波踊りは60年以上にわたって開催される中で、地域行事から東京の夏の終わりを感じさせる季節行事へと変貌を遂げた歴史あるイベントです。今では参加グループは徳島だけでなく全国から集結するようになっています。 ●都内で本場さながらの阿波踊りを鑑賞 2023年は4年ぶりに以前と同じ規模で行われ、8月26日(土)・27日(日)の二日間、約1万人の踊り手が本場に負けない迫力で道路などを舞台に踊ります。 両日夜にはJR高円寺駅や東京メトロ新高円寺駅近辺の屋外に合計8つの演舞場が設けられ、ダイナミックかつリズミカルな阿波踊りを間近で見ることができます。 高円寺の通りで踊るダイナミックな男踊り (画像:特定非営利活動法人東京高円寺阿波おどり振興協会リリース) 阿波踊りは「連」と呼ばれる団体が複数あり、それぞれが趣向を凝らした踊りを披露しています。各連の違いを見つけるのも阿波踊りの楽しみ方の一つです。 華やかな踊り(画像:特定非営利活動法人東京高円寺阿波おどり振興協会リリース) 日中は天候に左右されない屋内施設「セシオン杉並ホール」と「座・高円寺1」で芸術性の高い踊りが披露されます。昼と夜で異なる阿波踊りの奥深さを体験できます。 ●屋台グルメも楽しみの一つ お祭りに欠かせないのが屋台。ここ数年、屋台が並ぶ風景を見る機会が激減しましたが、今年の夏は各地で復活をしています。 「東京高円寺阿波おどり」は二日間合わせて約100万人も来るビッグイベントです。他のイベントと同じように屋台が並びますが、複数の商店街や地域が一体して盛り上げるお祭りということもあり、一味違っています。 商店街の飲食店が屋台を出す「まんぷく高円寺2023テント村」(イメージ画像:photoAC) 商店街の飲食店が屋台を出す「まんぷく高円寺2023テント村」が設置され、各店舗が個性的な品をそろえており、他のお祭りとは少し違う雰囲気を楽しめます。 大勢の観客が集まるため、屋台グルメは行列必至。屋外演技が始まる前に巡って気になる食べ物をゲットするのがおすすめです。お囃子に合わせて踊る活気あふれる空間で、屋台グルメも楽しみたいですね。 ●熱気あふれるお祭りの世界 歴史的な猛暑となった今年の夏は、4年ぶりに色々なイベントが戻ってきた夏でもありました。まだ残暑は厳しいですが、季節は確実に移り変わっています。 夏の終わりの夜に開催される、熱気あふれる東京高円寺阿波おどりを見に出かけて夏の思い出を作ってみてはいかがでしょうか。 “踊る阿呆に 見る阿呆 夜まで待てない 踊らにゃ損々!”「座・高円寺1」のパフォーマンスは流し踊りスタイル(画像:特定非営利活動法人東京高円寺阿波おどり振興協会リリース)■東京高円寺阿波踊り 開催日:2023年8月26日(土)・27日(日) 開催時間:屋外演技 17:00~20:00 開催場所:高円寺駅、新高円寺駅周辺商店街及び高南通り(計8演舞場) アクセス:JR「高円寺駅」・東京メトロ丸ノ内線「新高円寺駅」周辺 ・おどれ高円寺セシオン2023 開催時間:【第一部】開場11:00/開演11:30、【第二部】開場13:30/開演14:00 開催場所:セシオン杉並ホール(東京都杉並区梅里1-22-32) アクセス:東京メトロ丸ノ内線「東高円寺駅」より徒歩5分、「新高円寺駅」より徒歩7分 ・2023 夏の座・高円寺阿波おどり 開催時間:【第一部】開場11:30/開演12:00、【第二部】開場14:00/開演14:30 開催場所:座・高円寺1(東京都杉並区高円寺北2-1-2) アクセス:JR中央線「高円寺駅」より徒歩5分 舞台公演料金:2,000円(1公演・未就学児は保護者膝上に限り無料。ただし座席が必要な場合はチケットが必要) 電話:03-3312-2728(NPO法人 東京高円寺阿波おどり振興協会事務局) ※完全前売りの全席指定です。予約詳細は公式サイトをご確認ください 参照: 東京高円寺阿波おどり公式サイト http://www.koenji-awaodori.com/ 杉並区公式サイト https://www.city.suginami.tokyo.jp/suginamishoukai/90th/5storys/1073426.html
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